日高山脈襟裳国定公園
Hidaka Sanmyaku-Erimo Quasi-national Park
IUCNカテゴリV(景観保護地域)
幌尻岳から眺めたイドンナップ岳方面
指定区域 日本日高振興局:沙流郡日高町、沙流郡平取町、新冠郡新冠町、日高郡新ひだか町、浦河郡浦河町、様似郡様似町、幌泉郡えりも町
十勝総合振興局:帯広市、上川郡清水町、河西郡芽室町、河西郡中札内村、広尾郡大樹町、広尾郡広尾町.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯42度43分10秒 東経142度40分58秒 / 北緯42.71944度 東経142.68278度 / 42.71944; 142.68278
日高山脈襟裳国定公園(ひだかさんみゃくえりもこくていこうえん)は、北海道中央南部[2]にある国定公園。日高山脈、広尾町から襟裳岬にかけての海岸線、アポイ岳周辺の地域からなる。総面積10万3447 haは日本の国定公園の中で最も広い[4]。
2024年中には国立公園へ昇格し、陸域の面積は約24万5700 haと2倍以上に広がる予定であるが、名称については論争がある[5](後述)。 日高山脈は日本国内で原始的な自然を残しており、固有種や隔離分布する植物を数多く見ることができるのが特徴になっている。登山に関しては難度の高い山域であり、一般的な登山道が整備されていない箇所も多いため、他の山域とは異なる知識や準備を必要としている。襟裳岬は岬から1.5 kmに渡り岩礁が連続し、風が強い地域である。また、日本の白砂青松100選や「百人浜・襟裳岬」として日本の渚百選に選定されている。アポイ岳は世界的にも珍しいかんらん岩からなる山塊や渓谷、特殊な土壌条件などによって低標高ながら高山植物を見ることができる自然環境にあり、登山道も整備されている。「アポイ岳と高山植物群落」として国の特別天然記念物に指定されている[6]ほか、日本の地質百選の一つに選定されている。また、ジオパークとして2008年(平成20年)に「日本ジオパーク」に、2015年(平成27年)には「世界ジオパーク」に認定された[7][8]。 襟裳岬、十勝幌尻岳、幌尻岳は国の名勝「ピリカノカ」に指定されている[9]。 環境省は2023年(令和5年)6月13日、翌年中に国立公園化することを発表した[10]。日高山脈の東側である十勝地方の帯広市などからの要望を受け、環境省は名称を「日高山脈襟裳十勝国立公園」とする方針を示している。これに対して環境団体からは、原生的な自然が残る日高山脈と酪農・畑作地帯である十勝平野は性質が異なるうえ、観光開発に重きが置かれて自然破壊につながりかねないという反対論が出ている。国立公園名を了承した2024年2月開催の中央環境審議会自然環境部会は全会一致でなく異例の多数決となり、「十勝」を追加した理由を十分説明すべきとの要望が部会長から出た[5]。 日高山脈の裾野は、日高側で河川流域にトドマツ、エゾマツの針葉樹林帯が多く、十勝側で渓谷沿いにミズナラ、オヒョウ、エゾイタヤ(イタヤカエデ)、ドロノキなどの広葉樹林帯や混交林になっている[11]。
概要
国立公園化
地域
日高山脈地区
最高峰の幌尻岳をはじめ札内岳、十勝幌尻岳、ペテガリ岳、楽古岳など標高1,500 mから2,000 m級の山々が連なり、稜線は鋭く切れ込んだナイフエッジになっている[11]。特に、ピパイロ岳
戸蔦別岳から見た幌尻岳
ピラミッド峰から見た札内岳
中札内村から見た十勝幌尻岳
神威岳から見たペテガリ岳
メナシュンベツ林道から見た楽古岳
戸蔦別岳と七つ沼カール
アポイ岳周辺地区
アポイ岳、吉田山、ピンネシリ一帯のアポイ山塊と幌満岳は、かんらん岩などの超塩基性岩からできており、尾根や斜面に露出している[12]。
様似市街とアポイ岳
広尾・襟裳岬海岸及び豊似湖周辺地区
海岸と襟裳岬背後の丘陵地帯は、海岸段丘の発達により海抜350 mまでの間に4つの段丘面が区別している[13]。豊似湖は自然湖であり、上空から見た形がハートに見えることから「ハートレイク」として親しまれている[14]。
襟裳岬
豊似湖
動植物