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やノートページでの議論にご協力ください。書体(しょたい)とは、一定の文字体系のもとにある文字について、それぞれの字体が一貫した特徴と独自の様式を備えた字形として、表現されているものをいう。基礎となる字体の特徴、およびその字形の様式から導かれる、形態の差異によって分類される。例えば、漢字という文字体系のもとにある書体として、篆書・隷書・楷書・行書・草書の五体に加え、印刷用の書体(明朝体やゴシック体など)、さらにはデジタルデバイスでの表示に最適化することを思考した書体が存在する[1]。これらはいずれも共通の文字集合から生まれながら、時代・地域・目的などにより、その形態を変化させていったものである。
英語の typeface の訳語としても用いられる。この場合は、広義における活字とその意匠についての概念として扱われる。
近年ではフォントと同義に用いられることがあり、フォントの使用ライセンスの単位として、1書体、2書体と数えることもある。しかし本来、書体は文字に通底する概念であって、金属活字の字面や写真植字の文字盤、またデジタルフォントのアウトラインデータそれ自体を指すものではない。
以下は字形から見た書体の類別(組版の視点から見た分類)に従って叙述する。
漢字
書体
篆刻・毛筆
甲骨文金文篆書
古文隷書楷書
行書
草書
木版・活版
宋朝体 明朝体 楷書体
字体
構成要素 欧文書体は、画数や字数が少なく作りやすいため数が豊富であり、整理・体系化が進んでいる。 主な書体は以下のように分類される。
筆画 筆順 偏旁 六書 部首
標準字体
説文解字(篆書体)
字様書 石経
康熙字典体(旧字体)
新字体 新字形
国字標準字体 常用字字形表
漢文教育用基礎漢字
通用規範漢字表
国字問題
当用・常用漢字
同音の漢字による書きかえ
繁体字(正体字) - 簡体字
漢字廃止・復活
漢字文化圏
中・日・朝・越・台・琉・新
派生文字
国字 方言字 則天文字
仮名 古壮字 字喃 女書
契丹文字 女真文字 西夏文字
→字音
欧文書体
セリフ(ストロークの端に飾りがついた書体)
オールド・フェイス
トランジショナル
モダン・フェイス
サンセリフ(セリフのない、均一な太さのストロークをもつ書体)
グロテスク
ネオ・グロテスク
ヒューマニスト
ジオメトリック
スクリプト(筆記体などの手書き文字に近い書体)
フォーマル
インフォーマル
ロンドスクリプト
イタリックスクリプト(英語版)
カリグラフィック
メロヴィング体(英語版)
カロリング小文字体
インシュラー体
ゲール文字
ローマ筆記体
アンシャル体
ディスプレイ (POP) 書体
ブラックレター
フラクトゥール
コンピューター向け
ドットディスプレイ用書体
セグメントディスプレイ用書体
その他
OCR用書体 (OCR-A(英語版)、OCR-B(英語版)、E-13B及びCMC-7、Data 70など)
タイプライター再現用書体 (ムラや掠れなどを再現したもの)
欧文書体の各構成要素「書体の構成要素(英語版)」を参照欧文書体のエレメント
欧文書体は小文字において上下の幅が極端に異なることから、いくつかの上下のラインを設定し、字の高さを数パターンに規格化した上で設計される。このことよりベースラインを始めとした、図のように幾つもの(見えない)並び線に沿ってデザインされることが普通である。
また、欧文書体はエレメントを再利用することで構成されること、いくつかの特徴的なエレメントのデザインが決まれば、他の文字の同様の部分もおおむね定まってくるといえる。エレメントによる字形の再生産は一般的に読みやすさを担保する要請に叶うことである。なお、再利用されるエレメントは完全に一致するとは限らず、文字の造形に内在する錯視や、出力時の見え方の調整を念頭に部分的にエレメントを例外的に調整する必要がある。
なお、「カウンター(英語版)」は、閉じた部分だけではなく、CやVなどの字の内側も指す。また、図中の「ケルン」は日本独自の用語であり、英語ではball-shaped terminal、ドイツ語ではTropfenなどと呼ばれる。金属活字において、一般にボディから張り出した部分を指すkernという語をエレメントと混同した呼称であって、誤りとされる。
欧文書体における並び線の種類欧文書体の各種ライン
ベースライン
単にラインとも呼ばれる。欧文に限らず、様々な文字体系に存在する仮想的な線と言える。和欧混植の組版においては、一方が下がって見えるといった問題を解消するために、和欧間で異なるベースラインを設定することがある。
ミーンライン
ベースライン+エックスハイト(後述)の高さに引かれる水平線。ベースラインと並んで、視線を誘導するうえで重要な要素である。
キャップライン
大文字の上端の高さに引かれる水平線
アセンダーライン
小文字のf、h、l などの上端の高さ、すなわちアセンダーの上端に引かれる水平線。なお、Lの小文字「l」と大文字「I」の字形が書体によっては酷似するが、基本的に小文字lの上端はアセンダーラインに達し、大文字Iの高さはキャップラインに収められる。