有明_(列車)
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有明
「有明」に用いられた787系電車
(2008年12月9日 木葉駅
概要
日本
種類特別急行列車
現況廃止
地域福岡県佐賀県
前身急行「ひのくに」
運行開始1967年10月1日
運行終了2021年3月12日
後継新幹線「さくら」「つばめ」
運営者日本国有鉄道(国鉄)→
九州旅客鉄道(JR九州)
路線
起点大牟田駅
終点博多駅
営業距離69.3 km (43.1 mi)
列車番号1002M
使用路線鹿児島本線
車内サービス
クラスグリーン車普通車
座席グリーン車指定席:1号車
グリーン個室:1号車
普通車自由席:2 - 7号車
技術
車両787系電車南福岡車両区
軌間1,067 mm
電化交流20,000 V・60 Hz
最高速度130 km/h
備考
廃止時点のデータ
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有明(ありあけ)は、九州旅客鉄道(JR九州)が大牟田駅 - 博多駅間を、鹿児島本線経由で運行していた特別急行列車である。

本項では、鹿児島本線で運転されていた優等列車の沿革についても記述する。
概要

特急「有明」は、1967年10月に九州内で運転する特急として運転を開始し、以後鹿児島本線の沿線各都市、特に福岡 - 熊本 - 鹿児島という3つの県庁所在都市間を結ぶ優等列車としてその役割を担うようになった。1970年10月には鹿児島本線が電化されたのを機に電車で運転されるようになり、山陽新幹線が博多まで開業した1975年3月からは新幹線との接続を考慮したダイヤとし、鹿児島本線の基幹列車として定着していた。

大きな転換期が訪れたのは1992年のことで、7月のダイヤ改正において「有明」のうち 西鹿児島(現・鹿児島中央)発着列車を「つばめ」として系統分離した。残った「有明」は北九州・福岡大都市圏熊本都市圏を輸送エリアの起終点に見据え、熊本都市圏を貫く豊肥本線への乗り入れや、小倉駅への延長などの方策により、「つばめ」とは異なる独自の位置付けが与えられ、鹿児島本線の基幹列車的な位置付けを「つばめ」と二分した形で維持されていた。しかし、九州新幹線(鹿児島ルート)[1] の部分開業後は、九州新幹線「つばめ」および接続列車の「リレーつばめ」を主体としたダイヤ構成となり、「有明」は「リレーつばめ」に対する補完列車的な位置付けをより濃くすることになった。

2011年3月12日の九州新幹線全線開業後はホームライナー的な性格を持った列車として、本数・区間を縮小して運行されていたが、2018年3月17日のダイヤ改正でさらに本数・区間の縮小が行われ、大牟田駅から博多へ向かう、平日上り1本のみの運転となって[2]号数がなくなった。列車番号は、号数がなくなるまでは号数+1000が与えられ、号数がなくなってからは1002Mのみが付番されていた。

2021年3月13日のダイヤ改正で廃止となり、54年の歴史に幕を閉じた。

列車名の由来

一部の区間で沿って走る有明海に由来して「有明」とされた。この名称は公募によるものであった。
運行概況

2021年3月改正で廃止され、最終運転時の車両は南福岡電車区所属の787系だった。

2018年3月改正以降は平日朝に大牟田発博多行きの上り1本のみ運行され、土休日は運行しない。廃止時点で定期運行を行っているJR特急列車としては最も少ない運行本数であった。号数表記は無く単に「有明」と記載される。ホームライナー的な性格を持った列車となったのは2011年3月12日改正からだが、当時は長洲駅発着が下り3本・上り2本、熊本駅発着が1往復設定されていた。熊本発着の1往復は九州新幹線の部分開業以前に運行されていた夜行列車(急行「かいもん」→特急「ドリームつばめ」)の系譜を受け継いだ列車であり、九州新幹線の全線開業で並行在来線特急列車の殆どは新幹線に移行したがこの1往復のみ下りが博多0時台発、上りが熊本4時台発で発車時刻が新幹線の営業時間(6時-24時)外であることから熊本発着のまま存続した。熊本発着列車は2014年3月15日改正で下りは長洲止まりに短縮、上りは廃止され、残った5本も2018年3月17日改正で上り1本を除き廃止され、福岡県内のみの運行となった。

九州新幹線全線開業以前は博多-熊本間を「リレーつばめ」と合わせて1時間3本の割合で運行しており、大半の列車が豊肥本線に乗り入れていた(当初は水前寺駅発着だったが、2006年3月18日改正以降は大半の列車が光の森駅発着となった)。また1時間1本は小倉駅発着で運転を行い、「ソニック」と合わせ小倉-博多間でも1時間3本の特急運行を確保していた。九州新幹線全線開業時に博多-荒尾駅間には既存快速の延長運転および普通列車の停車駅削減で快速を増発。大牟田駅-熊本・八代間に「くまもとライナー」を、豊肥線内に「豊肥ライナー」を新設して実質的な代替措置としていたが「豊肥ライナー」は2013年3月16日改正、「くまもとライナー」は2015年3月14日改正でそれぞれ各駅停車に格下げされる形で運行を終了。小倉-博多間については「きらめき」として存置され、九州新幹線開業前の運行頻度を確保していたが、2018年3月17日改正で「きらめき」の日中運行は廃止された。
停車駅(廃止時)

大牟田駅瀬高駅羽犬塚駅久留米駅鳥栖駅博多駅

新幹線併設の筑後船小屋駅の他、かつて停車していた(2011年3月改正からは下りのみ停車)二日市駅は通過する。

使用車両・編成

運行終了時の編成図有明
← 大牟田博多 →

1234567
DX,GG個4自自自・b自自自

全車禁煙
凡例
G:
グリーン車指定席DX:DXグリーン(指定席)G個4:グリーン車4人用個室(指定席)自:普通車自由席b:普通車4人用ボックスシート(自由席)

南福岡車両区に所属する787系電車が充当され、主に「かもめ」「みどり」で用いられるDXグリーン席・グリーン個室連結の7両編成で運転されていた。普通車は全車自由席。2018年3月以降は平日の上りのみの運転のため、車両は早朝に南福岡車両区から一旦荒尾駅まで回送され、折り返し大牟田駅に入線していた。

1992年に在来線特急「つばめ」の間合いとして運用が開始された。長らく1往復のみの運行で1994年7月から1995年4月までは一時撤退していたが、1999年3月13日に「有明」が増発された際に「有明」用の4両編成が組成され[3]、2000年3月11日には全列車787系での運行に統一された。2003年3月15日には「つばめ」が7両編成に統一されたのを受け、「つばめ」に用いられていた6両編成も「有明」運用に回され、以降は「有明」用の4・6両編成を中心として、朝晩の列車には「つばめ」→「リレーつばめ」用の7両編成も使用されてきた(4+4の8両編成や7+4の11両編成での運用もあった)。2011年3月12日の九州新幹線全線開業後に伴い4両編成が日豊本線の特急に転用されたため、以降は従来の「有明」用の6両編成と、旧「リレーつばめ」編成から1両減車した6両編成により運行されていたが、2014年3月15日のダイヤ改正で一部列車が7両編成に増結されたのを経て、2018年3月17日のダイヤ改正からは7両編成のみが用いられていた。
2018年3月以前に用いられた車両
581系・583系
1970年10月に鹿児島本線全線電化に伴い運転を開始、1984年2月まで使用された。
481系・485系
1975年3月に山陽新幹線博多開業に伴って、山陽本線の特急が廃止されたことにより九州地区に転入し、「有明」の増発列車に充てられた。


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