明日ちゃんのセーラー服
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明日ちゃんのセーラー服

テレビアニメのロゴ
ジャンル青春学園
漫画
作者
出版社集英社
掲載サイトとなりのヤングジャンプ
レーベルヤングジャンプ・コミックス
発表期間2016年8月2日 -
巻数既刊13巻(2024年4月現在)
アニメ
原作博
監督黒木美幸
シリーズ構成山崎莉乃
脚本山崎莉乃
キャラクターデザイン河野恵美
音楽うたたね歌菜
アニメーション制作CloverWorks
製作「明日ちゃんのセーラー服」
製作委員会
放送局TOKYO MXほか
放送期間2022年1月9日 - 3月27日
話数全12話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル漫画アニメ

『明日ちゃんのセーラー服』(あけびちゃんのセーラーふく、英題:AKEBI's sailor uniform)はによる日本青年漫画。2016年から集英社ウェブコミックサイト『となりのヤングジャンプ』にて隔月連載中。

2023年3月時点で単行本の累計発行部数は100万部を突破している[1]

2023年7月からは作者の博が自身の『note』アカウントにて、ネーム段階で没にした登場人物たちのワンシーンを小説形式で掲載する試みが始動した[2][3][4]
概要

中学1年生の少女、明日小路(あけび こみち)を中心にした青春学園漫画。タイトルは、舞台となる私立?梅(ろうばい)学園中等部の旧制服であるセーラー服を、主人公の小路が全校で唯一着衣していることからきている。物語は小路が同級生一人一人と友人関係を深化させることにスポットライトが当てられ、基本的に1話、あるいは2話ごとに一区切りがつけられる。特徴として、登場人物の動きをコマ撮りしたような描写や、枠線が全くない一枚絵のような頁が度々存在する。
制作背景

2016年頃、KADOKAWAの『月刊コミックアライブ』で連載していた『ゆめくり』の最終話が掲載される半年ほど前に、『明日ちゃんのセーラー服』初代編集担当となる集英社の大熊が博に同社での掲載を打診した。そのとき、博は初めて「となりのヤングジャンプ」の存在を知り、WEB漫画へのイメージが持てず「数回やって終わるのだろう」と思いつつ、連載の依頼を引き受けた。その後は、何度も打ち合わせを繰り返して現在の物語の原案が出来上がった。その際に、元々、制服の女の子を描くことが好きだったほか、打ち合せ時に描いた沢山のキャラクター設定を活かせる要素として「1つの学級を『箱庭』的に描く日常モノ」に方向性が決まる[5]

博は当初、1話完結型のオムニバスのような物語を想定していたが、物語の指針を検討する中で、博の母親から聞いた「母の通っていた学校では制服を各家庭で縫い、母も祖母の妹に仕立ててもらった制服で通学していた」という話を思い出し、既にデザインができていた長い黒髪の少女を中心とする物語の大枠が作られた。当初は高校生を想定していたが、「様々なことを経験して知る年代」を描くというコンセプトの元、中学生の設定に変更された。明日小路の当初の設定は「悲しいことでは泣かない、嬉しいことで泣く少女」というものであった。小路は作品のストーリーテラーとしての役割もある[5]

各キャラクター設定は企画時には方向性だけ決められており、生静のギターや蛍の令嬢という設定は不確定ながら決められていた。ただし、博は設定を決める際にメモを取らないため、頭の中でイメージを反復させながらキャラクター像を自身に染み付かせるやり方で各キャラクターを確立させており、例としてりりの場合は「遠い奈良から入学した理由は小学生時代にセクハラ紛いのことをしてきた先生を平手打ちしたから」等のイメージを組み合わせながらキャラクターを生み出した[5]
制作工程

コマ割り無しの場面を多く採用しているのは、博が元々、大手アニメ制作会社に内定をもらっていたアニメーター志望であったことが由来している。また、博の絵を見た担当から同じWEB掲載の『ワンパンマン』で似た取り組みをしたことがあると話したため採用された。博曰く、これはWEB媒体だからできた取り組みであり、この取り組みの反響から、これが自身の「武器」になると確信して以降の話数でも採用している[5]

作中で小路が着用する制服は実際に作成されており、博の母親が春服・夏服・冬服の衣装を縫い上げ、それをもとにデザインしている[5]

単行本1巻では絵をアナログでほぼ描いていたが、5巻頃にデジタル比率を増やす。しかし、デジタルでは細かく描き過ぎて作業に時間がかかるため、現在はコマごとにアナログとデジタルが混ざり合っている[5]。作業ではアシスタントを付けておらず、基本的には一人での作業となっている[6]
あらすじ

明日小路(あけび こみち)は、憧れのアイドル・福元幹(ふくもと みき)がCMで着ていたセーラー服の可愛らしさに魅了され、いつか自分も着たいと夢見ていた。母親・ユワの母校の?梅(ろうばい)学園中等部の制服がセーラー服だったことに運命を感じ、自分も?梅学園を受験し、もし合格したら母親にセーラー服を仕立ててもらう約束をする。

小路は無事合格し、約束のセーラー服を着て入学式に臨むが、そこで?梅学園の制服が、既にブレザーに変更されていたことを知る。学校側は事情を考慮してセーラー服での学校生活を許可するが、小路は自分以外の生徒がブレザーを着ている環境に萎縮して弱音をこぼしてしまう。しかし、妹の花緒(かお)からの叱咤を受け、自分だけがセーラー服を着ているならば人より注目を集められ、友達を作りやすいのではないかと考える。翌朝、小路はセーラー服を着て玄関に立ち、笑顔で登校する。

廃校寸前の小学校で、孤独な小学生時代を送ってきた小路には抱負があった。”カッコよくなりたい”、”友達を沢山作りたい” ―そんな小路の中学生活が描かれていく。
1巻 - 4巻、アニメ版全12話(新しい学校生活)
小路は教室で初めに出会った少女・木崎 江利花(きざき えりか)と友達になる。小路は持ち前の運動神経と明るく外向的な性格、そして後先を考えない突飛な行動により、周囲を驚かせる。初めての部活に女子寮、体育祭と、何に対しても全力で駆け抜ける彼女に周囲は惹かれていく。小路の友人となった江利花も、彼女と過ごす中で自ら道を離れた音楽に再び向き合うことになる。体育祭終了後に開かれる後夜祭。そこで演劇部部員としてダンスを披露することになった小路。舞台の上に立つ彼女の前に現れたのは江利花だった。”ひとりじゃないんだ” ―こうして2人の少女による舞台の幕が上がる。
5巻 - 7巻(夏休み・家族旅行と東京旅行)
中学生になって最初の夏休み。久しぶりに休みを確保した父親 サトと共に、明日一家は海辺の旅館に1泊2日の家族旅行に出かける。実はそれは家族から小路へのサプライズの合格祝いであり、小路は家族と幸せな時間をすごす。家族旅行から帰った小路は、東京に帰省した江利花と兎原 透子(うさぎはら とうこ)に会いに行くため、同じく東京に帰省する龍守 逢(たつもり あい)に同行して東京を訪れる。初めての大都会に興奮する小路。楽しい東京観光を過ごす4人であったが、そんなとき、透子のかつてのクラスメイトとの偶然の出会いが彼女たちの旅行に暗い影を落とすことになる。透子が東京から遠く離れた?梅学園を受験した本当の理由、江利花の抱える父との過去と音楽を辞めた理由を知った小路。”私...江利花ちゃんを泣かせちゃった” ―故郷から遠く離れた地で、小路は彼女たちの抱える暗い過去と向き合う。
8巻 - 12巻(新学期・お月見会)
9月、新学期を迎えた小路。席替えに大掃除、新たな行事を全力で駆け抜ける小路。そんな小路は、演劇部部長の千嵐 帆呼(ちあらし ほこ)の提案により文化祭の演目として江利花と2人で「演劇」をやることになる。クラスメイトの古城 智乃(こじょう ともの)が脚本を手掛けたその内容は、小路と江利花がそれぞれ演じることになる2人の人物の「恋物語」。恋を知らない小路は、演技のために「恋」の勉強をすることに。そんな中はじまる、7日間の勉強合宿「お月見合宿」。小路は合宿の中で、クラスメイト・苗代 靖子(なわしろ やすこ)の過去の恋愛経験、そして彼女が鷲尾 瞳(わしお ひとみ)に抱く想いに触れる。一方、帆呼からお月見会で演奏することを依頼された蛇森 生静(へびもり おしず)。そんな彼女と学生寮で同室の少女・戸鹿野 舞衣(とがの まい)は、小路のある言葉がきっかけで自身の過去を明かし、それにより小路は自分の知らない感情と向き合うことになる。”私、本気で恋をする” ―小路と江利花は舞台に向けてお互いの「恋」の形と向き合う。
12巻 - 現在(四友祭)
10月、新たに黒のセーラー服に袖を通す小路は中高一貫の文化祭「四友祭(しゆうさい)」に向けて動き出す。四友祭は四友団をはじめとする高等部の演劇に注目が集まり、中等部の演目は前座に過ぎない。そんな状況を面白く思っていない帆呼は画策を練る。演出の帆呼、脚本の智乃、そして演者の小路と江利花、生静たち5人は中等部の演劇に向けての新たなステップへ進む。それは、演者たちの役作りの風景をすべて映像で配信するというものであった。お互いの名前を呼び捨てにし、相手に対する演技を超えた感情を曝け出す小路と江利花に学校中の注目が集まる。一方、舞衣は生静のチャレンジを応援しつつも、自身はとある本心を胸に隠していた。そんな彼女も生静の作曲作業の映像配信をきっかけに舞台へと巻き込まれていく。”私って...どんな子?” ”そんな舞衣、知らない...” ―小路、江利花、生静、舞衣。4人の感情、思惑は舞台の上で交わっていく。
登場人物

声の項はテレビアニメ版の声優
?梅学園中等部1年3組
明日 小路(あけび こみち)
声 -
村上まなつ[7]本作の主人公。出席番号1番。誕生日は4月4日[8]。母・ユワの母校である、?梅学園のセーラー服に憧れて入学、実家から徒歩で通学している。小学校では自分以外に同学年の生徒がおらず、反動で中学では積極的に友人関係を築いている。性格は非常に明るく外向的。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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