日本ホラー小説大賞(にほんホラーしょうせつたいしょう)は、かつて存在した日本の公募新人文学賞。株式会社KADOKAWAと一般財団法人角川文化振興財団が主催していた[1]。 1994年、角川書店とフジテレビによって、「同じ時代を生きている全ての読者と、恐怖を通して人間の闇と光を描こうとする才能豊かな書き手のために」をコンセプトとして設けられた[2][3]。 第2回から第18回までは、長編部門と短編部門に分けて募集され、それぞれ長編賞と短編賞が授与された。また、両部門の中でもっとも優れた作品が大賞に選出された。第19回以降は、大賞、優秀賞(佳作)のほか、一般から選ばれたモニター審査員が選ぶ読者賞が選出される。 第25回(2018年)を最後に、同じKADOKAWA主催の横溝正史ミステリ大賞と統合され、2019年度から新たに「横溝正史ミステリ&ホラー大賞」に衣替えされた。 大賞受賞作品は、角川書店より単行本として刊行され、読者賞受賞作品は、角川ホラー文庫より刊行される[1]。フジテレビによりテレビドラマ化、映画化・ビデオ化される場合もある。 回(年)応募総数賞受賞・候補作著者初刊文庫化
概要
選考委員
第1回:荒俣宏、遠藤周作、景山民夫、高橋克彦
第2回 - 第4回:荒俣宏、景山民夫、高橋克彦、林真理子
第5回 - 第16回:荒俣宏、高橋克彦、林真理子
第17回 - 第19回::荒俣宏、貴志祐介、高橋克彦、林真理子
第20回:荒俣宏、貴志祐介、高橋克彦、宮部みゆき
第21回 - 第25回:綾辻行人、貴志祐介、宮部みゆき
受賞作
第1回 - 第10回
第1回(1994年)867編大賞該当作なし
佳作「郵便屋」芹澤準[注 1]1994年8月
「HYBRID」[注 2]カシュウ・タツミ1994年4月
「蟲」坂東眞砂子1994年8月
候補「Discovered」角田玲
「曼陀羅華」小沢章友1996年12月[注 3]
第2回(1995年)長編部門 389編
短編部門 593編大賞「パラサイト・イヴ」瀬名秀明[注 4]1995年4月1996年12月
【長編部門】
長編賞該当作なし
候補「鬼がやってくる」山田有比呂
「遠い約束」土屋理敬
「脳の中の樹海」柳原慧
【短編部門】
短編賞「玩具修理者」小林泰三1996年4月1999年4月
候補「赤い羽根の秘密」倉阪鬼一郎
「サーディンズ(Sardines)」平井伸秀
「洗濯屋の夜の仕事」草原克芳
「ハナ」藤岡真
第3回(1996年)長編部門 183編
短編部門 462編大賞該当作なし
【長編部門】
長編賞該当作なし
佳作「ISORA」[注 5]貴志祐介[注 6]1999年12月1996年4月
候補「夢都伝説」妹尾俊之
「夏の想い出」小原夕奈
【短編部門】
短編賞該当作なし
佳作「ブルキナ・ファソの夜」櫻沢順[注 7]2002年1月
候補「生き写し」須藤洛夜
「夏のおもいで
ファイトム イン サマーパラダイス」長島槇子[注 8]
「ロシュフォールの箱」中澤健一
第4回(1997年)長編部門 271編
短編部門 573編大賞「黒い家」貴志祐介1997年6月1998年12月
【長編部門】
長編賞「レフトハンド」中井拓志1997年6月1998年12月
候補「祈り」柳原慧
【短編部門】
短編賞「D-ブリッジ・テープ」沙藤一樹1997年6月1998年12月
候補「黒く塗れ!」石田衣良
「メモリアル・オブ・昇降機」松尾智恵
「鹿尾菜」長島槇子
第5回(1998年)長編部門 229編
短編部門 483編大賞該当作なし
【長編部門】
長編賞該当作なし
候補「CENTURY OF THE DAMNED」戸梶圭太[注 9]2009年8月[注 10]
「夜に眠れぬ者たちへ」柳原慧
「バトル・ロワイアル」高見広春1999年4月[注 11]2002年8月[注 12]
「傀儡の悦び」保科昌彦