最高指揮官（さいこうしきかん、英: Commander-in-chief）とは、国家において、その国の軍隊またはそれに準ずる組織を指揮監督する最高の権限を有する地位である。最高指揮官の有する軍隊に対する権限を最高指揮権または統帥権という。
君主
君主が元首であり、最高指揮権を持つとされている国　
イギリス
イギリスでは君主である国王[注釈 1]に統帥権がある。
カナダ
詳細は「カナダ軍最高司令官」を参照最高指揮権を有するのはカナダ国王であり、カナダの総督が代行する。
クウェート
クウェート国では、1961年憲法（英語版）により、国家元首である世襲制首長が軍の最高司令官と規定されている（第67条）。なお、首長は法の下で士官の任命・解任の権限を行使でき、勅令により自衛戦争の宣戦布告をすることができる[1]。
スペイン
スペインでは、スペイン1978年憲法により国家元首である国王[注釈 2]がスペイン軍の最高指揮権を持つ。
タイ
タイ王国では国王[注釈 3]が大元帥（『仏暦2550年（西暦2007年）タイ王国憲法』第10条）[2]と規定されており、タイ王国軍の統帥権を有する（「大元帥」の訳語については「総帥」「元帥」と訳される場合もある）。
デンマーク
デンマークではデンマーク王国憲法によれば国家元首[注釈 4]（国王）がデンマーク国防軍の最高指揮官であるが、国民議会（フォルケティング）の同意なしにいかなる軍事行動も行うことができない。
国家元首
君主以外の元首である大統領等の選挙などで選ばれた国家元首が最高指揮権を持つとされている国　
アメリカ合衆国
詳細は「アメリカ合衆国大統領#軍指揮権」を参照アメリカ合衆国の各軍の最高指揮権は合衆国大統領にある。ただし、議会への配慮を定めた戦争権限法が1973年に成立している。
イエメン
イエメン共和国では、イエメン共和国憲法（英語版）第110条により、共和国大統領が軍の最高司令官と規定されている。また、同憲法第37条によれば、共和国大統領は、国防会議の議長となり、国家とその平和の防衛に関する問題を担当する[3]。
エジプト
エジプト・アラブ共和国では、1971年憲法（英語版）の下においては、国家元首である共和国大統領が軍の最高司令官とされていた（第150条）。なお、宣戦布告については国会の承認を先に得ることが必要である[4]。2011年革命に際し、エジプト軍最高評議会によって1971年憲法は停止されており、憲法改正が行われる予定である。