昆虫物語_新みなしごハッチ
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昆虫物語 みなしごハッチ

1970年版のロゴ
ジャンルメルヘン
アニメ
監督九里一平、原征太郎
アニメーション制作タツノコプロ
製作吉田竜夫、タツノコプロ
放送局フジテレビ
放送期間1970年4月7日 - 1971年12月28日
話数全91話
アニメ:昆虫物語 新みなしごハッチ
監督原征太郎
アニメーション制作タツノコプロ
製作タツノコプロ
放送局毎日放送NET
放送期間1974年4月5日 - 1974年9月27日
話数全26話
アニメ:昆虫物語 みなしごハッチ
(リメイク版)
監督鈴木行
アニメーション制作タツノコプロ
製作タツノコプロ、読売広告社
放送局日本テレビ
放送期間1989年7月21日 - 1990年8月31日
話数全55話
テンプレート - ノート

『昆虫物語 みなしごハッチ』(こんちゅうものがたり みなしごハッチ)は、メルヘンテレビアニメ

このページでは以下の3作品を説明する。

『昆虫物語 みなしごハッチ』:1970年(昭和45年)4月7日から1971年(昭和46年)12月28日まで、毎週火曜日19時00分-19時30分の時間帯にフジテレビ系で放送。全91回。

『昆虫物語 新みなしごハッチ』:1974年(昭和49年)4月5日から同年9月27日まで、毎週金曜日19時00分-19時30分の時間帯に毎日放送制作・NETテレビ系(当時の系列)で放送。「昆虫物語 みなしごハッチ」の続編。

『昆虫物語 みなしごハッチ』(リメイク版):1989年(平成元年)7月21日から1990年(平成2年)8月31日まで、毎週金曜日17時30分-18時00分の時間帯に日本テレビ系で放映。全55回。

2010年7月31日には『昆虫物語 みつばちハッチ?勇気のメロディ?』のタイトルで松竹より劇場アニメが公開された[1]
概要

タツノコプロのメルヘンアニメ代表作。タツノコプロは本作以前はどちらかと言うと子供向けと位置づけられる作品を制作していたが、本作でメルヘン路線を開拓した。過酷な自然の中で生きる昆虫たちの生き様を背景として普遍的な親子の愛を描いている。

子供向けのメルヘンアニメを志向しつつ、弱肉強食の世界の非情さや人間という存在が虫たちにもたらす害悪等を正面から包み隠さず描いている点が大きな特徴で、1話冒頭のミツバチ王国滅亡の描写に始まり、ハッチがほぼ毎回悪役にいじめられる、他の虫の死に遭遇する、時にハッチ自身が他の虫の命を奪うこともあるなど悲劇的なエピソードやシビアな展開が多く、総じてシリアスな物語となっている。

原作・制作者の吉田竜夫は、この作品で1971年に小学館漫画賞を受賞している。

「ハッチ」のネーミングは広告代理店読売広告社の松山貫之による発案[2]。本番組を放送したフジテレビが8チャンネルであることにちなむとされる[3]鳥海尽三の文による絵本では8番目に生まれたハチがハッチと書かれていた[2]
作風

基本的に鳥やネズミ、カエルやトカゲ、クモ、スズメバチ、カマキリなど、主役であるミツバチの天敵といえる生き物は悪役として描かれることが多い。しかし、中には心優しいものやハッチの仲間になってくれる悪役もいる。一方で、ハッチらハチは必ずしも弱い種族ではなく、さらに弱い生き物が登場する場合は、それらをこらしめたり守る場面もある。

人間が登場するときは、首から上が見えないように描かれている。人間は環境を破壊したり捕虫したりするなど一貫して悪役として描かれているが、人間による環境破壊がいかに虫達にとって甚大な被害をもたらしているかを描写するためで、子供向けアニメにしては極めて深刻かつ現実的なテーマを取り扱っているといえる。実際に、本作に於いて自然保護をする人間は一切登場せず、中には無意識の内に環境破壊に手を貸している人間も登場する(リメイク版では人間の姿は一切描写されていない)。

カブトムシが花の蜜を食べるなど、実際の昆虫の生態とは異なる描写も見受けられ、本作(ここではリメイク版)を視聴した子供たちがそのような描写をどう受け止めるかを研究した論文が存在する[4]
キャラクター


ハッチ
声 -
栗葉子(1、2作)、石川ひとみ(リメイク版)、齋藤彩夏(映画みつばちハッチ)本編の主人公のミツバチ。ミツバチ王国の王子。生まれたての卵だった頃に母と離れ離れになり、シマコハナバチのおばさんの子として育てられた。生まれの違いゆえに義理の兄弟たちから冷たく当たられる中、カマキリに襲われたおばさんの末の娘を命懸けで救ったことで自分の中にも勇気があることに気づく。その後、兄弟たちに捨て子と罵られてショックを受け、おばさんから自分の出自を聞かされたことで本当の母を探すために旅に出ることを決心する。勝ち気で正義感が強いが、世間知らずでどこか間が抜けた性格。オスのミツバチのためか針はない。物語当初は泣き虫で情けない一面が目立ったが、旅の道中で様々なことを体験し、心身共に強く成長していく。また、実の妹アーヤと出会ってからは、孤独感から解放されると共に責任感が増してくる。本編最後には仲間と共にミツバチ王国を守るため戦う。続編では再会も束の間、母を失うが、母の遺言に従い実の妹のアーヤを正規の女王にすべく「美しの丘」へ向かう。ラテン文字表記はHacchi、またはHutch。


ママ
声 -
北浜晴子(1、2作)、 榊原良子(リメイク版)、安田成美(映画みつばちハッチ)ミツバチ王国の女王バチで、ハッチの実母。スズメバチの襲撃を受けて落ち延びる道中、追撃を受けて卵の入った籠を奪われてしまい無事に生き残っていた我が子ハッチと離れ離れになる。心優しく上品だが、国が戦中にある中で女王としての責任があるため、アーヤには厳しい態度を取った事がある。続編では戦争に反対したため失脚し、亡くなるが、その際アーヤを女王にする為に一緒に「美しの丘」へ行く様にハッチに遺言を残す。


アーヤ
声 -
山本嘉子(1作)、野村道子(2作、リメイク版)ハッチの妹。スズメバチの襲撃から辛くも逃れ生き延びていた。生き別れたハッチとは面識がなく、母と共に兄を探す旅に出る。心優しく思いやりのある性格だが、まだ幼いためか弱い部分もある。続編では次期女王候補であったが故に敵側が擁立した新女王一派に命を狙われる。ラテン文字表記はA-ya、またはAya。


シマコハナバチのおばさん
声 -
寺島信子(1作)ハッチの義母。卵だったハッチを拾い、我が子として育てる。ハッチにとって、もう一人の母と言える存在。


カマキチおじさん
声 -
飯塚昭三 (1作)、渡部猛 (第1話、他)、中村獅童(映画みつばちハッチ)暴れ者のオオカマキリ。当初は悪役として登場。悪事を止めさせようとするハッチと戦い、誤って片目をバラの棘で潰してしまったこと(1話)を恨み、ハッチの命を狙っていた。しかし、ハッチの片目を失明させようとした時、迎えに来たシマコハナバチのおばさんとハッチが互いにかばい合う姿を見たことと、ハッチに家族(71話)を助けられていたことが事実と判明し改心した。(72話)その後はハッチのピンチに現れ、ハッチとママの再会に体をはって尽力した。ハッチのママ(女王)を誘拐して人質にしたスズメバチの襲撃部隊をひとりで壊滅させる大活躍をするが、その報復にやってきたスズメバチの大軍を相手に多勢に無勢で力尽きてしまい、ハッチに「早くママに会いにいけ」との言葉を残し、壮烈な戦死を遂げる。(91話)


アブのペチャクチャばあさん
声ー第一作では1話でハッチが捨て子で或る事をばらしてしまう嫌な役であるが、第二作では医術の心得のある虫としてセミレギュラーで登場、ハッチの旅をサポートした。


オサムシ爺さん
声- 
槐柳二(リメイク版)第一作ではちょい役であったが、第二作では、ペチャクチャばあさん同様、セミレギュラーとして登場、こちらは腕のいい料理人で物知り。ハッチの旅をサポートした。


カブトムシの王子
声ー元々はくぬぎの木を中心とした王国を治める優しいカブトムシの王の息子だったが、ミヤマクワガタ魔王に父王を殺され、王国を奪われた事から、すっかり気弱になり、卑屈になってしまっていた。しかしハッチと出会い、祖父の老カブトムシ(先々代の王)を殺されたことから奮起。ハッチの特訓でカブトムシらしい、強い力と体、勇気を取り戻し、ミヤマクワガタ魔王と
一騎討ちでこれを倒し[注釈 1]、王国を解放した。最終回では、ミツバチ王国に駆けつけて、ハッチに味方してスズメバチ軍団と戦う。


シロアリのアリータ王子
声-母親である女王から過保護に育てられ、世間知らずであった。女王が他の虫を捕らえ、奴隷として強制労働させて、アリ塚を建設する事に何の疑問も持たずに、気ままに暮らしていたが、捕らられたハッチが奴隷を解放しようとする姿を目にして、疑問を持ち、やがては母親に反発して、ハネアリになったのを気にハッチと共に脱走し、旅をした事から大きな自立心を持ち、他の虫を奴隷にしてまでアリ塚を作ってまで、過保護にしていた女王を改心させる事となる。最終回では決戦の場に駆けつけ、ハッチに加勢する。


テンテン
声 -
堀絢子続編に登場するテントウムシの少年。父親を探し、ハッチ達に同行する。


アバッチ
[5]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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