日本以外全部沈没
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ポータル 文学

『日本以外全部沈没』(にほんいがいぜんぶちんぼつ)は、筒井康隆短編小説。『オール讀物1973年9月号に発表。タイトルは「以外全部」が「日本」「沈没」よりも小さいフォントで『日本以外全部沈没』と表記される。

本項では、この作品を原作にした2006年公開の日本映画についても記述する。
概要

当時のベストセラーであった小松左京のSF長編小説『日本沈没』のパロディであり、題名の通り日本列島以外の文明を持った人類が住む陸地すべて(チベットアンデス等の高山・高原地域も残っていることが記されるが、治安が悪くて住めないと、著名人たちに嘆かせている)が沈没してしまった世界を舞台に、唯一の陸地である日本へと殺到する世界の著名人の悲惨な境遇と世界で一番偉い人種となる日本人と三等市民である外国人の軋轢を描いた小説である。
作品解説

『日本沈没』のヒットを祝うSF作家たちの集まりで、星新一が題名を考案、小松の許可を得て筒井が執筆した[1]。第5回(1974年度)星雲賞短篇賞受賞作品(ちなみに長編賞は『日本沈没』)。授賞式の壇上、小松は冗談交じりに「『日本沈没』完成まで9年かけたのに、筒井氏は数時間で書き上げて賞を攫ってしまった」とコメントしたという。

そして、さらなる返礼として小松が書いたのが「タイム・ジャック」(『S-Fマガジン』1973年10月臨時増刊号、早川書房)である[注釈 1]。筒井作品風に「おれ」を名乗る主人公の他、筒井や小松が当時よく登場させていた「大杉酔狂」や「月古市」なども登場する、ドタバタSFパロディ短篇である。筒井は、小松の自薦短編集『さらば幽霊』(講談社文庫、1974年)の解説で、一見した表層的には筒井的にしか見えないこの作品に、それでも現れている違いを読み解くことで、小松の特質を分析するという試みをおこなっており、アンソロジー『'73日本SFベスト集成』(徳間書店、1975年)収録の際の解説でもそれを抜粋している。
書籍

農協月へ行く (
角川書店、1973年11月。角川文庫、1979年5月20日)

日本以外全部沈没 〈自選短篇集3(パロディ篇)〉(徳間文庫、2002年9月15日)ISBN 4198917655

日本以外全部沈没 〈パニック短篇集〉(角川文庫、2006年6月24日)ISBN 4041305225

オーディオブックCD 日本以外全部沈没(ことのは出版、2008年5月7日)朗読:安原義人

映画

日本以外全部沈没
The World Sinks Except Japan
監督
河崎実
脚本河崎実
右田昌万
原作筒井康隆
製作河崎実
鈴木政信
二木大介
製作総指揮酒匂暢彦
福井政文
由里敬三
土井宏文
出演者小橋賢児
柏原収史
デルチャ・ミハエラ・ガブリエラ
ブレイク・クロフォード
キラ・ライチェブスカヤ
村野武範
藤岡弘、
寺田農
筒井康隆(特別出演)
音楽石井雅子
主題歌ミドリカワ書房
「「遺言」 ?日本以外全部沈没のテーマ?」
撮影須賀隆
編集前嶌健治
配給クロックワークス
トルネード・フィルム
公開 2006年9月2日
上映時間98分
製作国 日本
言語日本語英語
テンプレートを表示

ストーリー

酒場でペピトーン米大統領やロシア大統領が日本人をヨイショしている。中韓首脳も神社にお参りしてきたという。

こうなったのも3年前の2011年、原因不明の天変地異でアメリカ大陸が1週間で海に沈んだのが最初。大統領たちがエアフォースワンで脱出したり、4000人乗った飛行機が墜落したり大混乱。オスカー俳優ジェリー・クルージングと妻のエリザベス・クリフトも自家用ジェットで日本に移住。新聞記者「おれ」の妻キャサリンはアメリカ人で家族は中国に向かったかもしれないと慰める。輸入に頼っている食糧は高騰している。1週間後、中国大陸が沈没を始め、その1週間後にはユーラシア大陸がすべて、その2日後にはアフリカ大陸、翌日にはオーストラリア大陸が沈没。田所博士によれば、地球温暖化でマントルが動き、挟まれた日本列島だけが突出したという。

避難民たちで日本の人口は5倍になる。1ドル5銭になって外国で裕福な暮らしをしていた者たちも極貧になる。外国人女性は日本の女性と違って可愛いと、メイドや愛玩用に雇われる。捕鯨禁止を訴える国がなくなったため鯨肉が安くなる。英会話学校が倒産して日本語学校が繁盛。外国人犯罪が多発し対外国人治安維持組織が結成され、日本語を解さない者、日本文化に馴染めない者は国外(つまり海上)に放逐されるようになる。おにぎり1個で仲間を売る外国人が増える。

「おれ」が外国人蔑視を強めるのと反比例して、移民を増やすべきというキャサリンの愛情は冷める。キャサリンはうまい棒を万引して特殊部隊GATに捕まったジェリーと一緒に国外追放されることを選ぶ。一方、日本に潜入していた北の某国の独裁者率いる特殊部隊が日本を乗っ取るためにテロを起こすが、田所博士は日本も沈むと予言し、安泉首相は各国の元首脳から今までの仕返しとしてリンチを受ける。襲撃された石山防衛庁長官は特殊部隊を道連れに自爆し、田所の予言通りに日本列島も沈没を始める。最期を前にした「おれ」や各国首脳たちはようやく和解し、日本列島は完全に沈没した。
キャスト

おれ(主人公) -
小橋賢児

古賀 - 柏原収史

後藤 - 松尾政寿

ジェリー・クルージング(オスカー俳優) - ブレイク・クロフォード

エリザベス・クリフト(人気女優、ジェリーの妻) - キラ・ライチェブスカヤ

キャサリン(「おれ」の妻) - デルチャ・ミハエラ・ガブリエラ

古賀明子(古賀の妻) - 土肥美緒

ペピトーン元アメリカ大統領 - ジョン・ヒーズ

ラインバック元アメリカ国務長官 - ビル・ダーリング

金元韓国大統領 - 坂本大地

張元中国国家主席 - 隅野貞二

デンプシー元国連事務総長 - サラム・ジャーニュ

北の独裁者 - ジーコ内山[注釈 2]

ハリウッド映画監督ルージ・ジョーカス - ブルマンド・サンデイ

浅野内匠頭 - 八幡トモアキ

吉良上野介 - 石見栄英

マジックガール - プリマベーラ

怪獣 - 谷口洋行

電エース - 破李拳竜

電一 - 南郷勇一

電車内の日本人 - 加藤礼次朗

ナレーション - 木村裕二

GAT・赤木隊長 - 岡村洋一

GAT隊員 - 田崎敏路清水一哉、原田光規、岡本光規、本宮賢二

記者 - 宮沢大地阿部能丸嶋田豪稲川哲也

アナウンサー - 三上哲

ウェイトレス - 菅野沙織、一本木蛮、木村美幸、小峰柚子、野中聖治、渡部瑠美

出前持ち - ユリオカ超特Q


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:36 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef