新聞拡張団
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新聞拡張団(しんぶんかくちょうだん)とは日本新聞販売において、新聞社新聞販売店とは別の組織で新聞の訪問勧誘を行う団体[1]。新聞拡販団とも呼ばれる[1]目次

1 概要

2 新聞拡張団の問題行為

3 過酷な団員の管理

4 用語

5 背景

6 勧誘の手口

6.1 訪問目的の秘匿

6.2 違法な景品の提供

6.3 長期契約の強要や解約時の景品返却要求

6.4 長時間の居座り

6.5 嘘の説明や同意を得ない契約書の作成


7 トラブルに巻き込まれる住人の傾向

8 対策

8.1 登録制度の導入

8.2 法人化の流れ

8.3 国民生活センターの要望


9 参考文献

10 出典

11 関連項目

12 外部リンク

概要

新聞社や新聞販売店とは独立した組織である[1]。通常、団長と呼ばれる人物が団員を統率し新聞販売店から委託を受けて新聞購読契約の勧誘のために地域住民宅を訪問する。契約を取った数に応じて新聞販売店から報酬を受け取る[1]。新聞社から委託を受けている場合もあるが[1][2]、多くの場合契約勧誘を行う新聞はその時その時の契約によって変わる[2]

強引な契約方法や、解約を巡るトラブルが多数発生している[1][3]。過去には少女売春やピストルの密輸にまで手を出す新聞拡張団もあったり[4][5]、新聞契約を断った会社員を絞殺して現金を奪うような事件も起きているが[2]、新聞業界の「必要悪」としてその存在は今日まで受け継がれている[2]
新聞拡張団の問題行為

勧誘員が新聞契約という勧誘目的を秘匿して住人を訪問し、断りにくい状況にしたうえで契約を迫りトラブルになるケースが多い[6]。日本では、新聞販売とは特定商取引に関する法律を始めとする各種法律、法令を無視した強引な勧誘・売り込みが横行しているとの認識があり、新聞拡張団がその担い手であるとの非難もあるが、新聞がその問題点について記事を掲載することは少ない[5]。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}新聞発行部数に比例し、朝日新聞と読売新聞の販売員に関する苦情が多い[要出典]。新聞の勧誘は暴力団の縄張りも関係することもあり[1]、暴排条例が施行される以前から新聞拡張団と暴力団との関係を指摘する声もある[1][7]

新聞社および新聞販売店は、勧誘行為は外部団体(新聞拡張団のこと)に委託しているので関係ないという姿勢で臨みがちである[8]
過酷な団員の管理

団員についても、過酷な管理が行われ、失踪する団員が後を絶たないとされる[9]。失踪した団員には懸賞金が掛けられ、業界内の新聞で指名手配される[9]。新聞購読者が契約途中で解約した場合は、勧誘した団員の負担として成果報酬の給料から天引きされる[9][10][11]。このため団長や団員間での暴力事件や殺人事件を含むトラブルが発生している[12][13][14]。団員の定着率も悪く、違う拡張団に移ったり、短期間で離職する団員も多い[15][14]
用語

拡張:新聞購読の勧誘をする事。 セールス。

拡張員(張員):拡張を生業とした人のこと。何処の新聞販売店にも属さない独立系の人。

拡張団:拡張員の集団。基本的に法人である。現在はフリーの拡張員は殆ど店に出入り出来ないらしい。

専拡(専業拡張員):販売店のお抱え拡張員。

セールス証:社員証とも言う。新聞社から正式に拡張を認められた人物のみが持つ。これを持っていない拡張員は信用出来ない。ちゃんと認められた拡張団に所属する拡張員のみが持てるらしい。

拡材:「拡張材料」の略で拡張に使う材料、つまり洗剤などの景品。

景品法:ここでは拡材についての取り決めとしておく。景品法の改正で拡張に使える材料が、新聞購読料の何割までとハッキリ決められた。つまり拡材をばら撒く事が法律で禁止されたのである。これまでは新聞業界団体の自主規制のみの取り決めだったのだが、公正取引委員会の手が入り、法律で「拡材はこれしか出せない」と決められたので拡材の過剰なばら撒きは犯罪となる。これに違反すると販売店は営業停止(セールスの禁止)などのかなり厳しい裁きが下る。

読者モニター:他紙拡張に関する監視を目的として販売店が読者へ特にお願いしてなってもらうもの。具体的には他紙拡張員の拡材に関する違反を監視してもらう事になる。

カード:契約の事。契約書そのものの事を言うが、「カード」で「契約」の意味として通じる。

カード料:カードに対する報酬。シバリ>起こし>新勧と、その金額が変わる。

あがる:契約をとってくる事。

コンクール:新聞社がある一定の期間を設けて、その間にあがったカードについてカード料を上乗せしたり、枚数に応じて景品を出したりするもの。

プレミア:通常のカード料に上乗せされる報酬。コンクールや店独自で付く。

回収率:自らあげたカードから止めが出た場合、その止めをどれだけ回復できたかの率。交替も含まれる為、100%まで率を上げるのはかなり困難。

現読:現在新聞を購読している事。

過去読:過去に新聞を購読していた事。

無読:新聞を購読していない事。

新勧:新たに拡張してきた読者の事。つまり、過去その店で新聞を全く購読した事が無い人と契約してきた場合「新勧」と言う。

起こし:過去に新聞を購読していて、現在は購読していない(他社の新聞を購読している等)人と契約してくる事。

先起こし:現在の契約期間が終わった後他社と契約している読者の、その他社の契約期間が終わった更に後の契約をしてくる事。

シバリ(縛り):現在の契約の延長をする事。

先シバリ(先縛り):現在の契約の契約期間延長(シバってある)の更に先の契約期間延長をする事。

喰止め:当月切れのシバリ。

約切:契約期間が終了する(した)事。契約が切れた事。

入り:契約期間が始まる事(新聞を入れはじめる)。

不良カード:踏み倒された契約。契約したはずなのに「契約していない」と読者に言い張られたりした場合そうなる。

不良読者:金払いの悪い読者。

集金不良:集金が出来ない事。

固定読者:購読する新聞がずっと変わらない読者。

約なし固定(読者):固定読者のうち、契約期間が定まっていないもの(読者)。

契約固定(読者):固定読者のうち、契約期間が短期なり長期なりで定まってはいるが更改して購読し続けるもの(読者)。

交替読者:購読する新聞がころころ変わる読者。一回の契約が3ヶ月、6ヶ月、1年だったりする。

全戸台帳:契約の状況(契約期間、購読新聞の種類等)や個人情報(住所、電話番号)を配達順路通りに表記した台帳。過去の読者もすべて載っている。

S:サービスの略。月の途中から購読をはじめた場合、その月はサービス(無料)になる場合がある。

即入:契約した翌日から即新聞を入れる事。

セット:朝刊と夕刊を取る事。

転居通報:契約期間が残っていたり縛ってある(とにかく契約がある)読者が転居する際、その読者の引越し先が判明したら、引越し先の販売店にその読者の転居を通報する事。基本的にはFAXを用いる。こういう事を従業員が読者から聞き出し調べ購読の継続を狙う、または”引越し即日から新聞が入る”を謳い継読を促す(実際に入る)。

(転居)通報料:転居通報をした事に対する報酬。しかし通報の締め切り時期が案外早いのと、締め切りを過ぎたものについての通報と通報料がどうなるかが分かり難いので、毎年混乱し揉める。

ガサ:不良カードが多発したり、人の出入りが激しい地区、場所、アパート等。  マッチ箱:かなり古めの平屋の貸し家。インターホンが付いていない事が多い。

増紙:紙(契約件数)を増やす事。

てんぷら(カード):架空のカード。

まるちょん(カード):読者との信頼関係があって初めて成立する、従業員拡張員外交員の恣意なカード。


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