日本のアーケード商店街
[Wikipedia|▼Menu]
ガレリア竹町(大分県大分市)
日本最大の断面を有するアーケード商店街

日本のアーケード商店街(にほんのアーケードしょうてんがい)では、日本における全蓋式アーケードを備えた商店街について解説する。
特徴

日本のアーケードは、地域の特性に応じた役割を果たすために設けられてきた。近代以降、このような伝統的なアーケードを源流に、西洋のアーケードの影響を受けて、現在のアーケードが成立したものと考えられる。都市計画学のバリー・シェルトンは、日本のアーケード商店街と入り口にあるゲートの関係と、神社の鳥居を中心とした参道の共通性について指摘している[1]

街路を基準として町を構成する欧米と異なり、日本の商店街は互いに独立した営業者が、それぞれの決定によって建物を建てて構成されている。中にはファサードを持つ大型店舗が含まれる場合もあるが、商店街全体が同じ意図のもとに建築される例は少ない。そのため、ファサードの延長によって構成される西欧のアーケードと表面的には似ているが、日本のアーケードは並びの建物とは独立したひとつの建築物となっている。西欧建築の審美基準に照らせば、日本のアーケード街は美的とは言えないものの、外気に開放された構造は日本の気候に適応しており、車の乗り入れや構造材に広告を取り付けやすいなどの実用性が高く、建物の建て替えに対してフレキシブルな特徴がある[1]
構成要素

日本のアーケード街を構成する要素には以下のようなものがある。

庇下 - 道路に庇を延長した形状の片側式アーケード。町並みの景観を整備するために、江戸時代に江戸の町屋の前面に設けられた半私半公の空間で、幕末には商業空間としても利用されるようになった。

雁木造 - 東北や北陸等の雪国の商店街等で、店の建物の軒下を連ねて積雪時の通路としたもの。

共同日覆い - 道路全面に屋根があるアーケード。店舗・歩行者とも降水の影響を受けにくいことから「全天候型アーケード」とも呼ばれる。日差しの強い西日本(特に瀬戸内沿岸)で昭和初期頃から、食品の保護と商品の日焼け防止のために設けられた。

歴史

日本で初めてアーケードと名付けられたのは、1922年にオープンした帝国ホテルのライト館一階に設けられたインペリアル・アーケード(現・帝国ホテルアーケード)で、当時は外国人客向けの店が多く出店していた[2][3]大分県別府市には、帝国ホテルの前年の1921年(大正10年)12月1日に完成した、商店街を被う木造ガラス張りの竹瓦小路アーケードが現存しているが、アーケードという名称が使用されるのは後年になってからである[3]。なお、竹瓦小路アーケードは「別府温泉関連遺産」として、2009年(平成21年)2月6日に近代化産業遺産に認定されている。日本で初めてドーム型アーケードが取り付けられた商店街では、1976年(昭和51年)の福岡県飯塚市の本町商店街が初である。
各地のアーケード商店街.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィキメディア・コモンズには、日本のアーケード商店街に関連するカテゴリがあります。
北海道・東北

北海道
札幌市 札幌狸小路商店街函館市 駅前通・大門アーケード - 2015年7?8月に撤去。小樽市 小樽サンモール一番街、小樽都通り商店街室蘭市 浜町アーケード街 - 2008年9月に撤去。旭川市 平和通買物公園 - 1986年12月?1989年に撤去。釧路市 鉄北ショッピングセンター北見市 北見市中心商店街・銀座商店街・サンロード岩見沢市網走市 中央商店街留萌市 駅前大通商店街 - 2014年10月に撤去。苫小牧市 一条銀座ストリート- 2005年6?7月に撤去。大町銀座ストリートは存続。稚内市 稚内中央アーケード商店街江別市 中央通銀座商店街 - (時期不明)撤去。東町ニュープラザ商店街 - 2015年6月に撤去。帯広市 タウン8広小路商店街紋別市 紋別はまなす通り商店街 - (時期不明)撤去。名寄市 名寄駅前商店街根室市 緑町商店街 - 1998年に撤去。千歳市 ニューサンロード商店街 - 2006年11月に撤去。滝川市 ベルロード深川市 深川市商店街 - (時期不明)撤去。富良野市 五条商店街 - (時期不明)撤去。恵庭市 恵み野アーケード街

青森県
黒石市 中町こみせ通り

岩手県
盛岡市 肴町商店街花巻市 上町商店街北上市 本通り商店街 - 2013年から2014年にかけて撤去。奥州市 水沢駅通り商店街

宮城県
仙台市 一番町 - 一番町一番街、一番町四丁目など仙台市 仙台中央商店街 - クリスロード、ハピナ名掛丁など

秋田県
秋田市 秋田駅前アゴラ広場

福島県
郡山市 駅前アーケード商店街
関東宮下銀座商店街(水戸市)

茨城県
水戸市 宮下銀座商店街土浦市 土浦名店街

栃木県
宇都宮市 オリオン通り商店街日光市 アスパ(フラワーズプラザ)商店街

群馬県
前橋市 中央通り商店街前橋市 弁天通商店街前橋市 オリオン通り商店街高崎市 中央銀座商店街

埼玉県
さいたま市大宮区 大宮一番街さいたま市大宮区 すずらん通り

千葉県
千葉市中央区 ハミングロード(栄町通り商店街) - 2010年に撤去。千葉市中央区 C-one千葉市中央区 本千葉ビル(2009年解体)銚子市 銚子駅前通りシンボルロード(駅前商店街)木更津市 富士見通り商店街(旧そごうの前)柏市 二番街

東京都
千代田区 マイウェイ1,2商店街(秋葉原台東区 浅草新仲見世商店街台東区 浅草観音通り商店街台東区 浅草ひさご通り商店街台東区 浅草すし屋通り商店街台東区 浅草西参道商店街台東区 佐竹商店街台東区 いろは会商店街- 2018年に撤去品川区 武蔵小山商店街パルム品川区 中延スキップロード商店街品川区 立会川西商店街品川区 西小山東口商店街大田区 蒲田西口商店街大田区 京急蒲田商店街 - 愛称「京急あすと」大田区 大森銀座商店街 - 愛称「ミルパ」大田区 雑色商店街中野区 中野サンモール商店街中野区 野方商店街杉並区 高円寺パル商店街杉並区 阿佐谷パールセンター杉並区 阿佐谷北口アーケード杉並区 西荻南口仲通り商店街豊島区 すずらん通り商店街北区 赤羽スズラン通り商店街 - 愛称「LaLaガーデン」北区 十条銀座商店街荒川区 ジョイフル三ノ輪商店街足立区 東和銀座商店街 - 愛称「アモール東和」(※屋根はフレームのみ)板橋区 ハッピーロード大山葛飾区 新小岩ルミエール商店街葛飾区 金町すずらん商店街 - 愛称「ベルシティ」(※現在ではアーケード街は解体されて無くなっている)葛飾区 立石駅前通り葛飾区 立石仲見世商店街葛飾区 ゆうろーど仲町商店街武蔵野市 吉祥寺サンロード商店街武蔵野市 吉祥寺ダイヤ街町田市 町田仲見世商店街港区 麻布十番 - 1991年に撤去。

神奈川県
横浜市 上大岡中央商店街横浜市 横浜橋通商店街横浜市 横浜駅名品街 - 1956年?1971年。相鉄ジョイナスの前身。相模鉄道の横浜駅西口開発計画により建設された。横浜市 弘明寺商店街横浜市 六角橋商店街横浜市 レアールつくの横浜市 池畔商店街横浜市 笹山アーケード商店街横浜市 浜マーケット川崎市 川崎銀柳街川崎市 川崎銀座街川崎市 武蔵新城あいもーる横須賀市 衣笠仲通り商店街横須賀市 黒船仲通り商店街相模原市 西門商店街


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:58 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef