日産・ティーダラティオ
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ラティオ(LATIO)は、日産自動車2004年10月から2012年12月まで生産・販売していたセダン普通乗用車である。

本稿では、以下のモデルについても便宜上記述する。

ティーダ ラティオ(TIIDA LATIO、ラティオの先代車)

概要

2004年10月30日に同社のハッチバックモデル、ティーダの派生車として「ティーダ ラティオ」の車名で発売された。同時に同社の小型エントリーセダンであるサニーは日本国内においてブランド廃止となったが、あくまでも上質なまったく新しいセダンをコンセプトとして開発され、サニーのマーケットを継承するモデルとして登場した。従来のサニーの購入層の受け皿とするという意味ではサニーの後継車種ともいえるが、決してサニーの後継車として開発されたわけではない[1]。当初はハッチバックモデルのティーダと別デザインのフロントグリルを装着することにより差別化が図られていたが、後にマイナーチェンジにより共通デザインとなった。また、インテリアデザインはティーダと共通だが、ティーダがメタル調であるのに対し、ティーダラティオには木目調のフィニッシャーが採用された。

日本国内のライバルは主にトヨタ・カローラアクシオ(日本国内におけるカローラセダンの後継車)であり、ボディサイズ、およびホイールベースがライバルとほぼ似通っており、販売終了まで1960年代?1990年代にしのぎを削ったかつてのライバル関係が復活していた。

2006年6月から北米市場でも「ヴァーサセダン」として販売開始。この最安価モデルはアメリカ合衆国において販売される新車のうち、4ドアセダンとしては最も安価なモデルである($9,990)[2]

2008年1月には2009年からのクライスラーへの南米市場向けOEM供給が合意されており[3]、後に同車をベースとする「ダッジ・トラーゾ」が2008年のサンパウロモーターショーに出品されていたが、景気悪化を理由に、2009年8月、OEM契約が解消された[4]

2012年10月に日本国内向けのフルモデルチェンジを行った際、ティーダが2代目ノートに統合されるかたちで日本国内向けの販売を終了していたことから、「ラティオ」に改称され、同時にCセグメントクラスからフルBセグメントクラスに降格となった。これにより、日本での「ティーダ」ブランドは事実上廃止となった。

日本国内向け車両についてティーダラティオは追浜工場で生産されていたが、ラティオはタイ日産で生産され、日本に輸入されている(2016年10月末をもって輸入終了。なお、同社における日本国内向けのセダンとしては最後の5ナンバーサイズ(ボディ)セダンであった)さらに品質などの再確認を行うため、追浜工場最終検査も受ける。タイでの生産は2004年から立ち上がっており、同国向けと2007年1月から(2006年販売分は日本製)のオーストラリア向けもタイ日産の生産車両が販売されている。中国向けモデルは東風汽車花都乗用車工場で、台湾向けは裕隆日産汽車三義工場で、アメリカ各国向けはメキシコ日産自動車アグアスカリエンテス工場で製造される。

なお、2017年1月以降よりミャンマーでもサニー名義として製造を開始した[5]
ティーダラティオ SC11型(2004年 - 2012年)

日産・ティーダラティオ
SC11型
2004年10月発売型

2008年1月改良型
概要
別名中国 : 日産・ティーダセダン
ヴェヌーシア・D50
製造国 日本
販売期間2004年10月 - 2012年12月
ボディ
乗車定員5名
ボディタイプ4ドアセダン
駆動方式前輪駆動 / 四輪駆動
プラットフォームBプラットフォーム
パワートレイン
エンジンHR15DE 1,498cc 直列4気筒 DOHC
MR18DE 1,797cc 直列4気筒 DOHC
HR16DE 1.6L 直列4気筒 DOHC
最高出力1,498cc 109ps/6,000 rpm
1,797cc 128ps/5,200 rpm
1.6L 109ps/???? rpm
最大トルク1,498cc 15.1kg・m/4,400 rpm
1,797cc 17.9kg・m/4,800 rpm
1.6L ??.?kg・m/???? rpm
変速機4速AT (E-ATx)
エクストロニックCVT
5速MT(教習車)
6速MT
サスペンション
前: ストラット式
後: トーションビーム式
車両寸法
ホイールベース2,600 mm
全長4,395 mm(前期型)
4,430 mm(後期型)
全幅1,695mm
全高1,535 mm(前輪駆動車)
1,540 mm(四輪駆動車)
車両重量1,110 - 1,220 kg
系譜
先代日産・サニー(事実上)
後継日産・ラティオ
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メカニズム

エンジンは、1.5LのHR15DEエンジンと後に追加された1.8LのMR18DEエンジンの2種類で、トランスミッションはエクストロニックCVT、フルレンジ電子制御4速AT、6速MTが用意され、4速ATについては最下級グレードの「15S」とe-4WD車に標準設定され、「15B」にも設定される。なお、6速MTについては後期型「18G」に設定される。また、2008年9月から設定される教習車には1.6LのHR16DEエンジンに5速MTを組み合わせたモデルも存在する。

プラットフォームにはティーダ同様、アライアンス関係を結んでいるルノーと共同開発したBプラットフォームのロングホイールベース版を使用している。そして、クラスを超える質感と、5ナンバーサイズのコンパクトボディを堅持しながらシーマ以上の有効室内長を確保した[6]。また、ティーダと同様にフロントシートについてもティアナと同等のサイズのものが採用された[7]。ティーダとは異なり、後席スライド機構は設定されず、ティーダのスライド機構を最後部にスライドされた状態で後席が固定されている。さらに、ティーダとはリアシートの設計が変更されており、ヒップポイントを数mm後退させたことにより、ティーダよりも若干広くなっている[8]
ラインアップ

日本仕様車には、ティーダ同様下から「15S」、「15M」、「15G」、「18G」の4グレードが展開され、15Sと15Mにはe-4WDを採用する四輪駆動車「15S FOUR」および「15M FOUR」が用意される。S、M、Gにはそれぞれ別のシート地が採用されるほか、一般カタログにはラインアップされていないが、法人専用グレード「15B」も存在し、これにはその3グレードとは別のシート地が採用されていたが後に15Sと共通化されている。また、この15Bにはノートと共通デザインのウレタンステアリングが採用され、アウトサイドドアハンドルが無塗装になるなど差別化されている。

2008年9月には15Bをベースとした教習車オーテックジャパンより発売された。これは2007年7月にクルー教習車が販売中止になって以来1年2か月ぶりの日産の教習車となる。


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