日本住血吸虫病
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ノート:地方病 (日本住血吸虫症)#改名提案に、このページに関する議論があります。(2023年2月)
議論の要約:記事について

日本住血吸虫症(にほんじゅうけつきゅうちゅうしょう)は、扁形動物門に属する寄生虫である日本住血吸虫を病原体とする人獣共通感染症である。アジア住血吸虫症(Asiatic schistosomiasis)と呼ばれることもある[1]。日本住血吸虫はミゾヒダニナ属(Oncomelania)の巻貝中間宿主とするため、その生息域に限局して地域的流行を起こす[2]。現在知られている流行地は中華人民共和国フィリピンインドネシアの3ヶ国が挙げられ[2]、患者数は2000年代の統計で約82万人[3]、推計で数百万人程度とみられる[4]。かつては日本の一部地域でも流行していたが、1978年を最後に新規感染例は発生していない[4]
症状

日本住血吸虫のセルカリアが皮膚から侵入した際に、発疹がみられる。その直後の急性期には発熱を伴う咳や腹痛などの症状が見られることがあり、「片山熱」と呼ばれているが、不顕性感染に留まることもある。その後、成虫が主に門脈に寄生して多量の卵を産むことで門脈が閉塞し、発熱、腹痛、肝腫大、下痢、粘血便といった症状がでる。この急性症状はしだいに治まるが、産卵は長期にわたって継続し、重要臓器の血管を閉塞することで様々な慢性症状を示す。代表的なものには肝硬変があり、神経症状を引き起こすこともある[4]
病原体詳細は「日本住血吸虫」を参照

扁形動物門吸虫綱有壁吸虫目住血吸虫科に属する日本住血吸虫(Schistosoma japonicum)が病原体である。日本住血吸虫は終宿主域が幅広いことが特徴で、ヒト以外にスイギュウ、牛、犬、豚、齧歯類など少なくとも46種が知られている[2]。一方中間宿主ミゾヒダニナ属(Oncomelania)の巻貝である。成虫は雌雄異体だが、基本的に雌雄一体となって門脈などの静脈叢に寄生している。ここで長期間(10年から30年)にわたって産卵を続け、産まれた虫卵が血管を閉塞し、そのため壊死した周囲の組織もろとも消化管から糞便とともに宿主体外へと排出される。虫卵は水中で孵化しミラシジウムとなり、体表から中間宿主に感染してスポロシストとなる。スポロシストから分化したセルカリアは水中へ泳ぎだして終宿主の体表から侵入する。この水系での皮膚を介した感染が主な感染経路である。侵入後シストソミューラへと変態し、静脈を介して肺に移行し、さらに腸管静脈叢へ移行して成虫となる。
病理

日本住血吸虫の成虫そのものはほとんど症状を引き起こさない。しかし成虫が産んだ虫卵は、肝臓、脾臓、小腸壁などに蓄積し、そこで激しい炎症反応を起こす。その結果として、肝臓や脾臓の腫大、門脈高血圧、腹痛、下痢、粘血便などの症状が現れる。場合によっては、脳血管を閉塞して痙攣や頭痛などの神経系症状を引き起こすこともある[2]。癌との関係を指摘する意見もある[4]
診断

伝統的には糞便検査による。Kato-Katz法(セロファン厚層塗抹法)と呼ばれる手法が、ゴールドスタンダードとみなされている。これは簡便かつ低コストで実施できることが利点であるが、軽度の感染に対して感度が低いという難点がある。ほかに、FLOTAC法、ホルマリン・酢酸エチル沈殿法、ミラシジウム孵化法などの手法が利用されている。分子診断としてLAMP法やPCR法によって、便、尿、血液、唾液などから虫体由来DNAを検出する方法がある。また抗体検査としてELISA法のほかに卵周囲沈降法が使われることもある。[2]
治療

プラジカンテルは安全で効果的な駆虫薬である。また罹患率を下げるための予防的投薬にも使われている。しかしプラジカンテルで駆虫しても再感染を防ぐことはできないため、感染環を断つ目的では効果が薄い。耐性の出現について注意が必要である。[2]
疫学

中間宿主として巻貝の存在が必要であるため、日本住血吸虫症の分布は地域に限局し、たとえば村落ごとに有病率に大きな差ができる傾向が強い。流れがゆっくりかほとんど止まっているような、小川、湖、水田が巻貝の生息適地である。中間宿主の体内では無性的に増殖するため、巻貝の制御は非常に重要な意味を持つ。これまでに環境改変と殺貝剤が採用されており、とくに日本においてはコンクリート護岸の導入や水田から果樹園への転換が大きな効果を上げた。


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