日本沈没
[Wikipedia|▼Menu]

日本沈没
著者
小松左京
発行日1973年昭和48年)
発行元光文社 カッパ・ノベルス
ジャンルSF小説
日本
言語日本語
ページ数264(上巻)
248(下巻)
コード.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 9784334720438
ISBN 9784334720445(下巻)

ウィキポータル 文学

[ ウィキデータ項目を編集 ]

テンプレートを表示

『日本沈没』(にっぽんちんぼつ[1]、にほんちんぼつ[2][3])は、1973年昭和48年)に刊行された小松左京による日本のSF小説

1973年と2006年には映画化、1974年2021年にはテレビドラマ化、1973年と1980年にはラジオドラマ化、1970年代2000年代には漫画化、2020年にはWebアニメ化されるなど、様々なメディアミックスがなされている。
小説

1964年昭和39年)から執筆が開始され、9年がかりで完成した[4]。当初は複数巻となる予定だった長編を出版社の要請で短縮し、上下巻とした[5]。本作品に先行して執筆していた『復活の日』で描かれるアラスカの大地震を予測するという設定は、本作品のために地震学の資料を集めていたことにも由来している[5]。映画作品中においては、現実の地球物理学者であった竹内均博士を出演させている。

まず、1973年(昭和48年)3月20日光文社カッパ・ノベルスより書き下ろしで上下2巻が同時刊行された[4]。当初は3万部ずつだったが[5]、版数を重ねるごとに出版数が増え、上巻204万部、下巻181万部の計385万部まで伸び、「空前の大ベストセラー」とも評された。その結果、1億2,000万円の収入を得た小松は文壇長者番付の5位にランクインし、1974年には第27回日本推理作家協会賞、第5回星雲賞日本長編部門をそれぞれ受賞している。刊行から50年を経た2023年時点での累計部数は490万部を超える[6][7]

ベストセラーになったことにより、小松の知名度を上げて日本におけるSFの浸透に一役買うことになった。その背景には、高度経済成長が終わりを迎えた1970年(昭和45年)の日本万国博覧会に代表される薔薇色の未来ブームへのアンチテーゼとして登場したことの衝撃に加え、1973年の狂乱物価とも言われたインフレーションオイルショックなどによる社会不安があった[4][8][注釈 1]。また、同年が関東大震災から50年という節目でもあり、本作品によって大規模災害への不安が喚起されるきっかけともなった[9]。一部のマニアに愛好されるものであったSFというジャンル自体も、一般に普及していったとされる[4]

1976年には、マイケル・ギャラガーによる3分の1ほどの抄訳が、アメリカにて『JAPAN SINKS』のタイトルで出版された。

小松自身は、題名を「『日本滅亡』――果てしなき流れの果てに…、出発の日」とつけていたが、担当編集者であった浜井武の「『日本沈没』のほうが“滅亡”よりユーモラスだ」という主張により、『日本沈没』となったという[10]

元々は「日本人が国を失い放浪の民族になったらどうなるのか」をテーマに据えており[4]、日本列島沈没はあくまでもその舞台設定で、地球物理学への関心はその後から涌いたものだという。しかし、そのために駆使されたのが当時になって広く認知され始めていたプレート・テクトニクスであり、本作品はその分野を広く紹介する役割をも果たした。この分野に関する作品中の解説やアイデアは、修士論文に相当するとの声もあったほどである[注釈 2]

難民となって世界中に散っていった日本人を描く第2部の構想(仮題は『日本漂流』)もあったことから、下巻の最後には「第1部・完」と記されていた。下巻発刊後から長らく執筆されることはなかったが、2006年のリメイク版映画の公開に合わせ、谷甲州との共著という形で出版された。詳細は「#小説『日本沈没 第二部』」を参照
物語

197X年夏。小笠原諸島の北にある無名の小島が、一夜にして海底に沈んだ。地球物理学者・田所雄介博士は、ただちに現地調査に赴く。深海調査艇「わだつみ」号の操艇者・小野寺俊夫、海洋地質学者の幸長助教授と共に日本海溝[注釈 3]に潜った田所は、海底を走る奇妙な亀裂と乱泥流を発見する。

おりしも伊豆半島付近で地震が発生し、それに誘発されて天城山が噴火したため、内閣では地震学者との懇談会を開いて意見を聞くことになった。その席に招かれた田所は「日本がなくなってしまう」可能性を口にするが、学者仲間の失笑を買うだけだった。だが、政財界の黒幕である渡老人は自らの周囲に起きていた事象と符合する田所の説に興味を抱き、それを検証するために首相を呼びつけ、極秘で「D計画」を立ち上げさせる。

D計画に集った田所、幸長、小野寺、情報科学者の中田一成らは、やがて一つの結論に達する。それは、日本列島近傍のマントル流に急速な異変が起こっており、その結果として「日本列島は最悪の場合2年以内に、地殻変動で陸地のほとんどが海面下に沈没する」というものだった。一方、渡老人は比較文明史学者の福原教授らに依頼し、日本人の国外脱出とその後に関する計画を策定させる。

その間にも京都に次いで東京が巨大地震に襲われ、富士火山帯の火山が相次いで噴火するなど、異変は着実に進行していた。田所は危機が迫っていることを国民に知らせ、そのことに対する反応を見ようと故意に週刊誌とテレビで情報を暴露し、D計画を去る。

その後、コンピューターによるシミュレーションの結果、日本沈没が10か月以内に迫っていることが判明し、首相は日本沈没の危機が迫っていることを国会演説で発表する。休火山[注釈 4]までが活動を始めるなか、精鋭スタッフたちは死に物狂いで全国民の国外脱出計画「D-2」を遂行し、日本人を続々と海外避難させる。一方、あえて国内に留まり日本列島と運命を共にする道を選択する者もいた。

そして、日本列島は四国を皮切りに次々と海中に没していき、最後まで残っていた北関東が大爆発を起こした結果、完全に消滅する[注釈 5]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:347 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef