新聞販売店
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東海道五十三次関宿の新聞販売店地方では2紙以上の新聞を扱う販売店も多い。また、写真のように旧題字の看板を掲示する販売店も存在する

新聞販売店(しんぶんはんばいてん)とは、各世帯と紙の新聞の宅配契約を結び宅配、集金をする店(営業所)のことである。新聞社とは別の会社によるものであり、新聞社との契約によって販売事業を行っている。新聞屋とも言われるが反社会的勢力の新聞屋とは異なるものである[1]

日本の新聞戸別宅配制度を維持するシステムとなっており、日本の高い新聞購読率は新聞販売店が支えている。2022年10月時点で全国に13,773軒の販売店があり[2]、10年前と比較すると4,594軒減少している。

新聞販売店は、特定の新聞社の新聞のみを扱う「専売店」、特定の新聞社の系統に属しながら他紙も扱う「複合店」、その地域の全ての新聞を扱う「合売店」の3種類に分けられる。都市部では専売店が多いが、新興住宅地地方では複合店も多く、人口の少ない地域では合売店が多い。また、専売店は他紙販売店の廃業などにより、他社からの業務委託を受けて複合店に変わることがある。

販売店では店頭などで新聞を一部のみ購入することや、新聞社が刊行している書籍雑誌を注文することができる場合もある。さらに販売店によっては食品の販売・宅配など、独自の購読者向けサービスを実施している場合がある。
新聞販売店の愛称

読売新聞販売店・YC
東大阪市徳庵販売所)朝日新聞販売店・ASA
大阪市鶴見区・あさひやまもと)朝日新聞販売店・ASA姪浜
福岡市西区・朝日新聞博多販売)毎日新聞販売店・毎日ニュースポート
(東大阪市・徳庵販売所) 西日本新聞エリアセンター福重
(福岡市西区)

全国紙

読売新聞 YC(Yomiuri Center=読売センターの略)[注 1]

朝日新聞 ASA(Asahi Shimbun Service Anchor=朝日新聞サービスアンカーの略)

毎日新聞 毎日ニュースポート[注 2]

日本経済新聞 NSN(News Service NIKKEIの略)

産経新聞 産経新聞販売店

ブロック紙・地方紙

西日本新聞 西日本新聞エリアセンター

中日新聞 中日新聞専売店

東京新聞 東京新聞専売所

中国新聞 中国新聞販売所
上記以外の地方紙の多くは、地方紙専売所が少ないため、全国紙、ないしはブロック紙に宅配を委託する場合も多い。「地方紙#全国紙との関係」も参照
従業員数

業界全体では2023年10月時点で220,457人の従業員が居る。うち新聞少年(中学生及び高校生)は、466人[3]
収益

新聞販売店は、新聞社との契約により販売の拡張と購読者の管理および集金業務を行うのが主業務である。新聞購読料と折り込みチラシの売り上げが主な収入源であり、これに付随して本社から支給される様々な補助費も加算される。

全国の販売店合計で年間約1兆7500億円が売り上げて本社へ納められており、この内、合計約6500億円が配達手数料として、更に約1500億円が販売促進費として本社から販売店へ還元される仕組みとなっている。全体から占める販売経費の比率からすれば、販売コストの高い業種でもある[4]
補助金

販売店と本社の営業担当者との取り決めにより担当地域の世帯数から算出した基数が設定され、これを基にして補助金や奨励金などが決まる。金額は、自販売店の扱う銘柄の購読者が世帯数に占める割合が多いほど高額となる。

補助金の内訳としては他にも従業員の厚生費の補助や新聞拡張団を入れるための補助など非常に多岐に渡る項目があり、販売店の経営者ですら掌握しきれない場合もあるほど分かりづらい構造となっている[5]。また補助金の内訳は本社販売担当者の裁量下にあるため、新聞社としての明確な規定はないとされる[6]
主要新聞の販売店の分布・特徴
読売新聞


読売新聞は日本一の部数を誇る全国紙で、全国紙では一番多く地方の町村まで専売店網が存在する。

他紙を取り扱う複合店は少ない。

朝日新聞・毎日新聞


読売新聞と同じく部数の多い全国紙であるが、読売新聞よりは専売店や複合店は少ない。

地方紙や日本経済新聞や産経新聞を取り扱う複合店が多く存在する。

日本経済新聞


全国紙の中では非常に専売店は少ない。東京都、大阪府以外の都道府県では事業所の多い県庁所在地等の主要都市に存在するのみである。

日本経済新聞社の支社ビル内に専売店を設けている場合も多い。

産経新聞


全国紙であるが、発行部数の約5割が関西、2割が関東と偏っている為、専売店も関西と関東に集中している。その他の地域は主要都市の一部に存在する程度である。更に北海道と九州は専売店が存在せず、中部も長野県と静岡県の一部に存在するのみである。

部数の少ない小規模店が多く、看板を掲げていない店も存在する。

地方新聞


首都圏や関西圏を除く地域では、全国紙よりブロック紙や県域紙等の地方紙のシェアが圧倒的に高く専売店も多数存在する。また、全国紙との複合店も多く存在する。

又、
神奈川新聞埼玉新聞千葉日報等の首都圏の県域紙や、部数の少ない地方紙は専売店を持っておらず他紙の販売店に委託している。

その他の新聞


スポーツ紙や専門紙は、基本的に専売店を持たず、系列の新聞販売店で取り扱う。

官報は、県庁所在地等の大都市に専売所を持っている

聖教新聞赤旗は、機関紙であるが、独自の専売所を持っている。

地域的な特徴

福島県関東地方静岡県では基本的に地元紙を全国紙の専売店に委託販売するのが主流であり、一部を除き地元紙専門の専売店が存在しない。

沖縄県では日本経済を除く全国紙や専門紙は1日遅れで(本州版が空輸)配達される他、地元紙の専売店とは別の全国紙専門の合売店が販売を行っている。

問題点.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

この節には独自研究が含まれているおそれがあります。問題箇所を検証出典を追加して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2013年5月)

拡張団詳細は「新聞拡張団」を参照

新聞宅配契約は販売店が独自に行う場合と「拡張団」または「団」と呼ばれるセールスマンが行う場合がある。拡張団は販売店とは異なる独立した存在で、取り付けた定期購読契約を販売店に買い取ってもらうことで利益を得る。しばしば拡張団の暴力的な勧誘が問題視される。

新聞販売店にとっては、地元に根ざしているために強引な勧誘がやり辛い身内の社員よりもよそから来た拡張団の営業力に頼らざるを得ない面もある。これは後述するノルマ達成と現状維持のためという面が大きく、部数の逼迫した状況では社員よりも遥かに高額のカード料(新聞契約カードと引き替えに拡張団へ支払う報酬)を負担して拡張団に頼る事になる。しかし、そのような状況下で強引に契約を行った購読者は以下の理由により将来的に購読者として定着することは少ない。

高額な拡材(新聞宅配契約と引き替えに購読者へ渡すサービス品)目当てで契約した。

強引さに押されて渋々契約した。

騙されて契約した(いつでも購読を止められる、後からいくらでも拡材を持ってくるなど)。

拡張団が全額または一部購読料を負担する、無料だからと言われて契約した。

連日に渡り拡張団の営業力に依存して部数を維持しても、それは高いコストを掛けた見かけ上の部数維持にしかならない。しかし、販売店としては部数の低下を防ぐために拡張団に頼り続けるという悪循環になっている。

また、販売店が受け持った地域の購読者が拡張団が提示する好条件の契約に慣れてくると販売店の社員では対応していくのが困難となってしまい、購読者にとっては都合が良くとも販売店にとっては経営維持が苦しい状況となる。


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