日本ファンタジーノベル大賞
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日本ファンタジーノベル大賞(にほんファンタジーノベルたいしょう)とは、未発表の創作ファンタジー小説を対象とした公募型の文学賞。プロ・アマを問わない。1989年創設。受賞作品は新潮社から刊行される。候補作には挙がったものの、恩田陸小野不由美高野史緒など入賞していない作品でも優れていれば刊行された。発表誌は『小説新潮』。大賞受賞作品が同誌に全文掲載されていたこともある。
歴史

1989年読売新聞東京本社三井不動産販売が、三井不動産販売の創業20周年を迎えた記念事業として始めた文学賞で、三井不動産販売は1998年まで主催した。バブル経済の好景気の末期でもあり、三井不動産販売が広告代理店各社に企画案を提出させ、その中から読売広告社のファンタジーをテーマにした文学賞という案を採用。文学賞のノウハウを持ち、受賞作の出版を行える出版社ということで、新潮社が後援として参加した。創設時の担当編集者には、大森望木村由花がいた。

三井不動産販売は10年で降板。有望な新人が発掘される成果があったため、このまま終わらせるのは惜しいと清水建設が主催を引き継ぐことになり、第11回から第25回まで清水建設と読売新聞社が主催した。

この間の大賞賞金は500万円。

第25回(2013年度)を機に一定の役割を終えたとして賞を休止した[1][2][3]

2017年になって主催者を一般財団法人新潮文芸振興会、後援を読売新聞社としてリニューアル再開した。大賞賞金は500万円から300万円に減額された。2017年度の名称は「日本ファンタジーノベル大賞2017」、翌年は「日本ファンタジーノベル大賞2018」と再開前までの回数は引き継がれていない[4][5]
受賞作のアニメ化

最初の2年は、日本テレビが協賛となり、三井不動産販売が番組スポンサーとなって受賞作をアニメ化。酒見賢一の『後宮小説』が1990年3月21日に『雲のように風のように』、鈴木光司の『楽園』が1991年6月16日に『満ちてくる時のむこうに』のタイトルで日本テレビ系で放送された。アニメの制作は、スタジオぴえろが行っている。
歴代選考委員

当初手塚治虫を含め6人の審査員で行われる予定であったが、手塚が死去したため、5人で審査する形になった。
第1回 - 第7回


荒俣宏安野光雅井上ひさし高橋源一郎矢川澄子

第8回 - 第10回


荒俣宏、安野光雄、井上ひさし、椎名誠、矢川澄子

第11回 - 第13回


荒俣宏、井上ひさし、椎名誠、鈴木光司、矢川澄子

第14回 - 第22回


荒俣宏、井上ひさし、小谷真理、椎名誠、鈴木光司

第23回 - 第25回


荒俣宏、小谷真理、椎名誠、鈴木光司、萩尾望都

2017-2020


恩田陸、萩尾望都、森見登美彦

2021-2023


恩田陸、森見登美彦、ヤマザキマリ

受賞作一覧

特記がなければ、初刊は新潮社、文庫は新潮文庫刊。
1989年 - 2013年

回(年)応募総数賞受賞・候補作著者初刊文庫化
第1回(1989年)835編大賞「
後宮小説酒見賢一1989年12月1993年4月
優秀賞「宇宙のみなもとの滝」山口泉1989年12月
候補「月のしずく100%ジュース」岡崎弘明1990年7月
「星虫 COSMIC BEETLE」岩本隆雄1990年7月
「三日月銀次郎が行く
イーハトーボの冒険編」武良竜彦1990年7月[注 1]
第2回(1990年)275編大賞該当作なし
優秀賞「楽園鈴木光司1990年12月1996年1月
「英雄ラファシ伝」岡崎弘明1990年12月
候補「ラスト・マジック」村上哲哉1990年12月
「日輪王伝説」原あやめ
「念術小僧」加藤正和1990年12月[注 2]
第3回(1991年)428編大賞「バルタザールの遍歴」佐藤亜紀1991年12月1994年12月
優秀賞「なんか島開拓誌」原岳人1991年12月
候補「リフレイン」沢村凜1992年2月2012年7月[注 3]
「天明童女」河合泰子2008年12月[注 4]
六番目の小夜子恩田陸1998年8月1992年7月
第4回(1992年)385編大賞該当作なし
優秀賞「昔、火星のあった場所」北野勇作1992年12月2001年5月[注 5]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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