この項目では、製品化が進んでいる次世代ディスプレイについて説明しています。有機エレクトロルミネッセンス技術の概要、有機ELディスプレイの構造や特徴、その他の応用については「有機エレクトロルミネッセンス」をご覧ください。
有機ELディスプレイ(OLED、Organic Light Emitting Diodes)とは、有機化合物より作られた発光ダイオード(LED)の、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)現象を利用したディスプレイである。
次世代ディスプレイとして脚光を浴び始めた2000年代前半にはOELD(organic electroluminescence display)やオーガニックディスプレイ(ソニーによる用語)などと言った呼び方も提案されたが、最終的には「有機ELディスプレイ(OLED)」と言う呼び方をすることになった。目次 2000年代中頃までのディスプレイの主流であったCRTと比較すると、ディスプレイの厚さをミリサイズ以下に抑えられる、桁違いにコントラスト比が高いといった特長を備えている(詳細は「有機エレクトロルミネッセンス」を参照)。液晶ディスプレイと比較すると、CRT並みの画質・応答速度・視野角を持ち、液晶ディスプレイよりさらに薄く、曲げたり(フレキシブルディスプレイ)壁に掛けたりすることができるなどの特徴を持つ。一方で、焼き付きを起こす、寿命が短い、などの欠点があったが、これは2010年代以降に次第に解消されている。 2000年代中ごろより、CRTに代わる次世代ディスプレイの座をプラズマディスプレイや液晶ディスプレイなどと争った。日本では2000年代後半よりオーディオプレーヤーや携帯電話などの小型の表示画面に有機ELディスプレイを利用する商品が登場した。また、2007年11月22日にソニーより11インチの有機ELディスプレイ[1]を利用した有機EL薄型テレビ「XEL-1」が一般販売された[2][3]。 しかし当時は急速に高性能化・低価格化が進む液晶ディスプレイに対抗できず、普及・量産化に失敗。その後ソニーは有機ELディスプレイから撤退した。2011年にソニーが発売した携帯ゲーム機PlayStation Vitaではサムスンより有機ELディスプレイの供給を受け、さらにその後のモデルチェンジで液晶ディスプレイに変更された。 サムスンは2007年に小型有機ELパネルの量産化に成功し、2009年より自社の携帯電話で採用を開始し、2011年に発売されたスマートフォンSamsung GalaxyやPS VITAの売れ行きとともに普及していった。PS VITAが発売された2011年の時点で有機ELディスプレイを量産できていたのはサムスンディスプレイ
1 概要
2 主な用途
3 代表的な製品
4 有機ELディスプレイが使われている製品
5 年表
6 脚注
7 関連項目
概要
有機エレクトロルミネッセンスの原理をディスプレイとして世界で初めて商品化に成功した国である日本は、プラズマディスプレイや表面伝導型電子放出素子ディスプレイなどの有機ELディスプレイ以外の方式を次世代ディスプレイの本命として数千億円単位で投資してしまったメーカーや、大型テレビ用液晶ディスプレイに数千億円単位で投資してしまってその後のスマホ時代に乗り遅れたメーカーも多かったため、有機ELディスプレイの量産化が遅れているが、産業革新機構の主導でシャープ以外の日本の全てのメーカーの有機EL事業を集結したJOLEDと、シャープが2017年-2018年を目途に有機ELディスプレイの量産化の研究を進めている。
以前はスマホやタブレット用など、量産技術が確立した小型パネルに対し、大型化が技術的に困難で、歩留まりが非常に悪かったため、サムスン・ソニー・パナソニックなど、テレビやデジタルサイネージ用に使われる大型パネルの研究を進めていたメーカーは2014年までに撤退したが、LGディスプレイは2013年に大型テレビ用の大型有機ELパネルの量産化に成功。2017年現在で有機ELテレビを発売しているメーカーはLGエレクトロニクスと、LGディスプレイからパネルの供給を受けたパナソニック・東芝・ソニーである。 この記事の内容の信頼性について検証が求められています。
主な用途
テレビ(製品化されたものにはソニー「XEL-1」、LG OLED TVシリーズなどがある)
携帯電話(携帯電話はメインディスプレイのほかにサブディスプレイでの採用もある)
デジタルオーディオプレーヤー(ソニーのウォークマンなどで採用されている)
代表的な製品
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