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普通自転車(ふつうじてんしゃ)は、日本の道路交通法とその関連法令の用語で、自転車のうち、大きさと構造が基準を満たし、「自転車及び歩行者専用(325の3)」の道路標識が設置された歩道(自転車歩行者道参照)を通行することができるものを指す。 この名称が道路交通法に加えられた1978年の国会審議で、浅沼清太郎警察庁長官は、「歩道を通行することのできる自転車は普通自転車と称することとし、新たに車体の大きさ等について制限を加える」と説明している(1978年4月7日衆議院地方行政委員会
経緯
2007年には道路交通法が改正され、一定の条件下で普通自転車の歩道通行基準が実質的に緩和された。
法令上、普通自転車という用語は、原動機付自転車と区別して人力を主な動力源とする自転車全てを指すものではない。自転車のなかにはタンデム車をはじめとして普通自転車に該当しないものも含まれる。また電動アシスト自転車以外の自転車を指すものでもない。電動アシスト自転車の大部分は、普通自転車の基準に適合する。
道路標識・道路標示において、車両の種類を示す際の「自転車」という文字による表示は、「普通自転車」を意味する[1]。なお、通行止めの道路標識での自転車マークの絵柄による表示は、「自転車」を意味する[2](車両の種類を絵柄によって表示する場合も同様[3])。これら以外の「自転車」という文字による表示や自転車マークの絵柄による表示は、各道路標識等の定義により異なる。 普通自転車は「車体の大きさ及び構造が内閣府令で定める基準に適合する自転車で、他の車両を牽引していないもの」(道路交通法第63条の3)であるとされ、該当する内閣府令である道路交通法施行規則第9条の2の2で以下の基準が定められている[注 1]。法第六十三条の三の内閣府令で定める基準は、次の各号に掲げるとおりとする。一 車体の大きさは、次に掲げる長さ及び幅を超えないこと。 イ 長さ 百九十センチメートル ロ 幅 六十センチメートル 二 車体の構造は、次に掲げるものであること。二 イ 四輪以下の自転車であること。 ロ 側車を付していないこと。 ハ 一の運転者席以外の乗車装置(幼児用座席を除く。)を備えていないこと。 ニ 制動装置が走行中容易に操作できる位置にあること。 ホ 歩行者に危害を及ぼすおそれがある鋭利な突出部がないこと。 なお、2020年11月30日までは普通自転車は「二輪又は三輪の」自転車に限られていたが、2020年12月1日改正法令施行により四輪の自転車も含まれるようになった[注 2]。ただし車体の大きさの要件に変更はなく[注 1]、普通自転車となる四輪自転車は構造上比較的小型となる(従来見られた比較的大型のものの四輪自転車は、車体の大きさを満たさないため、普通自転車以外の自転車となる)。 なお、四輪自転車[注 3][注 4]に関しては、サイズ要件(長さ190cm、幅60cm)を満たしていれば自転車道(狭義)を通行可となり、また押し歩きがみなし歩行者となる。その一方で、普通自転車の要件についてはそれ以外の要件(一人乗り、ブレーキ要件、危害突出部無しなど)もある。前者と後者の条件は同一ではないため、サイズ要件を満たしながら普通自転車に該当しない四輪自転車も存在しうる。事例として、サイズ要件(長さ190cm、幅60cm)を満たすタンデムの四輪自転車は、条件付きの歩道通行は不可だが、自転車道(狭義)は通行可であり、押し歩きはみなし歩行者となる。 道路交通法施行規則第39条の5に、自転車の製作、組立て又は販売を業とする者が行う「普通自転車の型式認定」手続きが定められている。この手続きによる認定を受けていない自転車でも、同施行規則第9条の2の基準に適合するものは普通自転車となる。 TSはTraffic Safety(交通安全)の略。1979年10月に導入された。自転車安全整備店において、自転車安全整備士が利用者の依頼に基づき点検・整備をし、普通自転車の基準に適合することを確認した自転車に貼る。警察庁が所管する日本交通管理技術協会が交付する。同協会は、自転車安全整備技能検定を実施し、その合格者を自転車安全整備士として登録するほか、自転車安全整備店を審査・登録している。 1982年4月から、TSマーク付帯保険が設けられた。青色の第1種TSマークと赤色の第2種TSマークがあり、付帯保険の補償額が異なる。この付帯保険の有効期限はTSマークに記載されている点検日から1年間であり、更新のためには自転車安全整備士に再び点検・整備・確認してもらう必要がある。このため、自動車損害賠償責任保険のような強制保険や車検制度のない自転車で、それらに近い役割を果たすものと位置づけられている。
定義
型式認定
TSマーク
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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