春の夢_(ポーの一族)
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「春の夢」(はるのゆめ)は、『別冊少女コミック』(小学館1976年6月号で終了した、吸血鬼一族の物語を描いた萩尾望都ファンタジー漫画作品『ポーの一族』シリーズの40年ぶりの新作である。『月刊フラワーズ』(小学館)2016年7月号に発表され、その後、2017年3月号から7月号にかけて掲載された。

このマンガがすごい! 2018』オンナ編で第2位にランクイン[1]
解説.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}.mw-parser-output .listen .side-box-text{line-height:1.1em}.mw-parser-output .listen-plain{border:none;background:transparent}.mw-parser-output .listen-embedded{width:100%;margin:0;border-width:1px 0 0 0;background:transparent}.mw-parser-output .listen-header{padding:2px}.mw-parser-output .listen-embedded .listen-header{padding:2px 0}.mw-parser-output .listen-file-header{padding:4px 0}.mw-parser-output .listen .description{padding-top:2px}.mw-parser-output .listen .mw-tmh-player{max-width:100%}@media(max-width:719px){.mw-parser-output .listen{clear:both}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .listen:not(.listen-noimage){width:320px}.mw-parser-output .listen-left{overflow:visible;float:left}.mw-parser-output .listen-center{float:none;margin-left:auto;margin-right:auto}}歌曲集『冬の旅』 (フランツ・シューベルト第11曲「春の夢」この音声や映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声・動画の再生をご覧ください。

本作は『ポーの一族』のシリーズ16作目[2]の作品である。1976年の連載終了から40年ぶりの新作発表として大きな話題となり、その反響の大きさにより掲載誌が売り切れる書店が続出したため、重版されることとなった[3]第二次世界大戦中のイギリス西部の島を舞台とした作品で、これまでの作品で明らかにされていなかったポーの一族の秘密の一端やポーの村の成り立ちに言及されている。

なお、タイトルは作品中で歌われるフランツ・シューベルトの歌曲集『冬の旅』の第11曲「春の夢」にちなむものである。
あらすじ

1944年1月、ロンドンで被災してウェールズ地方アングルシー島の「赤い家」にやって来たエドガー・ポーツネルアラン・トワイライトは、ドイツから来たユダヤ人の少女・ブランカと弟のノアに出会う。2人はナチスによる迫害を逃れて、母の姉の夫であるダン・オットマーのもとに身を寄せていた。レコードのシューベルトの曲につられてノアが「赤い家」に飛び込んで来たことが縁で、エドガーとブランカたちは親しくなる。一方、体調がすぐれず眠ってばかりいるアランのために、1925年パリ万博で出会った同族異種の吸血鬼(ヴァンピール)・ファルカを呼びよせる。紅ルーシ出身のファルカは“気”が漏れ出すのを塞ぐ能力を持っているのである。

ある日、エドガーの元に手紙が届き、回復したアランをファルカに預けてチェスターのサンタルチア・ホテルを訪れる。待ち受けていたのは「ポーの村」からの使者であるクロエシルバーゴールドで、大老ポーの直系の血を受けたエドガーが1年に1度一族の者に“気”を与える代わりに、一族の承認と儀式を受けずにエドガーがバンパネラにしてしまった[4]アランには手出しをしないという契約を結んでいた。チェスターから戻ってきたエドガーは、ファルカのもう一つの能力、“目”-“スキマ”(空気の滝のようなもの)を通り抜けて行きたい場所に行けることを教わる。彼は人間時代、地方領主だったが戦に負けて妻子を失った後、ある男に一族に加えられたのである。

一方、ダンの妻のザブリナが、軍の仕事から一時休暇を取って帰ってきた。ザブリナはドーバーの孤児院で友人の息子のアダムを見つけて連れてきていた。その夜、ザブリナはダンの母からオットマー家の男たちの“眠れない病気”のことを聞かされる。オットマー家の男たちは代々43、44歳で発病し、眠れずに消耗して45、46歳で死んでしまうとのことで、ダンも既に重体であった。ダンの母は、22年前に夫が亡くなる前に不思議な男が訪れ、「もし望むなら生き返ることもできるが、人間にはもどれない」と言われるが、追い返した。その男は3月の終わり頃にもダンの母を訪れ、彼女は「望みます」と答えてしまった。ダンの母がザブリナに“眠れない病気”と不思議な男の話をした翌日、連合軍によるノルマンディー上陸作戦が始まり、皆が戦争の終結の希望に湧く中、ザブリナは軍に戻る。

8月25日、ファルカが訪れ、ド・ゴール将軍がパリ解放宣言を行ったと告げる。明日、シャンゼリゼ通りで戦勝パレードがあると聞いてアランは行きたがったが、エドガーはまだ危険だから[5]と反対する。ファルカは、人間だった頃に失った子供の代わりが欲しくて何人もの子供を仲間に引き入れたが、わがままを許して不用心を招いた結果、長生きした子供はいなかった。ファルカが子供を育てられないことを見抜いていたエドガーは彼を追い返す。

その夜、クロエが契約を無視してもっと若返りたいと、アランを人質にしてエドガーの“気”を要求してきた。


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