方言_(辞典)
[Wikipedia|▼Menu]

『方言』(ほうげん)は、中国方言辞典。揚雄の著とされる。『揚子方言』(ようしほうげん)・『別国方言』(べっこくほうげん)とも呼ぶ。正式名称は『?軒使者絶代語釈別国方言』(ゆうけんししゃ ぜつだいごしゃく べっこくほうげん)。
内容

現行の『方言』は全13巻で、東晋郭璞が注をつけた本が行われている。本文の体裁は『爾雅』に似ており、同義語をひとつにまとめ、広い地域で行われている語を最後に置いている。その後にそれぞれの語がどこの方言であるかを説明している。たとえば巻一冒頭は黨・暁・哲、知也。楚謂之「黨」、或曰「暁」。斉・宋之間謂之「哲」。

となっているが、これは知ることを「知」というのが一般的な語で、では「黨」または「暁」、では「哲」という、という意味である。

各巻は『爾雅』のようにはっきりとは分類されていない。巻によっては異なる形式で説明をしている。どこの方言か書いていない語も多い。

郭璞の注は郭璞当時の方言と比較しており、晋代の方言について知る上の貴重な資料となっている。

『方言』にならって作られた書物に杭世駿『続方言』、章炳麟『新方言』などがある。
作者

『方言』について言及している最古の書物は応劭の『風俗通』序で、揚雄が27年かけて作ったとしている。応劭はまた『漢書』司馬遷伝の注でも『方言』を引用し、作者を揚雄としている。

揚雄作者説には異論もある。『漢書』の揚雄伝や芸文志に『方言』についての記載がないのがその根拠で、南宋洪邁は漢魏の際の作としている[1]周祖謨は、揚雄が作者であるともそうでないとも断定できないとしながら、『説文解字』と共通の内容が多く見えることから、『方言』のもとになった書物が1世紀にはすでにあったとしている[2]

現行『方言』の巻末には劉?と揚雄の間の書簡が附属しており、そこで揚雄は『方言』(書簡では『殊言』と呼ばれている)はまだ完成していないので見せることはできないと断っている。この書簡を真作とするならば、『方言』は長い間未完成であったために知られなかったということになる。

揚雄の書簡や郭璞の注では『方言』が15巻であったことがわかるが、現行本は13巻である。また、『風俗通』序では『方言』について「凡九千字」と記しているが、現行の『方言』はそれより大きく(戴震によると11900字)、応劭以降に増補が行なわれたことが明かである。
研究

朝には戴震の『方言疏証』や盧文?の校正をはじめとする研究が行われた。周祖謨『方言校箋』(1951)は伝統的な研究を集大成して校勘を行ったものである。

『方言』に関する近代的な研究を行ったのは林語堂で、その「前漢方音区域考」(『語言学論叢』(1933) 所収、もと厦門大学国学研究院季刊の創刊号に載る予定だったが, この雑誌は発行されなかった)において、方言に載っているさまざまな地名が15の地域に分かれることを示し、その特徴を考察した[3]パウル・セロイスは『方言』を使って言語地理学的な研究を行った。
テキスト.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}中国語版ウィキソースに本記事に関連した原文があります。方言

現存する最古の本は北京図書館蔵の南宋慶元庚申(1200年)李孟伝刻本であり、現在出版されているものは多くこの本を元にしているが、必ずしももとの本に忠実でない。佐藤進『宋刊方言四種影印集成』[4]は、4種類の本を対照影印した本である。
脚注^ 洪邁『容斎随筆』容斎三筆・巻十五・別国方言
^ 周祖謨『方言校箋』序
^ 林語堂による方言区域の概要は以下を参照:王育徳「中国の方言」『中国文化叢書1 言語』大修館書店、1967年、410-412頁。 
^ 平成9-11年度科学研究費基盤(A)(課題番号09301022)研究成果報告書、科学研究費補助金(基盤研究A)研究成果報告書第2分冊、中国における言語地理と人文・自然地理、青山学院大学経済学部1998










漢語辞書
前近代

字典

説文解字

玉篇

干禄字書

類篇

龍龕手鑑

五音篇海

字彙

字彙補

正字通

康熙字典

新撰字鏡

類聚名義抄

異体字弁

和字正俗通

訓詁

爾雅

小爾雅

広雅

?雅

方言

釈名

韻書

切韻

唐韻

広韻

集韻

礼部韻略

五音集韻

平水韻

古今韻会挙要

蒙古字韻

中原音韻

洪武正韻

戚林八音(中国語版)

佩文韻府

分韻撮要


近現代

字典

宋元以来俗字譜

新華字典

中華大字典(中国語版)

漢語大字典

中華字海

辞書

辞源

辞海

現代漢語詞典

漢語大詞典(中国語版)

現代漢語規範詞典(中国語版)

新華詞典(中国語版)

教育部国語辞典

国語活用辞典(中国語版)

大漢和辞典


逸書



字林

捜真玉鏡

川篇

余文



記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:10 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef