日本古典文学学術賞(にほんこてんぶんがくがくじゅつしょう)は、日本の学術新人賞。国文学研究資料館賛助会主催。
本記事では、かつて存在した日本古典文学会主催の日本古典文学会賞(にほんこてんぶんがくかいしょう)についても取り扱う。 財団法人日本古典文学会が主催する学術賞として、1974年度より日本古典文学会賞が開始。毎年「35歳以下の日本古典文学研究者[注 1]の論文を中心とする業績」に対して授与された。当時「若手国文学者の登龍門」と位置づけられていた[1]。 2006年に主催の解散に伴って停止したが[2]、2008年度から国文学研究資料館賛助会主催の日本古典文学学術賞として継承された[3]。同賞は「若手日本古典文学研究者の奨励と援助」を目的とし[3]、「業績の公表時に40歳未満である研究者」(3名以内)に贈られる[3]。
概要
歴代受賞者
日本古典文学会賞
第1回(1974年度)
伊井春樹 「源氏釈の形態」ほか平安文学研究
犬井善壽 「平家物語の語りと読み」ほか中世文学、とくに前期軍記物語研究
延広真治 「烏亭焉馬年譜」ほか近世後期文学研究
日野龍夫 「文人の交遊」ほか近世文学全般、殊に儒学・文人などの研究
美濃部重克 「閑居友」ほか中世文学、とくに説話文学研究
第2回(1975年度)
稲田利徳 「日次系草根集伝本考」ほかの一連の正徹研究
神尾暢子 「歳内立春と古今巻頭?王朝の暦法と元方の方法」ほか中古文学作品の研究
橋本朝生 「天正狂言本の大小名狂言?狂言の形成序説2」ほか中世芸能史研究
第3回(1976年度)
日下力 「金刀比羅本『平治物語』の構造」ほかの一連の中世軍記物語の研究
神野志隆光 「古代時間表現の一問題?古事記覚書」ほか
山口仲美 「歌物語における歴史的現在法」ほか
第4回(1977年度)
小島孝之 「『撰集抄』形成私論」ほか中世の説話文学研究
高橋亨 「源氏物語の内なる物語史」ほか
佐藤恒雄 「新古今的表現成立の一様相?『むなしき枝に』『露もまだひぬ』をめぐって」
第5回(1978年度)
揖斐高「化政期詩人の地方と中央?佐羽淡斎を中心に」ほか
沢井耐三「『守武千句』考証」ほか
竹本幹夫「天女舞の研究」ほか
第6回(1979年度)
位藤邦生
徳田武「『三七全伝南柯夢』論」ほか
林雅彦「絵解きに関する覚書一」ほか
第7回(1980年度
川村晃生 「僧正遍照?その詠歌の特質をめぐって」ほか過去の業績
徳田和夫「お伽草子時代の説話?『碧山日録』の説話享受から」ほか
三田村雅子「『枕草子』の〈笑ひ〉と〈語り〉」ほか
第8回(1981年度)
加藤定彦 「増山井をめぐる問題」ほか季寄に関する研究
小峯和明「『今昔物語集』天竺部の形成と構造2」ほか一連の「今昔物語集」研究
森正人「説話形成と天竺・震旦仏法史」ほか一連の『今昔物語集』研究
第9回(1982年度)
牧野和夫 「中世の太子伝を通して見た一、二の問題2」及び過去の一連の研究
三角洋一 「平安中後期の『住吉物語』」及び過去の業績
山崎誠