暴風
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ビューフォート風力階級(ビューフォートふうりょくかいきゅう、: (the) Beaufort scale)は、風力(風の強さ)を分類するための風速の尺度である[1][2]
目次

1 名称

2 概要

3 ビューフォート風力階級表

4 海上警報

5 脚注

5.1 注釈

5.2 出典


6 参考文献

7 関連項目

8 外部リンク

名称

考案者の姓(Beaufort、ボーフォート)によるものである。Beaufort はフランス語起源の語であり、フランス語の発音は「ボーフォール」、英語の発音は「ボーフォート」に近い[† 1][† 2][3]。しかし日本では慣例として「ビューフォート」とされることがほとんどである[4][† 3]

明治時代に、Beaufort風力階級が日本に導入されたとき、beautiful(美しい)の発音の影響から、「美氏風力階級」の語と「ビューフォート」との誤った発音が生じた[5][6]
概要

イギリス海軍の、後に提督となったフランシス・ボーフォート1805年に提唱した。ボーフォートは武装帆船での航海において、海上の風の強さを表現するため、自らの経験に基づいて風力を0から12までの13段階に区分、各段階における海の状況(波浪など)を記した表を作成した。1838年にはイギリス海軍全体で風力を記録することが定められる。その後、陸上にも対応するよう改正され、1874年には国際気象委員会[† 4]で国際気象通報式に採用された。20世紀に入ると風速の物理値との関係式が定められた[7][8][9]

改正を経て、1964年世界気象機関 (WMO)の風力の標準尺度に採用された[10]。日本の気象庁の採用している気象庁風力階級はこのビューフォート風力階級を翻訳したもので、内容は同一である[10][2]

WMOにおける風力階級Bと風速Vは、経験的に以下の関係式で表される[11]。V = 0.836 B3/2 m/s

なお、現在は風速計ドップラー・レーダーなどの風速値が分かる観測器が広く用いられているため、気象観測において、風力階級表を用いた目視観測で風速を決定することはほとんどない。しかし、風速計の故障時には代替として用いるほか、広い範囲の風の強さを評価するとき、また野外で風速の目安を目視で知りたい時などに活用できる[9][12]
ビューフォート風力階級表

日本では風力は「風力5」のように数字で表し、「疾風」のような名称は公式には使用しない。また、風速には相当風速(開けた平らな土地で地上10mの高さでの10分間の平均風速)を用いる。瞬間風速は相当風速の1.5?2倍、またはそれ以上になることもある。

風力階級名称相当風速陸上の様子海上の様子
0平穏(へいおん) / 静穏(せいおん)[13][14]
Calm0?0.2m/s
0ノット煙はまっすぐ昇る[15]。水面は鏡のように穏やか。
1至軽風(しけいふう)
Light air0.3?1.5m/s
1?3ノット煙は風向きが分かる程度にたなびく
[15]。うろこのようなさざ波が立つ。
2軽風(けいふう)
Light breeze1.6?3.3m/s
4?6ノット顔に風を感じる
[15]。木の葉が揺れる[15]。はっきりしたさざ波が立つ。
3軟風(なんぷう)
Gentle breeze3.4?5.4m/s
7?10ノット木の葉や小枝が揺れる
[15]。波頭が砕ける。白波が現れ始める。
4和風(わふう)
Moderate breeze5.5?7.9m/s
11?16ノット砂埃が立ったり、小さなゴミや落ち葉が宙に舞ったりする
[15]。小さな波が立つ。白波が増える。
5疾風(しっぷう)
Fresh breeze8.0?10.7m/s
17?21ノット葉のある灌木が揺れ始める
[15]。水面に波頭が立つ[2]
6雄風(ゆうふう)
Strong breeze10.8?13.8m/s
22?27ノット木の大枝が揺れ
[15]、傘がさしにくくなる[15]。電線が唸る[15]。白く泡立った波頭が広がる。
7強風(きょうふう)
High wind / Moderate gale / Near gale13.9?17.1m/s
28?33ノット大きな木の全体が揺れ
[15]、風に向かって歩きにくい[15]


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