日立レールイタリア(Hitachi Rail Italy S.p.A.)は、大量輸送用の車両を制作するイタリアの企業である。2015年(平成27年)2月に日立製作所がフィンメッカニカから買収したアンサルドブレーダ (AnsaldoBreda S.p.A.
)が前身である[1]。日立製作所傘下で、鉄道車両の機械部品(車体、台車)や電車の電装品(整流器、インバータ、モーター、操作機器)と電気設備の製作と企画を行っている。設計思想はアンサルドブレーダ時代のものを継承している。
車両の操作と車載電子機器に特化したアンサルド・トラスポルティと、鉄道機材の分野で世界的なブレーダ・コストゥルツィオーニ・フェッロヴィアリエとの合併[2]により成立した。
ナポリをはじめ、ピストイア、レッジョ・ディ・カラブリア、パレルモに事業所がある。
製品 マサチューセッツ湾交通局への納入車両 Type8 サンフランシスコ市営鉄道への納入車両 LRV2 モロッコ鉄道ONCFへの納入車両TAF Z2M
イタリア内外に対し、E402
やETR500、TAFなど、多くの鉄道車両を製作した。イタリア以外では、北米の鉄道事業者からの受注にも力を入れている。ブレダ社時代の1990年代中期頃、マサチューセッツ湾交通局(ボストン)及びサンフランシスコ市営鉄道(サンフランシスコ)からボーイング・バートル社製LRV車両(USSLRV)の老朽代替車両を受注した。これら2都市に対してはその後2000年代まで継続して多数のLRV車両を納入している。
またロサンゼルス郡都市圏交通局(MTA)向け地下鉄電車(レッドラインとブルーライン)およびLRTゴールドラインの製造にも携わっている。なお、この地下鉄電車も1993年当時からの旧ブレダ社時代に建造されており、車両ドアステップにはアンサルド社との合併以前旧称ロゴマークの「BREDA」が刻印されている。
都市高速鉄道(地下鉄、メトロ)向けにはアンサルドブーレダ時代から無人自動運転対応のドライバーレス・メトロを擁し、日立買収後も受け継がれている。
主な受注案件
2000年ごろ
トレニタリア向けイタリア国鉄ETR500電車(アルストム、ボンバルディア・トランスポーテーションと共同受注)
2002年
デンマーク向け高速鉄道IC4
2003年
ロサンゼルス郡都市圏交通局向け路面電車
2004年
オランダとベルギー向けオランダ南高速線V250「フィーラ」
モロッコ鉄道 (ONCF)向けにTAF
チルクムヴェスヴィアーナ鉄道に24編成
LeNord向けに41編成のTAF
2009年
台湾の台北捷運環状線向けドライバーレス・メトロ17編成68両
2010年
トレニタリア向けイタリア国鉄ETR400電車(ボンバルディア・トランスポーテーションと共同受注)
日立レールイタリア成立後
2016年
台湾の新北捷運三鶯線向けドライバーレス・メトロ29編成58両
都市交通部門の最新引渡し製品としてはミラノ、ベルガモ、ナポリ、サッサリ、アテネ、ヨーテボリ向けのシーリオ路面電車がある。
脚注^ ⇒「日立」に完敗した中国「鉄道ビジネス」 海外各地でつまずき…メキシコでは「契約破棄」、タイでは「金利高い」 - (2015.5.13 06:00版/2016年2月18日閲覧)
^ 合併以前の代表作として、日本の名鉄パノラマカーや小田急ロマンスカーNSE車などに影響を与えた展望電車「セッテベッロ」がある。
関連項目
アンサルドブレーダ・シーリオ(英語版)
路面電車
日立製作所笠戸事業所
アンサルドSTS(英語版)
列車
外部リンク
⇒Hitachi Rail Italy
⇒アンサルドブレーダ公式サイト
アンサルドのサイト
⇒フィンメッカニカのサイト
更新日時:2018年10月2日(火)12:21
取得日時:2018/11/07 15:20