時をかける少女_(アニメ映画)
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時をかける少女
The Girl Who Leapt Through Time

監督細田守
脚本奥寺佐渡子
原作筒井康隆
製作渡邊隆史
齋藤優一郎
製作総指揮角川歴彦
出演者仲里依紗
石田卓也
板倉光隆
原沙知絵
谷村美月
垣内彩未
関戸優希
音楽吉田潔
制作会社マッドハウス
製作会社「時をかける少女」製作委員会
配給角川ヘラルド映画
公開 2006年7月15日
2006年8月8日
2006年11月19日
2007年3月9日
2007年6月14日
2007年7月4日
2007年8月23日
2007年3月3日
2007年5月15日
2010年11月24日
2012年7月3日
上映時間98分
製作国 日本
言語日本語
興行収入2.6億円
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『時をかける少女』(ときをかけるしょうじょ)は、2006年7月15日角川ヘラルド映画から公開された日本SFアニメ映画筒井康隆同名の小説を原作としている。監督は細田守、アニメーション制作はマッドハウス。各国の映画祭などで多くの賞を受賞するなど、高い評価を受けた(#受賞参照)。キャッチコピーは「待ってられない 未来がある。」。
概要

筒井康隆の同名の小説『時をかける少女』が原作であるが、小説そのものの映画化ではなく、同じ世界を舞台に原作の出来事から約20年後の世界を描いた作品。原作の主人公であった芳山和子の姪である紺野真琴が主人公として繰り広げる青春ストーリー。テーマは「青春」そのもので、現実的に今を生きている女子高生の姿を描いている[1]

主題歌には奥華子の楽曲「ガーネット」が起用された。当時の奥の担当プロデューサーが『時をかける少女』の予告編の音楽にレコーディングエンジニアとして参加していたことがきっかけで細田の手に奥のCDが渡り、主題歌制作のオファーが来た[2]。奥自身は「人生を変える出来事だった」と話している[2]。最初に作られたのは、挿入歌となった「変わらないもの」の方だった[2]。「自由に作ってください」という発注を受けた奥が映画のシナリオなどを読み込んで物語のキーとなる千昭をイメージして制作したが、細田の納得が得られず、そこから何曲もの書き直しをすることになった[3]。締め切りギリギリに細田から「映画を観終わったときに青空を見上げたくなるような曲にしてほしい」というリクエストをもらい、そこから着想を得て主題歌となる「ガーネット」が完成した[3][4]

主人公の紺野真琴役を演じた仲里依紗は、4年後の2010年に公開された実写映画版『時をかける少女』でも主演を務めた。

2021年4月2日には、細田のアニメ制作会社「スタジオ地図」創立10周年記念企画として、4DX版が公開された[5]
ストーリー

東京の下町にある倉野瀬高校2年生の紺野真琴は、医学部志望の津田功介、春に転校してきた間宮千昭という二人のクラスメイト男子と「遊び仲間」として親しく付き合っていた。

7月13日、真琴は偶然立ち入った密室の理科準備室で不審な人影を目撃する。その人物の姿を見ようとしたとき、なぜか真琴は転倒して不思議な空間に入る体験をする。そして気づいたときには誰もいない室内で倒れていた。そんな体験を千昭と功介に話したところ、千昭には笑われ功介には「頭は大丈夫か」と言われてしまう。二人と別れて帰宅する途中、真琴は自転車のブレーキが故障していることに気づく。必死に止めようとするが自転車は猛スピードで電車の接近する踏切に突入し、真琴は死を覚悟する。だが気がつくと彼女は坂道の途中で通行人と衝突しそうになって転んでおり、時計は少し前の時間に戻っていた。

パニック気味になった真琴は博物館に勤める叔母の芳山和子を訪れ、先ほどの体験を話すが「それはタイムリープといって、真琴の年頃の少女にはよくあることだ」と言われてしまう。和子の話に納得できない真琴だったが、帰宅後自らの意思で過去へのタイムリープを試みて成功する。味を占めた真琴はタイムリープを使って、抜き打ちテストでよい成績を収めたり、家庭科の調理実習で被ったトラブルの対象をクラスメイト・高瀬宋次郎に変えたり、カラオケを何時間も延長し続けたりするなど、自らのささやかな欲望を満たしていく。和子からは「真琴がいい目を見ている分、悪い目を見ている人がいるのでは」と忠告されるが、絶好調の真琴は全く意に介さなかった。

そんなある日、功介が部活の後輩・藤谷果穂から告白されたことをきっかけに、真琴は千昭から交際を持ちかけられる。突然の申し出に戸惑った真琴はタイムリープを使って千昭からの告白を「なかったこと」にして、彼を避けるようになる。和子からは「せっかく想いを伝えたのに千昭くんが可哀想」と指摘されるが、友人だった彼と恋人になる姿を想像できない真琴は、気持ちを受け止めることができなかった。一人モヤモヤした気持ちを抱えている真琴に対し、何も知らない親友の早川友梨はことあるごとに千昭の話題を持ち出し、彼のことを探ろうとする。

そしてある昼休み、体調が悪いからと自分とのランチを断った友梨が、千昭にお弁当を渡している姿を目撃してしまう。その後、何やら中庭が騒がしいため駆けつけると、調理実習のトラブルのためにクラスメイトと諍っていた高瀬が消火器を噴射して暴れていた。真琴は高瀬の暴動を止めようと声を掛けるが、逆上した彼から消火器を投げつけられてしまう。その瞬間、千昭が咄嗟に真琴をかばいに入り、消火器を頭に受けそうになる。真琴は千昭の怪我を防ぐためにタイムリープを使い、二人は無事に避けることができたが、壁にぶつかりバウンドした消火器が友梨の背中に当たって傷を負わせた。この一件がきっかけで友梨と交際することになった千昭に、真琴は複雑な表情を隠せない。二人の交際に対して内心面白くなかったものの、真琴はどうすることもできなかった。

加えて、果穂の友人二人から「功介とつきあっているのか」としつこく詰め寄られた真琴は、功介と果穂の間を取り持とうと7月13日まで戻って二人が話し合うきっかけを作った。うまくいったと自画自賛する真琴だったが、直後に功介はブレーキが故障していることを知らずに真琴の自転車を借りていく。真琴は事故を防ごうと通学路にある踏切に向かう。

踏切に着いたところで、何事もなかったと知り安心して歩き出したところで千昭から電話がかかってくる。告白の一件から千昭を避けていた真琴は、久しぶりに他愛のない話ができたことに喜んでいると、突然彼から「タイムリープしているだろう」と問われ、焦った真琴は思わずタイムリープでその会話をなかったことにしてしまい、その時点で真琴のタイムリープの使用回数は終わってしまう。つまらないことに最後の1回を使ってしまったと嘆く彼女の横を、自転車に乗った功介と果穂が走り去る。案の定ブレーキはきかず、真琴は二人を追いかけ転倒しながらも止まれと泣き叫ぶが、自転車は下り坂を暴走しながら遮断機の下りた踏切に突入してしまう。しかし真琴が再び目を開けると、時間は静止しており、目の前には真琴の自転車を押した千昭が立っていた。

戸惑う真琴に千昭は、自分が「未来から来た人間」であると語り、真琴のタイムリープ能力が「本来自分の持っていたもの」であること、事故の犠牲になった功介たちを助けるために自身の最後のタイムリープ能力を使ったことを真琴に打ち明ける。千昭は、「この時代の、この季節の、この場所」にしか所在の確認できない絵を見るために未来からやってきたのだと言う。その絵は和子が修復中の作品だった。未来に帰れなくなった千昭は「タイムリープを過去の人間に知らせてはならない」というルールを破ったからという理由で、真琴たちの前から姿を消してしまう。

翌日、「自主退学した」という千昭の話題で学校が騒然となる中、真琴は「(千昭が)大事なことを話してくれたのになかったことにしてしまった」と功介に話し、屋上で一人号泣する。塞ぎ込む真琴に和子は、高校の頃に好きになったある男性のことを離れてしまった今でもずっと待ち続けていると語り、自分と真琴は違う、待ち合わせに遅れてきた人がいたら走って迎えに行くのが真琴だと慰めた。

その夜、真琴は自身のタイムリープが1度だけ可能になっていることに気づく。千昭がタイムリープをしたことで自らの能力が戻ったと察知した真琴は、未来に戻れなくなった彼を助けるため再び7月13日の理科準備室へ最後のタイムリープを行う。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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