旧金毘羅大芝居
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旧金毘羅大芝居


情報
通称金丸座
完成1835年
収容人員740人
延床面積1,161(1階:850平方メートル、2階:311平方メートル)m²
用途歌舞伎
所在地766-0001
香川県仲多度郡琴平町字川西乙1241番地
位置.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯34度11分4.7秒 東経133度49分4.9秒 / 北緯34.184639度 東経133.818028度 / 34.184639; 133.818028座標: 北緯34度11分4.7秒 東経133度49分4.9秒 / 北緯34.184639度 東経133.818028度 / 34.184639; 133.818028
外部リンク ⇒旧金毘羅大芝居
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旧金毘羅大芝居(正面)

旧金毘羅大芝居(きゅうこんぴらおおしばい)は、香川県仲多度郡琴平町金刀比羅宮門前町にある、現存する中では日本最古の芝居小屋。別名、金丸座(かなまるざ)とも呼ばれ、国の重要文化財の指定を受けている。
歴史

古くから信仰を集める金刀比羅宮は、江戸時代には金毘羅講など多く参拝者を集め、門前町は琴平が朱印地・天領であることで取締も寛大で、様々な芝居相撲、操り人形などの興行が行われた。芝居の興行に仮り小屋がその都度建てられていた(年3回程度)が、当時の大坂道頓堀三座のひとつでもある大西芝居(一説には大阪にあった筑後座とも云われる)を参考にして、1835年天保6年)に棟上げを行い、翌年完成する。この金毘羅大芝居には江戸大坂などの千両役者が舞台を踏み、全国にも知られた芝居小屋であり、また富くじの開札場としても使用された。

明治以降、稲荷座、千歳座、金丸座と名称が変わり、また地回りの芝居小屋や映画館(この際にかけすじが外される)と利用も移り変わった。映画産業の斜陽に従い、廃館となったため長く廃屋のような状態となる。(場所は現在の位置より参道や金倉川に近かった。現在は琴平町立歴史民俗資料館が建てられている。)1953年昭和28年)11月に香川県の重要文化財として指定されるものの、熱心な復元運動も空しく、1964年(昭和39年)には指定を解除された。しかし、芝居小屋として江戸末期の劇場建築を考える上で重要な建築物として再評価され、1970年(昭和45年)には国の重要文化財として指定を受けた。(この際に名称は旧金毘羅大芝居となった。)修復の必要性や火災などの恐れもあり、文化財として保存を図るために、1972年(昭和47年)には移築復元工事が開始され、1976年(昭和51年)3月に現在の位置(琴平町乙1241番地)へ竣工した。この移築復元後に、二代目中村吉右衛門五代目中村勘九郎、二代目澤村藤十郎がテレビ番組「すばらしき仲間」で上演を熱望するなど、上演の機運が高まり、1985年(昭和60年)に第一回の「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が公演された。これより年1回、春の定期公演が行われるようになる。

2002年平成14年)に建物の保存状態と耐震性能を調査を行った際に江戸時代にあった2つの仕掛けの痕跡が発見された。これにより、2003年(平成15年)に開始されたこの「平成の大修復」では、2つの仕掛けの復元とともに、耐震補強に伴い4つの鉄柱が撤去され、天保時代の造りに近づく内装状態となった。2003年(平成15年)に工事は完了し、この工事で撤去された鉄柱は記念モニュメントとして生まれ変わった。
沿革

1835年(天保6年)10月 建設(棟上げ)、翌年完成。

1953年(昭和28年)11月 県の重要文化財として指定。

1964年(昭和39年) 県の重要文化財指定が解除。

1970年(昭和45年)6月 国の
重要文化財として指定。(この時、名称が旧金毘羅大芝居となる)

1972年(昭和47年) 移築復元工事開始。

1976年(昭和51年)3月 琴平町乙1241番地に移築し、竣工。

2002年(平成14年)12月 建物の保存状態と耐震性能を調査。

2003年(平成15年)9月 平成の大改修、工事開始。(#平成の大改修の項を参照。)

2003年(平成15年)3月 旧金毘羅大芝居の80円郵便切手が作られた。(画作:辻一摩)

2004年(平成16年)3月 平成の大改修、工事完了。

平成の大改修「平成の大改修」の記念モニュメント
耐震構造補強工事


天井裏全面に鉄骨補強(客席の四本鉄柱を撤去)

この復元により客席の四本鉄柱を撤去、元々の内装状態となる。


江戸時代にあった2つの仕掛けの痕跡が発見された為、天井と敷き詰められていた提灯を撤去。

「ブドウ棚」を平場及び向う桟敷天井部に復元。

「かけすじ」を花道上部に復元。


2005年(平成17年)3月25日、この際に撤去された四本鉄柱を使用し、篠原勝之(KUMA)が記念のモニュメントを旧金毘羅大芝居の近くに製作した。

設備データ
建築当時の設備寸法

階下の間口:13間2尺

奥行:24間2尺

廻り舞台:直径2間

所在地:香川県仲多度郡琴平町字川西758番地1

* 北緯34度11分12.6秒 東経133度49分11.1秒 / 北緯34.186833度 東経133.819750度 / 34.186833; 133.819750 (旧金毘羅大芝居跡)

外装正面一階部分の屋根上に(やぐら)があり、公演時には寄せ太鼓が叩かれていた。現在は太鼓の音を流しているとの事。
入り口

入り口は複数に分かれており、正面に向かって中央を一般庶民が使用し、左側の入り口は大名などが使用した。現在は中央の入り口が使用されている。

札場
入場の際の木札を渡すところ。現在の入場料(非公演時)を取る場所は敷地内に別に設けられている。

外木戸・内木戸

下足場

客席

全部で約730席ほどになる。

平場
一階の中央の
桝席で観覧席。(花道と仮花道で挟まれている)

桝席は畳敷きの席を木でマス目を作り一マスに5名入れるようになっている。

客を世話する和服に前掛け姿のお茶子は、桝席はお客様のものという意味合いから、平場に張り巡らされている木の上を移動してもてなしを行う。

縦が「い、ろ、は・・・」、横が「壱、弐、参・・・」と席番が付けられている。


東桟敷・西桟敷
平場の両脇にある一階と二階の観覧席。西桟敷の中央は、見得を正面から見られ、皇族が観覧する際に使用した。上部には額が飾っている。

出孫席
西桟敷の手前にある観客席。(仮花道と西桟敷の間)

出席
東桟敷の手前にある観客席。(花道と東桟敷の間)

日の出席
花道の東隣にある観客席。(花道と東桟敷の間)この下が舞台裏から鳥屋に移動する通路となっている。

青田組
平場を挟み舞台の対面にある観覧席。公演をしていない際には、座布団が山積みの時もある。

前舟・中舟・後舟
二階席の中央部、青田組の二階部分の観客席。後舟の壁部分には櫓への梯子がある。
舞台装置

花道
役者が入退場する舞台から鳥屋への道。ここで役者は見得を切ったり、スッポンから出てきたりする。

鳥屋
場内と入り口の間にある役者が花道を通り入場する際の出番待ちの場所。場内側に掛けられている揚幕にはのぞき穴が作られている。入場の際には、勢いよく揚幕が開かれ、付けられている輪が音を立てたそのタイミングで屋号の掛け声が掛かる。

仮花道

切穴(スッポン)
花道の舞台近くにある役者がせり出してくる場所。4人ほどの人間により上げ下げを行う。

奈落
舞台の地下部分。廻り舞台の廻しやスッポン、セリのあげるからくりがある。また花道の斜め下に位置する道があり、役者はそこを使用して鳥屋に向かう。

廻り舞台
場面転換などのために舞台が円形状に切られており、その部分が回るようになっている。舞台下の奈落では4人の人間により廻されている。

迫り(せり、セリ)
廻り舞台にある役者がせり出してくる場所。6人ほどの人間により上げ下げを行う。

かけすじ:(#平成の大改修の項を参照。)
役者を宙吊りするの為の装置。花道の上に設置されており、人間の手で移動させる。宙吊り用に縄を使用するのを警察の指導によりワイヤーへ替える事となり、現在はワイヤーを使用している。このワイヤーのためのモーターが舞台装置の中で電動化されている唯一の箇所である。

空井戸
舞台と花道の交差場所の角にある役者がせり出してくる場所で、井戸などに使用される。

明かり窓
場内の明かりを調整するのに使用され、これも手動。

顔見世提灯
公演時の各出演者の屋号の家紋が入った提灯がブドウ棚の舞台寄りに吊られている。

ブドウ棚:(#平成の大改修の項を参照。)
天井部に格子状に組まれたを荒縄で留めたもの。演出として花吹雪などを舞台と共に観客側にも降らせる事が出来る。舞台の上にはあるところは多いが、客席の上にもあるのは珍しい。

御囃子部屋
鳴物連中が演奏を行う場所。観客側との仕切りは暗幕となっていたが、平成の大改修の際に浄瑠璃部分とともに壁で仕切られた。
舞台裏

座頭部屋
公演座長の部屋。

頭取部屋

女形部屋
女形用の部屋。

中軸部屋

大部屋
大部屋の言葉の由来ともなった端役の役者部屋。

床山部屋
役者の髪を整髪した部屋。

衣装方部屋
衣装担当の部屋。

楽屋番控

楽屋風呂


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