新木場車両基地
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新木場車両基地(しんきばしゃりょうきち)は、東京都江東区にある東京地下鉄(東京メトロ)の車両基地および車両工場の総称である。車両基地の和光検車区新木場分室(わこうけんしゃくしんきばぶんしつ)、車両工場の新木場CR(しんきば カーリニューアル<Car Renewal>)[1]から構成される。最寄り駅は新木場駅和光検車区新木場分室
東側には東京湾が広がる。建物の中に検車線がある。検車庫
和光検車区新木場分室新木場車両基地の空中写真(2019年8月撮影)国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

1988年昭和63年)4月に新木場検車区準備事務所として発足し、5月に新木場検車区として正式に発足した[2]。その後、2009年(平成21年)4月に和光検車区に組織統合され、和光検車区新木場分室となった[3][4]

有楽町線の車両が留置されるほか、隣接する新木場CRへの入出場のため、東西線5000系・全車廃車済)・千代田線半蔵門線南北線の車両が入出区することがある。主な担当業務は列車検査、簡易修繕、車両故障対応と自動洗浄機による車体洗浄である[5]

当車両基地用地は東京都港湾局が所有していたもので、港湾局から借地条件することを提案されたが、帝都高速度交通営団(営団地下鉄)は土地買収を強く要望したことから買収に至った[6]。営団地下鉄は1982年(昭和57年)3月から1983年(昭和58年)4月にかけて、港湾局より約151億1400万円(売買代金総額147億1500万円、延納利息総額3億9900万円)で取得したものである[6]

土地売買契約にあたり、以下のような特約が約定されている[6]

公有水面埋立法による処分制限登記(所有権地上権永小作権地役権質権抵当権賃借権および採石権東京都知事の許可を受けないで設定または譲渡してはならない旨の制限[6])。

用途指定(20年間指定されている)[6]

業務開始日の指定(昭和62年4月1日)[6]

買戻特約付売買(契約の日から10日間)[6]

車庫用地内横断歩道橋の設置[6]

土地利用計画の事前承認(当該地は東京都の港湾利用計画地域内に位置しているため、その土地利用及び利用の変更をする場合は、東京都等の港湾審議会の承認を必要とする[6])。

当車両基地は、有楽町線本線に加えて将来の豊洲分岐線用車両(東京直結鉄道)や同線と接続する構想の半蔵門線車両の車両基地としても使用できるなど、将来の計画も含めた多くの利点があった[2]。最終的な計画では、前述した計画路線用車両も含めた10両編成42本(420両)を収容できるよう計画されている[2]

当用地は、軟弱地盤地帯で地盤沈下が進行している場所であり、車両を留置すればさらに沈下が進むことが予想された[7]。このため、営団地下鉄の工事で発生した残土約20万 m3を搬入し、3 mまで盛り土後、プレロード工法により1.5 mまで切り崩しながら敷地全体を整地した[7]

敷地面積: 約142,851 m2[6](ただし、133,841.3 m2[8][2]となっている場合もある)

車両留置能力: 110両(将来420両)

新木場検車区(当時)の建設に要した費用は、総額203億7300万円である[9]。内訳は、土木関係費が30億7300万円、用地関係費が155億7600万円、電気関係費が4億6800万円、その他費用が12億6100万円となっている[9]
沿革

1983年(昭和58年)5月 - 新木場車両基地用地買収完了[6]

1988年(昭和63年)4月5日 - 新木場検車区準備事務所発足[2]

1988年(昭和63年)5月23日 - 新木場検車区として正式に発足[2]

1990年(平成2年)2月 - 新木場CR建設開始[10]

1991年(平成3年)12月16日 - 新木場CR開設[11]

2009年(平成21年)4月1日 - 和光検車区に組織統合され、和光検車区新木場分室となる[4]

2010年(平成22年)3月1日 - 新木場分室内に留置線を3線増線[4]

車両基地設備

新木場検車区発足当時の設備は以下のとおり
[2]

検査、修繕庫 10両×1線

車両自動洗浄機 2基

引上線 10両×2線

留置線 10両×10線



計画当初の最終的な計画は以下のとおり(10両編成42本(420両)収容[2]

検査、修繕庫 10両×1線

転削庫 1線

車両洗浄台 10両×3線

車両自動洗浄機 2基

引上線 10両×4線

留置線 10両×38線 東側には10両編成6本が収容可能な検査庫の増築が予定されている[8]


所属車両

なし。有楽町線車両は全車和光検車区配置となっている。
新木場CR

7101Fが入場している様子
写真奥にはJR京葉線が通っている入口側から見たCR(上の写真の反対側)

当初の計画では綾瀬検車区内の綾瀬工場の南側に更新修繕場を建築する計画であったが、車両の大幅な増備により同工場の施設では施工能力不足が予想されたため、本車庫内に更新修繕場が建設された[2][10]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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