日本の道路
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日本の道路(にほんのどうろ)では、日本における道路について述べる。
日本の道路と法律

日本の道路では、私道を除いて公共の営造物(公物)として地域住民と合意形成を得ながら、主に国や地方公共団体などが直接管理している[1]。そのため、一定水準の管理の下で道路を維持しつつ、広く提供(供用)される必要があり、そのための法律が定められている[1]。日本の道路の多くは道路法に基づいて管理されているが、その他にも農道や林道などでは別の法律に基づいている[1]

各関係法律別に、対応する道路をまとめると、下表のようになる。

法律道路の種類備考
道路法国道高速自動車国道一般国道)・都道府県道市町村道特別区道を含む。
都市計画法都市計画道路ただし、そのすべてが道路法による道路でもある。
道路運送法自動車道(一般自動車道・専用自動車道)
土地改良法・農用地開発公団法農道(農免道路・広域農道)
森林法・林業基本法・森林開発公団法林道
漁港漁場整備法(旧称・漁港法)漁港施設道路・漁免道路漁免道路は完成後、道路法上の道路となる。
港湾法臨港道路
鉱業法金属鉱山等保安規則による道路
自然公園法公園道・自然研究路・長距離歩道
都市公園法園路
国有財産法里道2005年4月1日までに、現に機能を有するものについては、市町村へ所有権を移転。
法律なし私道建築基準法第42条第1項第5号の規定による「位置指定道路」を含む。

道路交通法道路運送車両法による道路上の規定は、一般の交通の用に供される全ての道路について適用される。
日本の道路の分類

日本の道路網では、都市や拠点を結ぶネットワーク機能を有しており、都市間の道路では通行機能、都市内ではアクセス機能や滞留機能が求められている[2]。また、山地部の道路では勾配やカーブの半径を厳しくとる必要がある[2]。道路計画設計の基本においては、これら機能や地域特性に応じて代表的な指標を設けて、道路にいくつかの区分を設けている[2]。具体的には、ネットワーク機能は「道路の種類」で表現し、交通機能を「計画交通量」で表現し、地域特性を「都市部・地方部」、「平地部・山地部」で表現している[2]
管理主体による分類

国道

都道府県道

区市町村道

また、都道府県道と政令指定都市の市道には主要地方道に指定されている道路がある。
道路構造令による種級区分

道路構造令に基づいて、道路の規模により第1種から第4種に分類され、それぞれはさらに、計画交通量によって第1級から第5級に分類(交通量が少ないほど級の数字が増える)される。種の区分では、道路の種類として高速自動車国道や自動車専用道路と一般道路の別、都市部・地方部の別で区分している[2]。級区分は、道路の種類、平地部・山地部の別、計画交通量で区分している[2]。道路の建設を計画する際には、区間ごとにどれに分類するかを決定し、それに基づいて設計が行われる。

第1種:地方部の高速自動車国道及び自動車専用道路(平地部1 - 4級、山地部2 - 5級)

第2種:都市部の高速自動車国道及び自動車専用道路(1 - 2級)

第3種:地方部のその他の道路(平地部1 - 5級、山地部2 - 5級)

第4種:都市部のその他の道路(1 - 4級)

また、通行することのできる交通の種別による分類として、自動車専用道路自転車専用道路歩行者専用道路自転車歩行者専用道路という道路法の専用道路と、道路の一部分を区画して自動車の通行を制限している道路構造令上の歩道自転車道自転車歩行者道がある。
機能区分

主要幹線道路

幹線道路

補助幹線道路

その他の道路

接続制限による区分
自動車専用道路

自動車だけが走れるような構造になっている道路で、以下の条件を満たし道路管理者が法規に基づき指定を行ったものを自動車専用道路という。歩行者自転車などの通行は禁止される。
自動車だけの通行に限られること。

出入はインターチェンジに限られること。

往復車線が中央分離帯によって分離されていること。

他の道路、鉄道等との交差方式は立体交差であること。

自動車の高速通行に適した線形になっていること。

これらの道路には、高速自動車国道都市高速道路および上記の条件を満たす一般有料道路自動車専用道路が該当する。なお、これらの法規の適用を受けない例外的存在として、私道である宇部伊佐専用道路がある。

高速道路のうち、高速自動車国道および一般国道の自動車専用区間の一部は、主に東日本高速道路株式会社中日本高速道路株式会社西日本高速道路株式会社本州四国連絡高速道路株式会社が建設・管理を行う。

また都市高速道路とは、大都市圏およびその周辺地域でひとつのネットワークとして機能する自動車専用道路を指し、その事業主体は下記の都市高速道路会社や地方公社が中心となっている。

首都圏・阪神圏の都市高速道路である首都高速道路阪神高速道路は都府県道または市道であるが、国・地方自治体の設立・出資による特殊会社(首都高速道路株式会社阪神高速道路株式会社)がそれぞれ建設(一部、路線の存する都府県、市が施工する場合がある)・管理を行う。また国の認可を経て地方自治体が設立・出資する公社による都市高速道路を指定都市高速道路といい、名古屋、福岡・北九州、広島の3都市圏に整備されている。

なお、高速道路株式会社法2004年6月9日公布)において高速道路とは次のように定義されている。「この法律において「高速道路」とは、次に掲げる道路をいう。一 高速自動車国道法(昭和三十二年法律第七十九号)第四条第一項に規定する高速自動車国道二 道路法第四十八条の四に規定する自動車専用道路(同法第四十八条の二第二項の規定により道路の部分に指定を受けたものにあっては、当該指定を受けた道路の部分以外の道路の部分のうち国土交通省令で定めるものを含む。)並びにこれと同等の規格及び機能を有する道路(一般国道、都道府県道又は同法第七条第三項に規定する指定市の市道であるものに限る。以下「自動車専用道路等」と総称する。)」(平成16年6月9日法律第九十九号 高速道路株式会社法第二条第二項)
一般道路

上記の自動車専用道以外の道路を、通常「一般道」と呼んで区別している。
日本の道路の歴史「日本の道路年表」も参照高速道路については「日本の高速道路#歴史」を、国道については「国道#国道の歴史」を参照
古代

考古学的な発見にもとづく歴史では、日本列島では、縄文人縄文時代前期中頃から中期末葉(今から約5900-4200年前)の遺跡である三内丸山遺跡に幅12メートルの舗装された道路があったことが、2000年に発見された[3]

日本の土木工学の専門家は、古代の人々が農耕を始めて定住した場所には、集落間での交易が始まって往来が頻繁になり、多くの人が歩いた結果、自然発生的に踏み分けられた原始的な道ができたといわれている[4]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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