日産・エルグランド
3代目 2020年10月改良型 250ハイウェイスターS
概要
別名日産・キャラバンエルグランド(初代)
日産・ホーミーエルグランド(初代)
いすゞ・フィリー(初代)
販売期間1997年 -
ボディ
ボディタイプ4/5ドアミニバン
駆動方式前輪駆動(3代目)
後輪駆動(初代と2代目)
四輪駆動
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エルグランド(ELGRAND)は、日産自動車が生産・販売するミニバンである。
概要[ソースを編集]
広い車内空間と高い操縦性能を併せ持つことから高級ミニバンの元祖と呼ばれており、初代のヒット後、トヨタ・アルファードといったライバル車種を登場させるなど、日本のミニバン市場に多大な影響を与えた。
製造は初代と2代目が日産車体湘南工場、3代目は日産車体九州が担当。日本国内での販売のほか、E51・E52型は香港にも輸出されている。E52型から前後意匠を刷新、また姉妹車に北米向けに全長・全幅を拡大したクエスト(RE52型)が2011年からアメリカ合衆国に輸出・販売されている。
初代 E50型(1997年 - 2002年)[ソースを編集]
日産・キャラバン/ホーミーエルグランド
日産・エルグランド(初代)
ALE50/ALWE50/AVE50/AVWE50
APE50/APWE50/ATE50/ATWE50型
キャラバンエルグランド
ホーミーエルグランド ハイウェイスター
後期型(2000年8月 - 2002年5月)
概要
別名いすゞ・フィリー
販売期間1997年5月 - 2002年5月
救急車:
1998年5月 - 2017年12月
ボディ
乗車定員7・8・10名
ボディタイプ4ドアミニバン
エンジン位置フロントミッドシップ
駆動方式後輪駆動 / 四輪駆動
パワートレイン
エンジンVQ35DE 3.5 V6 240ps
VG33E 3.3 V6 170ps
QD32ETi 3.2 直4 150ps
ZD30DDTi 3.0 直4 170ps
変速機4AT (E-ATx)
サスペンション
前ストラット式
後コントロールロッド付き5リンクコイルスプリング式
車両寸法
ホイールベース2,900 mm
全長4,740 - 4,775 mm
5,640 mm(ジャンボタクシー)
全幅1,775 mm / 1,800 mm
1,900 mm(ジャンボタクシー)
全高1,940 - 1,955 mm
2,480 mm(ジャンボタクシー)
車両重量1,940 - 2,060 kg (FR)
2,030 - 2,180 kg (4WD)
系譜
先代日産・キャラバンコーチ
日産・ホーミーコーチ
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押し出しの効いた外観、クリーンでモダンなインテリア、広い室内空間、ミニバンらしからぬハンドリングの良さ、パワフルなV6エンジンなど、それまでの商用ワンボックスカーをベースとした国産ワゴンには無い商品性で、高額車にもかかわらず、一時は月販1万5千台を超えるほどの売り上げを記録した。
グレードは7人乗り「X」、8人乗り「V」、最廉価「J」の構成。
「X」のみ本革・サプラーレコンビシート/オートスライドドアなどがオプション設定、「V」はミドルグレード、最廉価「J」にはオートクロージャードア/電動格納式ドアミラーなどが装備されない。スピーカー数も2つである。
前後席のウォークスルーを可能にする「スーパーマルチシート」を採用する。
「J」を除いた全グレードにはザナヴィ製ツインモニターTV・ナビゲーションシステムがオプション設定された。
当初は、ローレル販売会社(モーター店)および日産プリンス沖縄向けがキャラバン エルグランド(CARAVAN ELGRAND)、沖縄県を除いたスカイライン販売会社(プリンス店)向けがホーミー エルグランド(HOMY ELGRAND)[注釈 1]と車名が分けられており、フロントグリルに付けられた車種シンボルのエンブレムは、「キャラバン」が赤、「ホーミー」が青となっていた。
R50型系テラノとプラットフォームやコンポーネントを共有していることから、ハブボルトは6本あり、ナット座ピッチ直径はミニバンとしては異例の139.7 mm(ライトトラック/SUVサイズ)となっている。
年表[ソースを編集]
1997年(平成9年)
5月19日 - キャラバンとホーミーのミニバンタイプとして登場。
7月 - いすゞ自動車へのOEM供給を開始(ファーゴ フィリーとして販売、のちにフィリーに車名変更、2002年〈平成14年〉4月で終了)。
10月31日 - オーテックジャパン扱いの「フィールドベース」発売。
「V」をベースに、ベッドやシンクなどの専用品を装備するキャンプユーズに優れた仕様となる。
1998年(平成10年)
1月 - ラルゴやセレナで人気を博したスポーティーグレード「ハイウェイスター」及び、オーテックジャパン扱いの「ロイヤルライン」を設定。
ハイウェイスターは、「V」をベースに専用メッキグリルやエアロパーツ、本革/サプラーレ/トリコット地のシートなどを装備した。
ロイヤルラインは、オーテックジャパンから当時の日産の社長車として話題に。後席VIPシート/チューニングサスペンション/ボディカラーなどの専用品を装備。(4人乗り、新車価格695万円)
5月15日 - オーテックジャパン扱いの高規格救急車パラメディックがフルモデルチェンジにより本モデルベースとなった。
本モデルのフロントと、E24型キャラバンの荷室部分を流用してつくられているが、キャラバンのボディを流用するだけでなく、フロントドアより後ろをエルグランド比で125 mm、キャラバン比で210 mm拡幅した専用ボディとなっている。後車軸は車軸懸架のままであるが拡幅されたトレッドに対応すべく、Y60/Y61型系サファリスピリットのリヤホーシングが流用された。このボディは「ジャンボタクシー」やキャンピングカーのベース車として大量に供され「エルグランド特装車」のベースにもなった。2005年(平成17年)4月には生産拠点がオートワークス京都 湘南事業所へ移管、2011年(平成23年)時点でパラメディック以外は生産中止になっている[注釈 2]。
10月5日 - 一部改良。
パックオプションとして、フロント回転対座シート/バックテーブル付きセカンドシート/電動ピュアクリーンカーテンなどを装備する「ラウンジパッケージ」が追加。「X」「V」「ハイウェイスター」に設定。
「X」には8人乗り仕様が追加、オーテックジャパン扱いの特別仕様車「ライダー」が発売された。
11月18日 - 1997年(平成9年)4月の生産開始より約19か月で国内生産累計が10万台を突破。
1999年(平成11年)
8月30日 - マイナーチェンジ。
ディーゼル車はエンジンをZD30DDTi(直4DOHC・170PS・3,000cc直噴インタークーラー付ターボ)に変更し、約25%の燃費向上と、静粛性の向上が図られた(車両型式はATE50/ATWE50型に変更)。外装はバックドアフィニッシャーを透明アクリル化し、リヤコンビランプ縁部分がブラックに変更された。
車名を「エルグランド」へ変更し、フロントエンブレムは全車白に統一された。
オーテックジャパン扱いの「ライダー」・「ロイヤルライン」も併せて実施された。