新撰組異聞PEACE_MAKER
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新撰組異聞PEACE MAKER
漫画
作者
黒乃奈々絵
出版社エニックス
マッグガーデン(新装版)
掲載誌月刊少年ガンガン
レーベルガンガンコミックス
BLADE COMICS(新装版)
発売日2005年10月(新装版)
発表号1999年5月号 - 2001年9月号
巻数ガンガン:全6巻(絶版)
新装版:全5巻
漫画:PEACE MAKER 鐵
作者黒乃奈々絵
出版社マッグガーデン
掲載誌月刊コミックブレイド
コミックiコミックシーモア(油小路編)
時代活劇画伝―斬―ZAN(北上篇)
MAGCOMI
月刊コミックガーデン
レーベルBLADE COMICS
発表号ブレイド:2002年4月号 - 2005年4月号
油小路編:2009年秋 - 2010年9月
北上篇:2013年12月
MAGCOMI:2014年1月 - 2015年8月
ガーデン:2014年9月 -
巻数既刊17巻(2020年5月現在)
アニメ:PEACE MAKER 鐵
原作黒乃奈々絵
監督平田智浩
シリーズ構成長谷川菜穂子
キャラクターデザイン林明美
音楽奥慶一
アニメーション制作GONZO DIGIMATION
製作新撰組屯所
放送局テレビ朝日ほか
放送期間2003年10月 - 2004年3月
話数全24話
映画:PEACE MAKER 鐵
前篇『想道?オモウミチ?』
後篇『友命?ユウメイ?』
原作黒乃奈々絵
監督きみやしげる
脚本梅原英司
キャラクターデザイン小磯沙矢香
音楽中西亮輔
制作WHITE FOX
製作PEACE MAKER 鐵 製作委員会
配給ショウゲート
封切日前篇:2018年6月2日
後篇:2018年11月17日
上映時間前篇:57分、後篇:56分
ドラマ
原作黒乃奈々絵
脚本山本清史守口悠介
演出山本清史、深迫康之
制作ジョリー・ロジャー
放送局毎日放送TBSほか
放送期間2010年1月15日 - 3月19日
話数全10話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメテレビドラマ
ポータル漫画アニメテレビドラマ

『新撰組異聞PEACE MAKER』(しんせんぐみいもんピースメーカー)は、黒乃奈々絵による日本漫画、及びそれを原作としたメディアミックス作品。『月刊少年ガンガン』(エニックス(現:スクウェア・エニックス))で連載され、2005年10月にはマッグガーデンより新装版が発売された。続編である『PEACE MAKER 鐵』(ピースメーカーくろがね)についても本項で記述する。
概要

『新撰組異聞PEACE MAKER』では、主人公鉄之助新撰組入隊から池田屋事件までが描かれている。これらの時期など細部は史実と異なるものの、時代の大きな流れに沿ってストーリーが展開する。エニックスお家騒動により掲載誌を『月刊コミックブレイド』(マッグガーデン)へと移し、池田屋事件から3ヶ月後となる第二部『PEACE MAKER 鐵』が連載されたが、2005年春以降休載。その後2009年秋から2010年9月まで、ケータイサイト「コミックi」および「コミックシーモア」にて5巻の続きとなる『PEACE MAKER 鐵 油小路編』が配信された。2013年12月にマッグガーデンから刊行されたムック『時代活劇画伝―斬―ZAN』において新章となる『PEACE MAKER 鐵 北上篇』を掲載後、翌2014年1月よりマッグガーデンのウェブコミック配信サイト『WEBコミックBeat's(現:MAGCOMI(マグコミ))』にて連載を再開している。同年9月からは『月刊コミックガーデン』(マッグガーデン)でも連載されるようになった。(『月刊コミックガーデン』と『MAGCOMI』の掲載内容の違いはないが、毎月の最新話の更新は『月刊コミックガーデン』の方が早い。)2020年5月以降再び休載となっている。
あらすじ

物語は元治元年(1864年)3月の京都から始まる。両親を長州藩士に殺された市村鉄之助は、強くなりたい一心で兄・辰之助に付いて新撰組の門を叩く。しかし見た目と態度の悪さから“チビ”とあしらわれ、中々入れてもらえない。そんな折ひょんなことから出会った新撰組隊士の一人・沖田総司の仲立ちでなんとか入隊許可が降りた。土方の小姓となるも、当初の目的である修行のイメージとは異なる自分の立場に不満を感じ葛藤する。

そんな中で新撰組局長・近藤勇や副長・土方歳三らと出会い、徐々に鉄之助も組に慣れていった。そんなある日、新撰組の敵役である尊皇攘夷派の長州藩士・吉田稔麿の町々に放火する騒動を起こす。その最中に鉄之助は一人の少年と町で大喧嘩をしてしまう。少年の名は北村鈴。鈴は吉田に仕える小姓だった。また花街島原で、鉄之助は以前町で絡まれている所を助けた禿・沙夜と淡い恋に落ちる。さらに鉄之助はそこで偶然にも鈴と再会し、2人はすぐ友達になるが、廓を訪れた吉田のために再び会えなくなってしまう。その一方で鉄之助の入隊を反対していた辰之助も唯一の家族である鉄之助を想い苦悩する。この他、土方と山南敬助の確執、沖田に忍び寄る病魔の影など、それぞれの想いが様々に交錯する。互いが心の靄を晴らし切れないまま、物語は池田屋事件へと突入する。
登場人物
主要人物
市村鉄之助(いちむら てつのすけ)
新撰組副長・土方の小姓。愛称・鉄。両親を何者かに殺され、敵を討つために兄・辰之助と一緒に新撰組に入隊する。両親を目の前で殺されたショックから体の成長が止まっており、よく子供扱いをされていたが、池田屋事件以降は精神的にケリがついたのか、成長痛を訴えるほど立派に成長した。組に入った当初は新撰組の在り方や鈴との邂逅、そして根強く残っていた過去のトラウマなど、苦悩することが多かったが、池田屋の初陣を経て過去の傷を乗り越える。池田屋事件後は隊士見習いとなり、剣の腕も確実に上がっている。永倉曰く、鉄之助の剣は「土方さんと同じ“野外実践型”」らしい。刀を取るのは「殺すため」ではなく、あくまで「守るため」であり、未だに敵を殺したことはない。伊東甲子太郎の造反により勃発した油小路の変で、組の仲間を助けるべく奮戦するが、鉄之助を仇敵として追ってきた海援隊にも襲撃され山へと拉致される。そこで龍馬の死を知り衝撃を受けるが、斎藤の助力で龍馬殺害の無実を証明。自身を陥れた鈴といずれ決着を付けると決意し、新選組の一員として戦い続ける意志を新たにした。北上篇では会津での戦いを経て土方のいる石巻に駆けつけ蝦夷に渡るが、性格が当初と比べ大きく変わり、誰に対しても心を閉ざし無愛想かつ暗い一面を見せるようになった。戦意を失った敵に対しても顔色一つ変えずに指を切り落とすなど冷酷さも感じさせる。また、戦闘中に鉄之助の半径十尺(約3メートル)以内に近づくと「死神」と呼ばれる存在の銃撃によって敵味方問わず死亡してしまうことから「死神憑き」と呼ばれ恐れられるようになった。その冷酷な戦いぶりと無愛想な性格から野村利三郎をはじめとする一部の隊士から嫌われている。しかし、鉄之助の攻撃はあくまで「敵の攻撃力を削ぐ一手」「敵の延命を可能にする一手」であり、敵に致命傷を与えることはしていない。「死神」の手によって死亡者が出ていることに対しては鉄之助も心を痛めており、田村銀之助が戦闘中に鉄之助の傍にいたにもかかわらず死ななかったことに対して驚きと安堵の涙を流した。新政府軍との戦争が勃発して以降の出来事からずっと自分の心を殺してきたが、田村銀之助との出会いを機に少しずつ心を開きつつある。
沖田総司(おきた そうじ)
新撰組一番隊隊長。一見すると優男風の美青年だが、新撰組随一の剣の遣い手であり、戦闘時は鬼神の如き強さを発揮する。作者曰く「明るく振舞っているが とてもクールな性格」。『鐵』以降、結核を患い体調を崩している。土方の句集を勝手に持ち出して笑いながら詠むなど、よく土方にちょっかいを出している面もあるが、周囲の誰よりも土方を気遣っている。子供の頃に剣の才が災いして父を亡くし、自身の存在を忌み嫌っていたが、武士として身を立てることを夢見る土方に新撰組という居場所を与えられ精神的に救われる。土方に深い信義を置き、細やかな心遣いを見せるのはこのためである。油小路の変が起こる頃には最早少し動くだけで身体が悲鳴を上げる有様だったが、仲間の力になれない歯痒さに耐え切れず病体を押して戦闘に参加。山崎の制止も振り切ろうとするが、彼の眠り針で無理やり褥に戻された。その後も体調は悪化の一途を辿り、甲州鎮撫隊結成時、遂に近藤、土方を始めとする隊士の総意で、『甲府城まで“徒歩で””誰の力も借りずに”付いて来る』無理難題を課せられる。自身も最早歩くことすら儘ならない現実を受け入れざるを得なくなり、ようやく意固地になっていた心が解け、「置いていかないで欲しい」という辛い思いを零す。結局療養のために故郷・日野へ留まり、戦線より離脱した。その後おキヨなる老婆の世話になりながら病床に就いていたが、身体はすっかりやせ衰え骨と皮だけのようになってしまった。仲間からの便りはおろか風聞すら耳に出来ず心細い日々を過ごしていたが、鈴の命でやって来た頭(つむり)に、仲間の声色を一晩中聴かされ続ける。それは沖田の心身を追い詰める為だったのだが、沖田には思わぬ喜びとして聴こえ、頭の目的を察しつつも姿を見せた彼に友好的に接した。その純粋な好意に心動かした頭の手引きで、最愛の姉と最期に会う願いが叶う。そして大粒の涙と共にこの世への未練を嘆きつつも、苦しみ多き人生の中で幸せも確かにあった事を噛みしめる。その後頭とサイゾーが見守る中、先立っていた近藤の魂に迎えられ、静かにこの世を去った。
土方歳三(ひじかた としぞう)
新撰組副長。「鬼の副長」という異名を持つ。その異名の通り、性格は冷徹。それ故隊員からも恐れられているが、実際は部下思いである。鉄之助に対しては彼に刀を持たせないなど、特別な態度を取っており、鈴からは「預かっている」ようだと言われたが、その理由はまだ明らかにされていない。密かな趣味は俳句で俳号は「豊玉」。過去に結核で母と姉を亡くしたことがトラウマになっており、結核の病状が悪化していく沖田に密かな焦燥を抱いていたが、油小路の変で遂に沖田の惨状を目撃してしまい大きな衝撃を受ける。鳥羽・伏見の戦いが始まってからは一層緊張を孕むようになるが、敗色濃厚となっても希望を捨てず、近藤を心の支えに転戦を繰り返す。しかし近藤に危機が迫るとそれまでの気丈な精神が均衡を失い始め、彼を喪う事実に耐えられない弱さを払拭するかのように、鬼神の如き戦いぶりを見せる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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