暗槓
[Wikipedia|▼Menu]

槓(カン)とは、麻雀において、槓子(カンツ)を作るための行為のことをいう[1]。大別すると、暗槓(アンカン)、大明槓(ダイミンカン)、加槓(カカン)の3種類がある。加槓は小明槓(ショウミンカン)ともいう[2]。また、大明槓と加槓を合わせて明槓(ミンカン)と言う。

なお語源としては、「槓」という漢字の「長い棒」のような意味からきているという。
槓子

槓子とは、同種の牌4枚による面子である。

他のタイプの面子(刻子および順子)と比較すると、以下の違いがある。

面子は通常3枚の牌から成るが、槓子だけは例外的に4枚の牌から成る。

同種の牌を4枚持っていたとしても、槓を宣言しないと槓子として認められない。

暗槓の場合でも、槓子は他のプレイヤーに公開する。

いったん成立した槓子に含まれる牌(4枚)は、暗槓・明槓を問わず、他の手牌から完全に独立した面子となり、その後、その局が終了するまで河に捨てることができない。槓をせず手の内で4枚使う場合は槓子とは言わず「4枚使い」もしくは俗に「カンコ使い」と言う。手の内に4枚ある状態を「カンツ」と俗称することもあるが、本来の用法からは外れる。
槓子の扱い

得点計算の際、構成面子としては(一部の例外を除き)暗槓子は暗刻子、明槓子は明刻子の代用とすることができる。そのため、刻子という用語は広義には槓子を含み、暗刻も広義には暗槓を含む。

例えば下図のような牌姿の時、

(例)      二筒・六筒の暗刻子2つと八索の暗槓子1つで三暗刻が成立する。これは八索の暗槓子を暗刻子の代用として扱うことができるためである。

九蓮宝燈における1と9の暗刻子に関しては例外で、暗槓してしまうと九蓮宝燈の成立条件を満たさなくなる。

(例)   九筒を暗槓していてもしていなくても待ちは だが、この形からで和了しても、を暗槓している形では九蓮宝燈として認められない。

なお、明槓子は暗刻子の要件を満たさない。たとえそれが暗刻子を大明槓した明槓子であっても、明槓した時点で暗刻の要件を放棄したものとされる。例えば下図のような牌姿の場合、三暗刻は成立せず、和了役は發のみとなる。

(例)      (大明槓)
手順

暗槓および加槓については自摸および自身の槓の直後、大明槓についてはポンと同じように他のプレイヤーの打牌の直後に行う。チーポンの直後(打牌の前)に槓はできない。暗槓、大明槓、加槓いずれの場合も、槓をするかしないかは自由である(特に大明槓についてはデメリットが大きいのでしない方が普通である。大明槓のデメリットについての詳細はメリットとデメリットの節の種類による違いを参照すること)。
「カン」と明瞭に発声する。

槓子とする4枚の牌を所定の形式で晒す(晒し方については種類の節を参照)。

嶺上牌を取得する。

打牌する。

加槓の場合は搶槓がなかった時点で槓が成立する。搶槓が発生した場合は槓は不成立となり、槓ドラ表示牌もめくらない。

取得した嶺上牌が和了牌だった場合、嶺上開花という役が成立する。

嶺上牌を取得した直後、さらに暗槓や加槓が可能であれば、連続して槓をすることができる。この時は再び上記の手順を繰り返す。
嶺上牌

槓子は他の面子よりも1枚多く牌を使うため、槓が成立すると手牌が1枚不足する。これを補うため、槓の成立後に決められた場所から牌を1枚取得する。この補充の牌を嶺上牌(リンシャンパイ)という。

嶺上牌とは、ドラ表示牌の左側にある24枚の牌をいう。王牌の714枚のうち、開門位置に最も近い4牌である。嶺上牌は、通常の自摸とは逆方向、反時計まわりに開門位置に近い方から順に取得していく。

槓により嶺上牌が取得された場合、取得の直前における海底牌を王牌に加える。その結果1・3回目の槓では旧海底牌の上に乗っていた牌が下に移動し、新たな海底牌となる。すなわち新しい海底牌の上には牌が乗っていない状態になる。2・4回目の槓では、先の槓により単独になっていた海底牌を王牌に持っていく形になる。これらにより王牌は常に14枚に維持される(王城不可侵の原則)。
槓ドラ

一般的なルールでは、槓が成立した時にドラを増やす。このドラを槓ドラといい、以降この牌を2つ目のドラ表示牌として扱う。2回目以降の槓については、さらに隣りの牌をドラ表示牌とする。

槓があった時に、槓ドラ表示牌をどのタイミングで表向きにするかについては、以下のように取り決めに差がある。

暗槓は即めくり、明槓は打牌後

暗槓の場合は嶺上牌をツモってきた直後にめくり、大明槓および加槓の場合は牌を捨てた直後にめくる。

すなわち、暗槓の場合は新ドラが何か確認してから牌を捨てることができ、明槓の場合は新ドラ表示牌がめくられる前に牌を捨てなければならない。


槓ドラ即ノリ(槓ドラ即めくり)

暗槓、明槓に関わらず、嶺上牌をツモってきた直後にめくる。

すなわち、明槓の場合でも、新ドラが何か確認してから牌を捨てることができる。

上記のどちらを採用するかは事前に確認することが望ましい。

立直者の和了については槓ドラの下(裏)の牌もドラ表示牌として扱う。これを槓ウラという。インフレ化を嫌うルールでは、槓ウラを認めないとするルールもある。「ドラ_(麻雀)#槓ドラ」も参照
種類
暗槓

暗槓の晒し方

暗槓とは、手牌の中に同種の牌が4枚ある場合に、それを槓子とする行為である。自分の手番で自摸した後、打牌する前に行う。自摸した牌とは無関係の牌(もともと手牌の中にあった4枚)を槓子にすることも可能であり、4枚揃った時点で直ちに暗槓しなければならないわけではない。

「カン」と発声してから、その4枚を他のプレイヤーに見せた上で、卓の右隅に晒すことにより暗槓が成立する。この時できた槓子を暗槓子と呼び、明槓子と区別するため4枚のうち両端または中央の2枚を裏返す(右図)。

手牌の一部が他のプレイヤーに知られることにはなるが、門前を崩したことにはならず、狭義の副露には含まれない(広義の副露には含まれるが)。

一部のコンピュータゲームでは表示スペースの関係上、のように表示されることもある。

リーチをかけている時に暗刻の牌の4枚目を引いてきた場合、これを暗槓することができる。ただし、リーチ後の暗槓が認められるのは面子の構成および待ちにかかわらない暗刻の場合のみで、面子の構成が変わる場合や、待ちが変わる場合はチョンボとして扱われる(詳しくは立直を参照)。なお、一部には「リーチ後の暗槓は一切認めない」と規定しているルール[3]や、雀鬼流などむしろ必ずしなければならないルールもある。歴史的にはリーチが導入された当初はリーチ後の暗槓は禁止されていたが、1960年代に入ると面子の構成が変わる場合や待ちが変わる場合を除く暗槓を認めるようになった。

カンと発声した時点で4牌すべてを他家に公開しなければならない[4]。4牌を明示することなくいきなり右上の図のように牌を裏返す行為は重大なマナー違反である[注 1]
明槓

明槓は、大明槓と加槓(小明槓)の総称である。明槓によって成立した槓子を明槓子と呼ぶ。大明槓・加槓とも、槓子のうち1枚は他家が打牌したものであり、符計算上の扱いも両者とも同じである。
大明槓


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:76 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef