『日経トレンディ』（にっけいトレンディ）は、日本経済新聞社系列の日経BPが発刊する月刊誌である。1987年11月4日創刊。2008年6月までは同じ日本経済新聞社系列の日経ホーム出版社が発売していた（日経ホーム出版社は2008年7月1日付を以て日経BP社と合併[1]）。現在の編集長は澤原昇（2022年1月?[2]）。
概要

「個人生活を刺激する流行情報誌」をキャッチフレーズに現在トレンドになっている商品、サービス、ビジネスに関する記事が中心で類似商品の満足度や価格の比較などもある。雑誌はA4判で写真・表・グラフが多く、オールカラーである。日経関連の雑誌だけに単に流行を追うだけでなくその「仕掛け人」へのインタビューなどもあり、ビジネス情報誌にもなっている。

雑誌の性質上トレンドを追う為、時期によってチョコエッグ、チョコQなどの食玩、ガンプラなどのフィギュア、旭山動物園の人気から動物園や水族館などを特集した事もある。

創刊当初は月2回刊であったが、創刊3周年にあたる1990年11月4日発売の号より月刊となった。
ヒット商品ベスト30

創刊以来、毎年12月号にその年にトレンドとなったものを選出する「ヒット商品ベスト30」を掲載している。「ヒット商品」と銘打っているが「商品」だけでなくイベントや文芸・映画作品なども含まれることもあり、新語・流行語大賞と並び世相を反映したランキングとして年々注目度が増している。「ヒット商品ベスト30」と同時に「ヒット商品予測ランキング」も発表される。

なお12月号の企画として選考されるため、発表は毎年11月上旬に行われる。

2017年には、創刊30周年を記念して1987年?2016年の「ヒット商品ベスト30」に選出された全890アイテムの中から「ヒット商品グランドチャンピオン」を発表した[3]。

ヒット商品ベスト3の一覧年度1位2位3位出典
1987年自動製パン機サラダ記念日NICS製品
1988年東京ドームシーマ（3ナンバー車）リゾートマンション
1989年ハンディカム55吉本ばななフラワーロック
1990年水族館BSチューナー内蔵テレビちびまる子ちゃん
1991年カルピスウォータームーバ画王
1992年大型ゲームセンターオートキャンプカラオケルーム
1993年Jリーグ格安紳士服セービング
1994年輸入ビール格安PB商品カーナビゲーション
1995年マルチメディアパソコン携帯電話オデッセイ
1996年インターネット携帯電話・PHSインポートブランド
1997年たまごっちもののけ姫失楽園
1998年タイタニックiMac外貨建て金融商品
1999年宇多田ヒカルiモード10万円パソコン
2000年ユニクロPlayStation 2DVD
2001年ユニバーサル・スタジオ・ジャパン東京ディズニーシー千と千尋の神隠し
2002年ワールドカップサッカーハリー・ポッターアブトロニック
2003年阪神タイガースヘルシア緑茶日清具多
2004年冬のソナタ伊右衛門世界の中心で、愛をさけぶ
2005年iPod nano&ITMS愛知万博（愛・地球博）ブログ
2006年ニンテンドーDS Lite&鍛脳ゲーム軽自動車TSUBAKI
2007年Wiiビリーズブートキャンプ動画共有[4]
2008年プライベートブランドEee PCWii Fit[5]
2009年プリウス&インサイトキリンフリードラゴンクエスト9[6]
2010年食べるラー油3D映画スマートフォン[7]
2011年スマートフォン[8]Facebook“節電”扇風機[9]
2012年東京スカイツリーLINE国内線LCC[10]
2013年コンビニコーヒーパズル&ドラゴンズアベノミクス消費[11]
2014年アナと雪の女王妖怪ウォッチウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター[12]
2015年北陸新幹線火花インバウンド消費[13]
2016年ポケモンGO君の名は。IQOS[14]
グランドチャンピオン
（1987-2016年）スマートフォンLINEインターネット[15]
2017年Nintendo Switch明治ザ・チョコレートクラウドファンディング[16]
2018年安室奈美恵ドライブレコーダーペットボトルコーヒー[17]
2019年ワークマンタピオカPayPay[18]
2020年鬼滅の刃マスク消費あつまれ どうぶつの森[19]
2021年TikTok売れウマ娘 プリティーダービーシン・エヴァンゲリオン劇場版[20]
2022年Yakult1000／Y1000ちいかわPCM冷却ネックリング[21]
2023年ChatGPTchocoZAPTHE FIRST SLAM DUNK[22]


参考文献

「400号特別企画 30年史から読み解く！10大業界“ヒット予想”年表」『日経トレンディ』2016年6月号。（同号の86-87頁に1987年?2015年のトップ10の一覧あり）


不祥事

2000年10月号において、無印良品のソファの品質について客観性に欠ける臆測にもとづいた批評記事を掲載した。この件に関して、株式会社良品計画から抗議を受けた。日経トレンディ編集部は良品計画の主張を認め、同年12月号に訂正文を掲載した[23]。
脚注[脚注の使い方]^ ⇒日経BP社と日経ホーム出版社、7月1日に合併 - 日経BP社によるニュースリリース
^ 「人事、日経BP」日本経済新聞（2021年12月16日）
^ 「2017年ヒット商品」1位は『Nintendo Switch』、ORICON NEWS、2017年11月2日 12:20。
^ “ ⇒今年は「Wii」、来年は「“ドラ旅”パック」日経トレンディ誌が「07年ヒット商品ベスト30」「08年ヒット予測ランキング」を発表”. 日経トレンディネット. 日経BP社 (2007年11月2日). 2017年11月17日閲覧。
^ “ ⇒2008年ヒット商品ベスト30、1位は「PB」 - 日経トレンディが発表。“今年の顔”仲里依紗も登場”. 日経トレンディネット. 日経BP社 (2008年11月5日). 2017年11月17日閲覧。
^ “ ⇒2009年最大のヒット商品は「プリウス&インサイト」 - 日経トレンディ誌が発表”. 日経トレンディネット. 日経BP社 (2009年11月2日). 2017年11月17日閲覧。
^ “ ⇒2010年最大のヒットは「食べるラー油」 - 日経トレンディ誌が「ヒット商品ベスト30」発表”. 日経トレンディネット. 日経BP社 (2010年11月2日). 2017年11月17日閲覧。
^ 2年連続ベスト3入り
^ “ ⇒2011年最大のヒットは「スマホ」、日経トレンディ「ヒット商品ベスト30」発表”. 日経トレンディネット. 日経BP社 (2011年11月2日). 2017年11月17日閲覧。
^ “ ⇒2012年ヒット商品ランキング発表! 1位は「東京スカイツリー」”. 日経トレンディネット. 日経BP社 (2012年11月1日). 2017年11月17日閲覧。
^ “ ⇒「2013年ヒット商品ベスト30」が発表! 1位は「コンビニコーヒー」”. 日経トレンディネット. 日経BP社 (2013年10月31日). 2017年11月17日閲覧。
^ “ ⇒【速報】2014年ヒット商品ランキング発表! 1位は「アナと雪の女王」”. 日経トレンディネット. 日経BP社 (2014年11月3日). 2017年11月17日閲覧。
^ “【速報】2015年ヒット商品ランキング発表! 1位は「北陸新幹線」”. 日経トレンディネット. 日経BP社 (2015年11月3日). 2017年11月17日閲覧。
^ “【速報】2016年ヒット商品1位は「ポケモンGO」”. 日経トレンディネット. 日経BP社 (2016年11月3日). 2017年11月17日閲覧。
^ 『日経トレンディ』2017年12月号、151頁。
^ “ヒット商品1位は「Nintendo Switch」日経トレンディヒット商品ベスト30”. 日経トレンディネット. 日経BP社 (2017年11月2日). 2017年11月17日閲覧。
^ “2018年ヒット商品ランキング　日経トレンディ選定ベスト30”. 日経トレンディネット. 日経BP社 (2018年11月2日). 2019年11月22日閲覧。