月経
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月経周期における卵巣、基礎体温、ホルモン分泌、子宮内膜などの変化。

月経(げっけい、: menstruation)は、性成熟したヒト女性、高等霊長類のメスにおいて、子宮内膜子宮壁の最内層)が周期的に剥離・脱落する際に生じる生理的出血である[1][2]

思春期に始まり(初経)、個人差はあるが、閉経時期までの間におよそ28日周期で起こり、通常3?7日間続く(正常月経周期:25日から38日)[1]。月経と同時かその数日前から不快な症状を感じる女性が多く、これは「月経随伴症状」や「月経前緊張症候群」、「生理痛(月経痛)」と呼ばれる。特に生理痛は子宮筋が収縮し剥離・脱落した子宮内膜を腟へ排出する際に生じる収縮痛である[3][4]

正式な医学用語は月経だが、「生理(せいり)」「女の子の日」「女性の日」「レディースディ」「メンス」「アレ」など様々な名称で呼ばれる。他には「名称」節を参照。
名称

古事記』の、倭健命美夜受比売の服に経血の跡を見付けて交わし合った歌についての説明に「月経」という文字の並びが登場し[5]、これが日本に於ける初出とされている。1872年、奥山虎章が『医語類聚』にて 「Menses」 「Menstruation」の訳語として「月経」を採用する[6]

月経という言葉が普及する以前は「月水」「経水」などと呼ばれていたが、時代や階級などによって様々な名称で呼ばれた(例:「おまけ」「おめぐり」「はつはな」「めぐり」「おてなし」「かりや」「おてあい」等[7])。おおよそ1ヶ月の周期であることから、古くから「月の障り」と呼ばれ、異称として「月のもの」「月やく」「月の障り」「お月様」などと呼ばれた[8]。また、直接的な表現を忌み言葉として避け婉曲な表現を用いることも多く、地方での異称も数多く存在する[9]

大正期の広告などには「月役」の名称も見られる[6][10]。昭和に入ると「生理」という表現が用いられるようになり、当初は婉曲的な表現だったものが、やがて完全に月経の別称となっていった[11]。このほか同時期には、「メンス」(: menstruation, menses のカタカナ表記の省略形)、紙ナプキンの普及以降は「アンネ」(生理用品のメーカー名より)[12]、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}「お客さん」(ナプキンを座布団に見立てて「予め座布団を敷いてお客さんを待つ」などともいう)、「お弁当箱」(ナプキンが梱包されている形から)などとも呼ばれるようになり、また現代では「セーラームーン」{月経周期が月の満ち欠け周期(29.5日)に近いことから}などと呼ぶ場合もある[要出典]。また直接的な表現を避ける傾向は平成時代に入ってもみられ、「あれ」「あの日」「女の子の日」「女性の日」などとも呼ばれる[13][14]
月経周期詳細は「月経周期」および「排卵」を参照子宮内膜の変化の模式(英語版)排卵直前の卵巣

月経周期とは、月経開始日を1日目として、次の月経が開始する前日までの日数をいう。月経周期は個人差はあるが、およそ28日周期(個人差はあるが、およそ24?38日が正常の範囲[15]で起こり、医学的には、通常3 - 7日間続く(正常月経周期:25 - 38日)[1]。25 - 36日とする文献もある[2]

月経周期は卵胞期、排卵期、黄体期に分けられる[16]。適切に月経が起こるには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類の女性ホルモンの働きが重要となる[17]


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