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旅客機(りょかくき、りょかっき[注 1])とは、主に旅客を輸送するために製作された民間用飛行機(民間機)である。個人・官庁所有の小型飛行機や企業が使用するビジネスジェットなどは含まない。貨物の輸送が主用途である貨物機とは一般に区別されるが、貨客混載で運用されるコンビネーション[注 2](コンビ)や、旅客輸送仕様と貨物輸送仕様とを切り替えられるコンバーチブル[注 3] などとの違いは曖昧な面もある。民間の貨物輸送機は旅客機を元に派生設計され、製造されたものも多い。 旅客機は航空機メーカーが製造し、航空会社が乗客や貨物を乗せて運航する。航空会社は乗客が支払う運賃が主な収入である[注 4]。旅客機の運航形態には、あらかじめ決められた時刻表に従って航空会社により定期的に運航される定期便のほかに、不定期に運航されるチャーター便がある。21世紀現在では旅客だけを輸送し、貨物を輸送しない旅客機は存在しない[1]。 旅客機は鉄道や自動車、船より速く移動でき、海や高山といった地表の地形障害を容易に越えることができる。このため外国と往来する国際線だけでなく、国内の地域間[注 5]を結ぶ国内線も多数運航されている(詳細は「航空会社」の項を参照)。国際航空運送協会(IATA)によると、国際線と国内線を合わせた世界の航空旅客は2017年に延べ約41億人と、史上初めて40億人を突破した[2]。 ライト兄弟が人類初の動力飛行に成功したのは1903年12月17日である。最初の頃の飛行は冒険に近く、一般の人の旅行に使われるレベルではなかった。航空機の信頼性がある程度向上し、旅客機となるのは第一次世界大戦後のことである。 旅客機の歴史が始まったのは、第一次世界大戦後の1919年の欧州からである。大幅な軍縮によって軍務から退いた飛行士や民間へ販売されたプロペラ式の軍用機によって旅客輸送事業は始まった。爆撃機や偵察機を改造した機体によって乗客や郵便物などの荷物を運んだ。英国やフランス製の機体は木製骨組みに羽布張りの複葉機が主体であり[注 6]、ドイツ[注 7] やオランダの機体は片持翼による単葉機で、世界中に輸出された[注 8]。
概説
歴史
命がけの乗り物 : 黎明期
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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