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日本思想(にほんしそう、英: Japanese philosophy)は、日本の哲学・思想のこと。日本哲学とも言う[注 1]。太古にはアニミズム・シャーマニズムとしての神道があったが、仏教、儒教、西洋思想の伝来[注 2]によって習合・混合し、日本特有の思想風土が出来上がっていった。 日本思想が学術的な考察の対象に上ったのは明治時代以降のことである。戦前の代表的な思想史家として津田左右吉、村岡典嗣、和辻哲郎などがいる。 以下、『日本思想史講座』シリーズ(ぺりかん社)の各巻「総説」を参考に記述する。 「文明開化」に伴って、明六社の福沢諭吉や西周らによって西洋思想、西洋哲学の輸入が盛んに行われた。その中で、欧化主義に対して日本の伝統思想を回顧する動きも現れ、国粋主義・国家主義者たちは国民道徳論 歴史学者の津田左右吉は、日本古代史や『論語』の文献研究で知られるが、『文学に現はれたるわが国民思想の研究』を著して、初となる本格的な日本思想の通史的叙述を行った。自由主義的なナショナリストであった津田には『支那思想と日本』の著作もあり、中国が日本思想に与えた影響を否定することに力点を置いていた。村岡典嗣は『日本思想史研究』や『本居宣長』の著作があり、日本思想の文献学的研究を行った。村岡は宗教哲学者者の波多野精一から大きな影響を受けており、日本思想の中の宗教哲学の探求を動機として、江戸時代後期の国学者平田篤胤に日本伝統思想における宗教哲学の完成を見出していた。村岡典嗣の活躍した東北帝国大学では、西田直二郎の「文化史学」が興隆し、石田一良、佐藤弘夫らを輩出した。 哲学者の西田幾多郎は『日本文化の問題』で、伝統思想を媒介とした西洋哲学の刷新を説いている。また、倫理学者の和辻哲郎は『人間の学としての倫理学』や『倫理学』で知られるが、彼もまた日本精神の研究を行った。和辻はドイツの解釈学を学び、それを思想史叙述に利用した。『日本精神史研究』は日本美術や芸能の中に日本精神を探る著作である。戦前に出版した『尊皇思想とその伝統』は、古代から近世の日本思想を尊皇思想という観点から渉猟し、戦争を控えて執筆が急がれた和辻倫理学の大きな目的の一つである、民衆を国家のために動員可能にする国家主義の完成を目的としていた。戦後にはこれを元にした完全版の『日本倫理思想史』が出版された。和辻門下には相良亨、源了圓、湯浅泰雄らがおり、現在では第三世代として佐藤正英などがいる。
研究史
「日本思想史」の形成
儒教と国民道徳論
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