日蓮正宗
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日蓮正宗(にちれんしょうしゅう)とは、宗祖日蓮末法の本仏、三大秘法を宗旨[1][注釈 1]とし、日本静岡県富士宮市大石寺を総本山とした富士門流[注釈 2]に位置づけられる仏教宗派である[2]。講員数約86万人。
寺院・教会

総本山

多宝富士大日蓮華山大石寺(たほうふじだいにちれんげざんたいせきじ〈別名は富士大石寺または富士山大石寺〉、
静岡県富士宮市


本山

多宝富士山妙蓮寺(みょうれんじ、静岡県富士宮市)

高永山本門寺(ほんもんじ〈通称讃岐本門寺〉、香川県三豊市

日知屋山定善寺(じょうぜんじ、宮崎県日向市


古刹・名刹

久遠山常泉寺(じょうせんじ、東京都墨田区)

霊鷲山常在寺(じょうざいじ、東京都豊島区)

正栄山妙縁寺(みょうえんじ、東京都墨田区)

高照山妙光寺(みょうこうじ、東京都品川区)

法道院(ほうどういん、東京都豊島区)

大日蓮華山下之坊(しものぼう、静岡県富士宮市)

法栄山上行寺(じょうぎょうじ、宮城県登米市)

良円山住本寺(じゅうほんじ、京都市東山区)

心蓮山敬台寺(きょうだいじ、徳島県徳島市)

法泉山日正寺(にっしょうじ、札幌市北区)  



その他

寺院は、総本山・本山の塔中坊、または山号と寺号あるいは院号公称 - 例:△△山○○寺、△△山○○院(実法山勧持院、六甲山堅持院、宏智山大慈院の3箇寺のみ、ただし千葉県館山市・自得院は例外的に寺院扱い)、教会は山号なしの院号公称、あるいは○○教会(小田原教会、防府教会、城山教会のみ)

また、本山に保田妙本寺があったが、離脱した。
教義

種脱相対[3][4]日蓮本仏論を唱え[5][6][7][8][9]、大石寺に伝えられる本門戒壇の大御本尊唯授一人の血脈を仏法の根本とする[10]
基本

基本的教義は、宗教の五綱・宗旨の三箇(三大秘法)・血脈相承である[1][11]。宗祖を本仏と仰ぎ、本門戒壇の大御本尊を信じ、題目を唱えるならば、どんな者でも必ず成仏できるとしている[12][13]。また、仏教各宗派によってさまざまな戒律が説かれているが、日蓮正宗における戒とは捨悪[注釈 3]と持善[注釈 4]である[14]

経釈章疏は、法華三部経・宗祖遺文(『日蓮大聖人御書』)・派祖遺文・大石寺第9世日有遺文・大石寺第26世日寛遺文を正依とし、天台宗系統の摩訶止観10巻および弘決・法華玄義10巻および釈籤・法華文句10巻および疏記を傍依としている[15]

仏教の基礎である三宝は、以下のように説いている。「末法の三宝とは、久遠元初自受用報身如来の再誕、法即人の主師親三徳、本因妙の教主日蓮大聖人が仏宝であり、人即法の本地難思の境智冥合、事の一念三千、無作本有の南無妙法蓮華経の大曼荼羅が法宝であり、大白法を正しく継承された日興上人を随一とする歴代の法主上人が僧宝である。」[16][注釈 5]多宝塔や釈迦・多宝如来、等の仏像の制作・崇拝は一切禁止されている[17]
沿革

1253年建長5年)3月28日に立宗を内示され、4月28日に立宗を宣したとする[18]。近世までは「大石寺#起源と歴史」、「富士門流#歴史」を参照
明治・大正

1872年明治5年)、明治政府は仏教各派に対し天台宗真言宗浄土宗禅宗浄土真宗時宗日蓮宗の七宗派に統合して各派から管長一名を設置するよう太政官布告を出した[19](一宗一管長制)[20]。以後、大石寺とその末寺は、1872年から1874年(明治7年)には日蓮宗、1874年から1876年(明治9年)には日蓮宗勝劣派、1876年から1900年(明治33年)には日蓮宗興門派1899年(明治32年)に本門宗と改称[21])に、それぞれ包括されていた[22][23][24]

この間、大石寺第54世日胤は、1873年(明治6年)に教部省へ「大石寺一本寺独立願い」を提出した[25]が容れられなかった[26]。また、大石寺第55世日布は、分離独立を内務省に願い出るが、1884年(明治17年)の太政官布達により取り下げざるを得なくなる[27]

一方、日蓮宗興門派(本門宗)の管長は八本山が一年任期の輪番制で務める運営形態となり、大石寺第55世日布が1881年(明治14年)から1882年(明治15年)にかけて第4代、大石寺第56世日應1891年(明治24年)から1892年(明治25年)にかけては第15代に、それぞれ就任している[28]。1884年の興門八山会議において、「それ〔総本山〕は大石寺であり、血脈相承の嫡統連綿は大石寺の貫主職以外に無〔い〕」[29]と大石寺は主張した[30]が、他の七本山に受け入れられなかった[31]


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