『書を捨てよ町へ出よう』(しょをすてよまちへでよう)または『書を捨てよ、町へ出よう』は、寺山修司による評論、戯曲、映画。 1967年に寺山は「書を捨てよ、町へ出よう」(芳賀書店)という評論集を出版。その後、同年に旗揚げした演劇実験室「天井桟敷」の第7回公演(1968年)で「ハイティーン詩集 書を捨てよ町へ出よう」が演劇作品として発表された。 アングラ演劇ブームが起こり、1969年夏には新宿・花園神社隣にあった建物(閉店したスナック「パニック」の建物を公演用に改装)で2か月間のロングラン公演。この公演は夜の新宿名所を巡るはとバスのツアーで毎夜、団体客で満席となった。また、同年秋には、名古屋、京都、神戸と、旅公演も行っている。 1971年には寺山修司自身が監督・製作・脚本を務める同名の映画が公開。同年、評論集「続・書を捨てよ町へ出よう」が出版される。これらの評論集・公演作品・映画は、題名は同じであるが、内容は別個の物である。 2015年11月時点で、角川文庫では64刷・50万部を発行している[1]。
概要
評論集
『書を捨てよ、町へ出よう』(初版:芳賀書店/改(現行)版:角川書店・角川文庫)
芳賀書店
イラスト:横尾忠則
写真:吉岡康弘
収録
青年よ大尻を抱け
足時代の英雄たち
特別とじ込付録 私自身の詩的自叙伝
自由だ、助けてくれ
不良人間入門
恋愛百科・口から出まかせの恋愛論
三文エロイカ
痩せた日本人のための書
行きあたりばったりで跳べ
スポーツ無宿
著者・装幀者・写真提供者紹介
角川書店・角川文庫
収録
第1章 書を捨てよ、町へ出よう
第2章 きみもヤクザになれる
第3章 ハイティーン詩集
第4章 不良少年入門
続編
『続・書を捨てよ、町へ出よう』(1971年・芳賀書房/1993年・河出書房新社・河出文庫「寺山修司コレクション」)
収録:
巻頭論文 青少年のための家出入門
グラビア 寺山修司アルバム自叙伝
母恋春歌調
ひらかな仁義
特別とじ込み附録 ぼくの新宿+「のわき」
歴史なんか信じない
おやじ、俺にも一言
グループ探訪
言友会
舞台
オリジナル版(1970年)
台本:寺山修司
演出:萩原朔美
音楽:クニ河内
出演:天井桟敷、ハイティーン詩人たち
CD
『ハイティーン・シンフォニー 書を捨てよ、町へ出よう』(SWAX-62)1970年阿佐ヶ谷公会堂、天井桟敷の第7回公演の録音を元に植村良己が再構成。
収録
プロロオグ?レッツゴー・オーネット! (「プロロオグ」作曲/クニ河内、「レッツゴー・オーネット!」朗読:江戸桜四郎
母捨記 (朗読:松崎富男
書を捨てよ町へ出よう 「映画館の暗闇の中でそうやって腰掛けて待ってたって何も始まらないよ…」と主人公が観客をなじる。北村英明は21歳。予備校通いもやめてブラブラしている。戸塚の都電沿線の廃墟のような貧乏長屋で、万引き常習犯の祖母、無職の父親、ウサギを偏愛する引きこもりの妹と暮らしている。英明には憧れの人がいる。その彼は大学のサッカー部で主将を務め、美人の彼女をもち、良いアパートに住み、左翼思想にかぶれ、英明をかわいがり、そしてけしかける。英明は人力飛行機に乗って、抑圧された環境からの脱出を夢見る。青年の鬱屈した青春を過激なミュージカルと実験映像を交えて挑発的に描く[注 1]。
Throw Away Your Books Rally in the Streets
監督寺山修司
脚本寺山修司
製作寺山修司
出演者佐々木英明
小林由起子
音楽下田逸郎
J・A・シーザー
柳田博義
クニ河内
加藤ヒロシ
荒木一郎
田中未知
石間ヒデキ
撮影鋤田正義
編集浦岡敬一
製作会社人力飛行機プロ
日本ATG
配給日本ATG
公開 1971年4月24日
上映時間137分
製作国 日本
言語日本語
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概要
製作年:1971年
配給:日本アート・シアター・ギルド(ATG)
演劇実験室「天井桟敷」が全国各地で百数十回以上上演した同名ドキュメンタリー・ミュージカルの映画化。第14回サンレモ映画祭(イタリア)グランプリ、キネマ旬報ベストテン第9位。
キャスト、スタッフとも素人とプロの混成チームだった。
あらすじ
出演
佐々木英明:北村英明(私)
斎藤正治:北村正治(父)
小林由起子(現竹林舎青玉
田中筆子:北村ハツ(祖母)
平泉征(現平泉成):近江(彼)
森めぐみ:(彼の恋人)
丸山明宏(現美輪明宏):地獄のマヤ
新高恵子:娼婦みどり
ゴライアス:幻の肉体美
不詳:姉殺し
浅川マキ:階段の娼婦
鈴木いづみ:女医
J・A・シーザー:長髪詩人
川村都