日本語の方言
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「本土方言」はこの項目へ転送されています。朝鮮語の本土方言については「朝鮮語#方言」をご覧ください。
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出典検索?: "日本語の方言" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2021年2月)

日本語の方言(にほんごのほうげん)、すなわち日本語地域変種(地域方言)について記述する。

日本語は語彙文法音韻アクセントなどあらゆる面で地方ごとの方言差が大きく、異なる地方に転居や旅行した際に、言葉が通じず苦労する場合が少なくない。日本語の方言は大きく「本土方言」と「琉球方言」に分かれ、それぞれがさらに細分化できる(区分章を参照)。明治以降、東京方言をもとに標準語の確立と普及が進められ、地方の方言はそれを阻害するものとして否定的にとらえられるようになった。共通語(第二次世界大戦後、標準語から共通語へと呼称が変わった)と、方言の共存が模索されるようになったが、実際には各地の伝統的な方言は急速に衰退・変質している(歴史・近代以降章を参照)。

日本では「方言」という語は、「めんこい」「おもろい」「ばってん」のような共通語(標準語)とは異なる各地方独特の語彙や言い回し(「俚言」)、あるいはアクセントや発音の違い(いわゆる「なまり」)を指す場合が多い。しかし、言語学ではアクセント・音韻・文法などをすべてひっくるめ、「その地域社会の言語体系全体」を指すのが一般的である。すなわち、東京という一地域の日本語の体系ということで「東京方言」も当然存在する。
「言語」と「方言」断定の助動詞「だ」「じゃ」「や」の分布図四つ仮名の分布図。緑色に塗られた地域の方言がいわゆるズーズー弁。「琉球諸語#言語か方言か」も参照

本土方言と琉球方言は、文献時代に入る以前に分岐し、その後の往来も少なかったため、一聴する限り外国語同士に聞こえるほどの差が生じた。そのため、琉球方言を「琉球語」として、本土の日本語とは独立した別言語とする考え方がある。また、琉球諸島は地域ごとの方言差が本土以上に著しいため、琉球諸島各地に存在する方言をそれぞれ別個の言語ととらえ、琉球方言ないし琉球語を「琉球諸語」として、異なる諸言語の集合と位置づける考え方もある。ただし、本土と琉球諸島の言語に対応関係があることは明らかであり、琉球方言を言語とみなす場合でも、日本語と琉球語(琉球諸語)はまったく無関係の別言語ではなく、日琉語族(日本語族)を構成する姉妹言語とされる。

そもそも「言語」と「方言」の客観的な区別方法はなく、言語差の大小よりも、政治的条件や正書法の有無、話者の意識などで判別される傾向にある。ユネスコ2009年に発表した消滅の危機にある言語の調査では、琉球方言および八丈方言は「国際的な基準だと独立の言語と扱うのが妥当」であるとして、八重山語与那国語を「重大な危険」、沖縄語国頭語宮古語奄美語八丈語を「危険」の区分に独立言語として分類した[1]

アイヌ語ウィルタ語ニヴフ語も日本列島北部で話されている(話されていた)言語であるが、系統が異なるため日琉語族には含まれない。
方言の分布

全国の語彙の分布には、中央(かつて都が置かれた京都)を挟んだ離れた地域に同じような語彙や言い回しが存在し、中央では死語となった語が分布していることがある。このような分布を「周圏分布」といい、柳田國男が『蝸牛考』でカタツムリを表す単語が同心円状に分布していることを指摘した(方言周圏論)。一方で、語彙は中央から伝播しただけでなく、各地方でも独自に新しく生み出されていった(方言孤立変遷論)。そのため、必ずしも辺境の言葉は古いというわけではなく、辺境のほうが新しい特徴を持っている場合もある(逆周圏論)。また、方言周圏論が成り立つのは、カタツムリを表す「まいまい」と「ででむし」のようにまったくの別語形の場合であり、一方から他方への語形変化・音変化が起きたと推定される場合には成り立たない。たとえば麦粒腫を表す「めぼいと」「めぼ」「めいぼ」のように、離れた地域で同じ変化が起きたと考えられるものがある[2]。語彙以外では、東日本や九州などで連母音アイがエーやエァーになっているが、これはこのような変化が起こりやすく、相互に交流がなくても同じ変化を起こしたためである。

このほか、いくつかの文法要素や語彙が「東西分布」を示すことが知られている。東西の違いには、文法では打ち消しの「-ない」と「-ん」、結果態の「-てる」と「-とる・ちょる」、形容詞連用形の「白くなる」と「白うなる」など、語彙では「いる」と「おる」、「しょっぱい」と「からい」、「やのあさって」と「しあさって」などがある[3]。これらの境界は、北側では新潟県糸魚川市付近から北アルプスを南下する線に集中している。明治期の国語調査委員会も1908年(明治41年)の報告で、「仮ニ全国ノ言語区域ヲ東西ニ分カタントスル時ハ大略越中飛騨美濃三河ノ東境ニ沿ヒテ其境界線ヲ引キ此線以東ヲ東部方言トシ、以西ヲ西部方言トスルコトヲ得ルガ如シ」と記している。また、愛知県・三重県境付近の揖斐川も、アクセントなどがそっくり変わる大きな方言境界になっている。語彙の例では、「借りる」と「かる」、曾孫を表す「ひこ」と「ひまご」のように中部と近畿の間付近に境界のあるものや、畔を表す「くろ」と「あぜ」、目を表す「まなこ」と「め」のように関東と中部の間付近に境界のあるものもある[4](語例はいずれも前者が東、後者が西)。ただしこれらの東西分布の中には、「借りる」や「いる」、後述する関西から東京への伝播のように、完全な東西対立ではなく東(西)のものが西(東)の一部地域に分布するものもある[3]

移住や交流により飛び火的な伝播が起こり、かけ離れた地域で同じ語形を使っていることもある。北海道方言の大部分は、本州からの移住により持ち込まれたものである。また関西から東京に持ち込まれた語も多く、「こわい」(恐ろしい)、「うろこ」(鱗)、「しあさって」(明々後日)、「からい・しおからい」、「つらら」(氷柱)、「けむり」(煙)などがあり、東日本のなかで東京付近に孤立的に分布している[5]

代表的な分布パターンとして、「周圏分布」「東西分布」のほかに、残存分布(AB分布)、交互分布、日本海側と太平洋側の対立分布、群雄割拠型の分布、錯綜分布が知られる[6]。残存分布とは、かつては周辺部にA、中央部にBの語が分布するABA型の周圏分布だったものが、一方のAが衰退してAB型の分布となったものである[6]。日本海側と太平洋側の対立分布には、「ゆきやけ」と「しもやけ」のように気候の違いに由来すると考えられるものがある[6]
相互理解可能性

1967年の相互理解可能性の調査より、関東地方出身者にもっとも理解しにくい方言は(琉球諸語東北方言を除く)、富山県氷見方言(正解率4.1%)、長野県木曽方言(正解率13.3%)、鹿児島方言(正解率17.6%)、岡山県真庭方言(正解率24.7%)だった[7]。この調査は、12?20秒の長さ、135?244の音素の老人の録音に基づいており、42名の若者が聞いて翻訳した。受験者は関東地方で育った慶應大学の学生だった[7]

関東圏出身者に相互理解可能性(1967年)[7]方言大阪市京都市愛知県立田村長野県木曽町新開富山県氷見市岡山県勝山町高知県大方町島根県雲城村熊本市鹿児島市


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