この項目では、位相幾何学について説明しています。初等幾何学については「曲面 (解析幾何学)」を、微分幾何学については「曲面の微分幾何
(英語版)」を、代数幾何については「代数曲面」を、その他の用法については「表面」をご覧ください。出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。(2013年6月)
X-、Y-、Z-等位線の入った開曲面
数学、特に位相幾何学における曲面(きょくめん、英: surface)は、二次元位相多様体である。最もよく知られた曲面の例は、古典的な三次元ユークリッド空間 R3 内の立体の境界として得られる曲面である。例えば、球体の境界としての球面はそのようなものの例になっている。他方でクラインの壷などの、特異点や自己交叉を持つことなしに三次元ユークリッド空間に埋め込み不可能な曲面というものも存在する。
曲面が「二次元」であるというのは、それが二次元の座標系を入れた「座標付きのきれはし」の貼り合せになっているということを指し示している。例えば、「地球の表面」は(理想的には)二次元球面であり、経線と緯線はその球面上の二次元座標系を与えている(ただし、両極を180度子午線で結んだ部分を除く)。 様々な例をみてみることで、一般的な曲面の概念と、曲面概念がいかに多様で豊富であるかがわかる。どんな形式的定義によってもこの多様さを包摂することはできないだろう。 以下では、曲面とは第二可算公理を満たす二次元の多様体とする。 より正確には、(境界付きの)位相的曲面とはハウスドルフ空間であってその任意の点が、二次元ユークリッド空間 E2 の開集合、あるいは E2 の半閉空間
例
可展面 (developable surface) は内在的には「曲がっていない」曲面、つまり平面から伸縮することなく得られる曲面である。例として柱面
線織面 (ruled surface) 各点についてそこを通る内在的に「まっすぐな」線が存在するような曲面。柱面や一葉双曲面がその例になっている。
回転面 (surface of revolution) は円柱対称性をもった曲面である。
極小曲面 (minimal surface) とは与えられた境界条件に対し面積を極小・最小にするような曲面である。カテノイド(懸垂面)やヘリコイド(常螺旋面)が例として挙げられる。針金の枠に張ったシャボン膜は表面張力がはたらくことにより極小曲面をなす。
代数曲面は代数方程式系の零点集合として定義される。例として二次曲面・三次曲面・ヴェロネーゼ曲面が挙げられる。
陰伏曲面 (implicit surface) は一般的な方程式系の零点集合として定義される。
クラインの壺やメビウスの帯は向きのつかない多様体の例である。
リーマン面とは複素解析的な構造を持つ曲面のことであり、特に、それらの間の正則写像の概念が定義できる。例えば球面やトーラスが挙げられる。
射影曲面は射影空間の中で定義される。
アレクサンダーの角付き球面は、普通のなめらかな曲面とカントール集合になっている特異点集合をあわせた位相構造を持つ曲面の例になっている。
定義
境界が空集合になっている曲面はコンパクトなら閉曲面、コンパクトでないなら開曲面とよばれる。 閉じた(つまりコンパクトで境界のない)連結な曲面の位相同型類については完全な分類がある。そのような曲面は次の二つの無限系列のどれかに当てはまる: したがってオイラー標数と向き付け可能性がコンパクトな曲面を位相同型の限りで(さらには、考えている曲面がなめらかなら微分同相の限りで)特徴付けていることになる。 境界の付いたコンパクトな曲面は、境界のないものからいくつかの交わらない閉円板の内部をのぞいたものになっている。 コンパクトな曲面は向き付けできるか空でない境界を持っていれば R3 に埋め込むことができる。ホイットニーの埋め込み定理 n-次元ユークリッド空間の中の、あるいは一般にリーマン計量をもった曲面の面積については体積要素で説明される。リーマン面上の計量についてはポアンカレ計量を参照のこと。 以下のように矩形の辺を(AはAと、BはBと)矢印の向きがあうように張り合わせることでいろいろな曲面のモデルができる: 実際に布などを切って張り合わせて作ろうとすると、球面は普通に作れる。トーラスは、どちらかの張り合わせが先で、もう一方が後になってドーナツ形になる。コンピュータRPGで、地面がこのようにトーラスになっているものがある、ということが時折話題になる。実射影平面とクラインの壷は、面の表と裏を区別できない。クラインの壷は、三次元では自己交叉なしに作ることができない。 位相幾何学的な意味において、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}閉曲面は基本多角形 上の模型は次のようにかける: 一般の連結和については「連結和」をご覧ください。 二つの曲面 M, M′ が与えられたとき、それぞれから円盤を切り抜いてできた縁を張り合わせることで、二つの曲面の連結和 M # M′ が得られる。 以下の記号を使うことにする: ことのとき次が成り立つ: 略記法 nM = M # M # ... # M(n回)、0M = Sも用いられる。 閉曲面の系列は次のようにかける: これまでの曲面と代数曲面とは区別する必要がある。非特異な複素射影代数曲線は実数体上なめらかな曲面になっている。複素数体上の代数曲面の実多様体としての次元は4になる。
閉曲面の分類
球面に g 個のハンドルをつけたもの(g-重トーラスとよばれる)。これはオイラー標数が 2 − 2g の向きがついた曲面であり、種数 g の曲面ともよばれる。
球面に k 個の実射影平面をつけたもの。これはオイラー標数が 2 − k の向きがつかない曲面である。
コンパクトな曲面
R3 への埋め込み
微分幾何学的な概念
模型
球面
実射影平面(w:Real projective plane
クラインの壺
トーラス
基本多角形
球面: ABB−1A−1
実射影平面: ABAB
クラインの壷: ABAB−1
トーラス: ABA−1B−1
曲面の連結和
球面: S
実射影平面: P
クラインの壷: K
トーラス: T
S # S = S
S # M = M (Mは任意の曲面)
P # P = K
P # K = P # T
gT(g-重トーラス): 種数 g の向き付き曲面 (g ? 0)
gP(g-重射影平面): 種数 g の向きなし曲面 (g ? 1)
代数曲面
参考文献.mw-parser-output .refbegin{margin-bottom:0.5em}.mw-parser-output .refbegin-hanging-indents>ul{margin-left:0}.mw-parser-output .refbegin-hanging-indents>ul>li{margin-left:0;padding-left:3.2em;text-indent:-3.2em}.mw-parser-output .refbegin-hanging-indents ul,.mw-parser-output .refbegin-hanging-indents ul li{list-style:none}@media(max-width:720px){.mw-parser-output .refbegin-hanging-indents>ul>li{padding-left:1.6em;text-indent:-1.6em}}.mw-parser-output .refbegin-100{font-size:100%}.mw-parser-output .refbegin-columns{margin-top:0.3em}.mw-parser-output .refbegin-columns ul{margin-top:0}.mw-parser-output .refbegin-columns li{page-break-inside:avoid;break-inside:avoid-column}
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外部リンク
Weisstein, Eric W. "Surface". mathworld.wolfram.com (英語).
surface
Chernavskii, A.V. (2001), “Two-dimensional manifold”, in Hazewinkel, Michiel, Encyclopedia of Mathematics
⇒Gallery of Famous Surfaces: 視点回転のJavaアップレットがついた70個+の曲面
⇒Isosurface: 陰関数曲面のポリゴナイザーを実施する Mac OS X 用アプリケーション&スクリーンセーバーのセット
⇒Math Surfaces Animation, with JavaScript (Canvas HTML) for tens surfaces rotation viewing
⇒The Classification of Surfaces
⇒History and Art of Surfaces and their Mathematical Models
典拠管理データベース: 国立図書館
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アメリカ
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