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日本たばこ産業株式会社
JAPAN TOBACCO INC.
種類株式会社
日本たばこ産業株式会社法に基づく特殊会社
機関設計監査役会設置会社[1]
市場情報東証プライム 2914
日本たばこ産業株式会社(にほんたばこさんぎょう、英文社名:JAPAN TOBACCO INC.、略称:JT)は、日本の食料品製造会社。たばこをはじめとし、医薬品、加工食品などを製造している。日本たばこ産業株式会社法(JT法)に基づき、日本専売公社の事業を引き継ぎ、1985年(昭和60年)に特殊会社として設立された。
財務省所管。日経平均株価およびTOPIX Large70の構成銘柄の一つ[2][3]。M&Aなどにより、たばこ事業を世界展開しており、企業別の世界シェアは2018年時点で第4位(8.4%)であった[注釈 4]。2020年の売上高は2兆926億円である[5]。海外に主力を置いているため、売上の6割は海外事業であり、タバコ関連企業では世界第3位の規模となっている[6]。
会社概要日本専売公社時代のホーロー看板
前身の日本専売公社から1985年(昭和60年)4月1日に業務を承継している。特別法『日本たばこ産業株式会社法』による特殊会社である。同法には、全株式のうち3分の1以上の株式は日本国政府(財務省)が保有しなければならないと規定されている。たばこ事業法により、日本産の葉タバコの全量買取契約が義務付けられている。一方で、煙草製造の独占権が認められている。同法の効力により国内で唯一、たばこの製造を業として行っており、日本におけるたばこの市場占有率は約60%である。他には、医療器具や医科向け医薬品、加工食品、調味料などの製造も手がける。売上高の87%が煙草である(2018年実績。うち国内分は28%)。
世界戦略にも積極的であり、1999年(平成11年)にR.J.レイノルズ・タバコ・カンパニーの子会社であるRJRインターナショナルを買収しJTインターナショナルを設立した。JTインターナショナルを含めた販売シェアは世界第4位である。2007年(平成19年)に英ギャラハーを買収して世界2位のブリティッシュ・アメリカン・タバコに迫った。最近はJTの収益は国内消費の低下を海外消費の上昇で補っている面がある(2010年実績にて売上構成比の45.8%)。
JTの2018年の売上高(たばこ税及びその他の代理取引取扱高を除く)は2兆2160億円で、その構成比は、国内たばこ28.0%、海外たばこ59.2%、医療事業5.1%、食料事業7.3%となっている[7]。2018年の経常利益は5315億円で、国内企業ランキング18位の位置にある。国内株式時価総額ランキングは19位である。
多角化事業として、2001年までファストフードチェーン「バーガーキング」[注釈 5]を展開していたことがあったが、ロッテリアやファーストキッチンに譲渡した。1988年に飲料事業に参入し、ユニマットコーポレーション[注釈 6]を買収した[8]。清涼飲料水「桃の天然水」や缶コーヒー「ルーツ」などのヒット商品を生み出してきた[8]。コンビニや量販店と厳しい競争の末、2015年に撤退した[8]。子会社となっていたジャパンビバレッジホールディングスの株式もサントリー食品インターナショナルに譲渡された。また、1990年にはチューインガムの製造・販売にも参入した(後述)が、こちらも1年ほどで撤退している。