日本の排他的経済水域
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日本の排他的経済水域の地図(2016年)

日本の排他的経済水域(にほんのはいたてきけいざいすいいき)では、海洋法に関する国際連合条約の関連規定に基づいて、日本が保有する排他的経済水域(EEZ)について記述する。
背景

18世紀オランダ人法学者であるCornelius van Bynkershoekは、著書『De dominio maris』(1702年)において、当時の軍艦が備える大砲の砲弾が届く範囲内の海域の支配権は、その沿岸国が保有すると主張した。この着弾距離説は各国で支持され、海岸線から3海里領海とする考えが確立された。

20世紀に入り、領海の範囲を延長する例や、領海を超えた海域についても領海に準じる権利を主張する国家が現れた。そして1967年の第二次国連海洋法会議では、マルタ共和国の国際連合特命全権大使のパルドーがこれらの主張に対応した提案を行なった。だが、先進遠洋漁業国である日本は「広い公海、狭い領海」が国益に合致する為、反対の姿勢を示していた。

しかし設定しない事で、近隣の大韓民国朝鮮民主主義人民共和国中華人民共和国ソビエト社会主義共和国連邦が沖合漁業に進出して、鳥取県島根県日本海沖合で漁業操業するようになり、結果的に日本の不利益になる事態を引き起こす結果となった[1][注 1]。その為、1982年にジャマイカモンテゴ・ベイで開催された第3次国際連合海洋法会議において、海洋法に関する国際連合条約(国際連合海洋法条約)が作成され、1994年に発効された。

同条約により、自国の海岸線から200海里範囲内の水産資源、および鉱物資源などの非生物資源の探査と開発に関する権利を取得し、同時に資源の管理や海洋汚染防止の義務を負うことになった。

日本国政府は1983年に同条約に署名し、1996年に国会において批准された。
水域日本の排他的経済水域
.mw-parser-output .legend{page-break-inside:avoid;break-inside:avoid-column}.mw-parser-output .legend-color{display:inline-block;min-width:1.5em;height:1.5em;margin:1px 0;text-align:center;border:1px solid black;background-color:transparent;color:black}.mw-parser-output .legend-text{}  日本単独のEEZ
  韓国との共同開発区域
  周辺国との係争区域日本近海海底地形図と日本列島

日本の領土面積は約38万km2で、世界第61位に位置するが、領海を含むEEZの総面積は世界6位[2]となる。水域面積は広大で、領海(含:内水面)とEEZを合わせて約447万km2[3]で@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}世界で第8位である[要出典]。[4][5]

2012年3月、総理大臣官邸総合海洋政策本部において、日本の排他的経済水域の外縁を根拠づける離島39島の、地図および海図に記載される名称が決定された[6]
地理

日本単独のEEZ[4]範囲[km2][mi2]ノート
南鳥島428,875165,590
南方諸島862,782333,122
太平洋(日本)1,162,334448,780
琉球諸島1,394,676538,487
日本海630,721243,523
大東諸島4417
尖閣諸島72.7
オホーツク海23591
合計4,479,674[7]1,729,612国連CLCS含まれる



係争水域
北方領土周辺

北海道の東北、千島列島南部に位置する北方領土日露和親条約により日本の領土に編入されたが、第二次世界大戦時ソビエト連邦ヤルタ会談の密約に基づき、日ソ中立条約を一方的に破棄し、これらの島々を占領したためロシアにより実効支配がなされており、日本側は領有権を主張している。北方領土を構成する歯舞諸島色丹島国後島択捉島周辺のEEZは北方領土同様にロシアにより管理されている。日本およびロシア政府は1998年に領土問題とは別に日本漁船の安全操業枠組み協定に調印し、北方領土周辺における漁獲量を毎年交渉で決定している。海域においてはスケトウダラホッケタコなどについて毎年2000トン程度の漁獲量が設定され、北海道の漁業団体からその見返りとして約2000万円の協力金および約2000万円相当の機材がロシア側に供与されている。
竹島周辺

韓国鬱陵島の東方、日本の隠岐諸島の北方に位置する島根県竹島は1905年に国際法にのっとり、日本の領土として島根県に編入されたが、韓国が一方的に主張する日韓国境線(通称:李承晩ライン)に基づき1952年に韓国軍により占領され、現在も同国に実効支配がなされ警備隊が常駐している。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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