この項目では、郷愁、懐古の意味のノスタルジアについて説明しています。その他の用法については「ノスタルジア (曖昧さ回避)」をご覧ください。
「郷愁」はこの項目へ転送されています。三橋美智也のシングルについては「郷愁 (三橋美智也の曲)」をご覧ください。
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やノートページでの議論にご協力ください。ノスタルジア(英: nostalgia)またはノスタルジー(仏: nostalgie)とは、
異郷から故郷を懐かしむこと。同義語に郷愁(きょうしゅう)・望郷(ぼうきょう)など。
過ぎ去った時代を懐かしむこと。同義語に懐古(かいこ)・追憶(ついおく)など。
と定義される。 人が現在いるところから、時間的に遡って過去の特定の時期、あるいは空間的に離れた場所を想像し、その特定の時間や空間を対象として、「懐かしい」という感情で価値づけることをいう。 通常は、時間的に未来がその対象とされることはなく、また対象の負の部分は除外され、都合よくイメージが再構成される場合が多い。なお、本人がその時間や空間を実体験したかどうかは必ずしも問われず、第三者からの情報にもとづいて想起し、さらに自己の創作した想像を加え拡大しこの感情を持つことも可能である。また、過去や異空間 この言葉は1688年にスイスの医学生、ヨハネス・ホーファー (Johannes Hofer:1669-1752) によって新しくつくられた概念である。2つのギリシャ語(「nostos」:帰郷、および「algos」:心の痛み)を基にして造った合成語で、「故郷へ戻りたいと願うが、二度と目にすることが叶わないかも知れないという恐れを伴う病人の心の痛み」とされた。精神科医となった彼は、「ノスタルジア」という心の病気について、その症例を多く取り扱い、診断した結果を発表した。17世紀末から19世紀末にかけて、この病気には「mal du pays(国の痛み:仏)」、「Heimweh(家の痛み:独)」、「hiraeth(ウェールズ語)」、「mal de corazon(心の痛み:スペイン語)」など、様々な言語で名称が付けられて、医学的な研究の対象とされた。 とくに18世紀から19世紀にかけて、前線の兵士達に蔓延するノスタルジアの現象は重大な精神病理学の研究対象とされ、その原因や病としての症状が分析された。故郷への想いに満ちたこの現象は、しばしば兵士達の間に伝染するが、隊が優勢な時にはそうでもなく、戦況が不利な場合に多く現れる。軍事的な観点からは、生死を前にして勇気を鼓舞せねばならないときに、故郷を想い見る兵士達のノスタルジアは、後ろ向きのネガティブなものとして戦意の喪失と見なされ、排除されねばならない感情とされた。 19世紀末までには、精神医学のカテゴリとしての「ノスタルジア」への関心はほとんど消え失せる。当初の「深刻な医学的疾患」の意味合いはなくなり、一般の日常会話にも「ノスタルジア」という言葉が現れるようになった。今では、通常それほど昔ではない過去の失われた時間や場所を懐かしむ慣用句である。しかし、現代においても「ノスタルジア」が「ホームシック」と同じような意味で扱われたり、未来への展望が明るく勢いの良い時には、過去や故郷を振り返ることについて、しばしばこれを咎めるような論調が現れることもある。 古今東西を問わず、個人的な郷愁や故郷へのメランコリックな心理や感情の昂ぶりを文学や歌舞音曲などの作品へ昇華させた例も多く、古典の名作にも見られる。
目次
1 概要
2 歴史
3 「ノスタルジア(ノスタルジー)」を基調とした作品など
4 関連項目
概要
歴史
「ノスタルジア(ノスタルジー)」を基調とした作品など
和歌「天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に いでし月かも」(作:阿倍仲麻呂 753年・天平勝宝5年)
クラシック楽曲「ペルシャの市場にて」他の作品(作曲:アルバート・W・ケテルビー:Albert William Ketelbey・英)
歌曲「椰子の実」(作詞:島崎藤村、作曲 : 大中寅二 1936年)
歌曲「誰か故郷を想わざる」(作詞:西条八十、作曲:古賀政男 1940年) - 長期化する日中戦争の中、前線の日本兵の望郷の念に訴え大ヒットした。
歌曲「故郷へかえりたい(カントリー・ロード)」(作曲:ジョン・デンバー 1971年)
映画「ノスタルジア」(監督:アンドレイ・タルコフスキー 1983年)
楽曲「ノスタルジア」 - アンドレイ・タルコフスキーの追憶に(作曲:武満徹 1987年)
歌曲「心のたからばこ
楽曲「ノスタルジア」 (竹内まりや 作曲:竹内まりや 2001年)
楽曲「ノスタルジア」 (いきものがかり 作曲:水野良樹 2010年)