この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。
日本の公務員(にほんのこうむいん)は、日本国憲法に規定されている。日本国政府および行政執行法人に属する公務員を国家公務員、地方公共団体に属する公務員を地方公務員という。それぞれ国家公務員法、地方公務員法等により任用され、労働契約法は適用されない[注 1]。
日本においては、国ないしは地方公共団体の職に現にある者すべてを言う。その者の職の選任方法の如何を問わず、また職が立法、司法、行政のいずれの部門に属しているかも問わない。保護司や消防団員のような、ボランティア的要素を持つ非常勤の、また公立図書館やハローワークの一般職員のような非正規雇用の公務員も存在している[1]。 労働契約法のほか、以下の法は適用除外となっている。
適用除外
国家公務員一般職(一般職)[2]
労働組合法、労働関係調整法、労働基準法、船員法、最低賃金法、じん肺法、労働安全衛生法、船員災害防止活動の促進に関する法律
地方公務員
労働組合法、労働関係調整法、最低賃金法 のすべて。労働安全衛生法第二章(労働災害防止計画)、船員災害防止活動の促進に関する法律
日本の公務員数は、全雇用者の5.8%に過ぎず主要国中最低である(米国は15.1%、フランスは21.9%、ドイツは10.4%など)[4]。上位は大きな政府志向の北欧諸国がOECD加盟国のトップ4を独占している。
一方で公務員一人当たり人件費に換算すると、OECD加盟国における調査対象の15ヶ国のうち最高の水準である[5][6][7]。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}近年[いつ?]の日本のジャーナリズム・国民世論においては、一般に公務員の勤務条件の引き下げ、員数の削減、倫理意識及び服務規律の強化を求める意見が支配的である。とくに幹部職員が退職後に、所属官庁の関係する企業や政府関係機関に再就職するいわゆる「天下り」の慣行は強い批判にさらされている。このような背景のもと、中央政府においては2006年(平成18年)の第1次安倍内閣(安倍晋三首相)以降、公務員制度改革担当大臣が常置され、2008年(平成20年)6月には国家公務員制度改革基本法が成立するなど、公務員制度改革が重点的な政策課題として取り組まれている。 日本国憲法のもとでは、公務員は日本国憲法第15条第2項に基づき、国民全体への奉仕者であって、一部への奉仕者ではないとされている。また、第99条(第10章最高法規)に基づき、「憲法を尊重し擁護する義務」を負う。 なお、日本国憲法第15条第1項では「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。」と規定されているが、これは「あらゆる公務員の終局的任免権」が国民にあるという国民主権の原理を表明したものである。 公務員は法令を遵守するとともに、上司の職務上の命令には“重大かつ明白な瑕疵”(=明らかに違法な点)がある場合を除いて、忠実に従う義務を有する(国家公務員法第98条、地方公務員法第32条)。 日本の公務員は、勤務する機関の違いによって次の2つに大別される。 国家公務員と地方公務員のそれぞれの職は、主に任用制度上の違いや職務内容の種別から、次の2つに大別される。 自衛官を除けば、就職から定年まで公務員として過ごす職業公務員の大半は一般職であり、単に「公務員」と言う場合は、一般職のみを含意している場合も少なくない。 また、一般職は現在、国家公務員であれば一般職の職員の給与に関する法律(一般職給与法)第6条の規定により、また地方公務員であれば多くの場合、一般職給与法に準じて制定された条例の規定により、職務の種別に応じて体系の異なる俸給表に基づく給与を支給されるが、この俸給表の種別が一般職を細分類する種目としてしばしば用いられる。
日本国憲法の規定
公務員の種類
国家公務員と地方公務員
国家公務員
国の各機関の職員、行政執行法人の役員及び職員。約60万人で、このうち約24万人を自衛官が占める。
地方公務員
地方公共団体の職員、特定地方独立行政法人の役員及び職員。約295万人。
公務員の種別
一般職
公務員の職のうち、採用試験により任じられるもの。ただし自衛官など試験で任用される特別職もある。
特別職
公務員の職のうち、選挙によって就任する職(国会議員、地方公共団体の長、地方議会議員など)、任命権者の裁量により政治的に任命することが適当とされている職(国務大臣、副大臣、内閣法制局長官など)、任命に国会・地方議会の議決もしくは同意が必要とされている職(人事官、検査官、副知事、副市町村長など)、権力分立の原則に基づき内閣の監督から除かれるべき立法や司法の各部門における職(裁判官、裁判所職員、国会職員)、職務の性質から特別の取り扱いが適当な職(宮内庁の幹部職員、防衛省の職員など)の職、内閣総理大臣や国務大臣が設置する公設な諮問会議の委員、地方自治法に基づく審議会の委員、首長が設置する委員会の委員などをいう。これらの服務等に関する条件は、原則として国家公務員法または地方公務員法の規定が適用されず、個別に取り扱いが決められている。特別職(約30万人)の大半は自衛官(約24万人)で、次に多いのが裁判所職員(約2.2万人)である。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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