新幹線E4系電車
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新幹線E4系電車
E4系新幹線P51編成
(2008年6月 大宮駅
基本情報
運用者東日本旅客鉄道
製造所川崎重工業車両カンパニー
日立製作所笠戸事業所
製造年1997年 - 2003年
製造数26編成208両
運用開始1997年12月20日 (1997-12-20)[1]
運用終了2021年10月1日 (2021-10-01)(定期運行)[2]
引退2021年10月17日 (2021-10-17)(臨時列車)[2]
投入先東北上越新幹線
主要諸元
編成8両編成 (4M4T[3])
軌間1,435 mm
電気方式交流25,000V 50Hz
(一部編成は50Hz/60Hz、架空電車線方式
最高運転速度240 km/h[3]
設計最高速度240 km/h[3]
起動加速度1.65 km/h/s[3]
減速度(常用)0 - 70km/h:2.69 km/h/s[4]
240km/h時:1.05 km/h/s[4]
減速度(非常)0 - 70km/h:4.04 km/h/s[4]
240km/h時:1.57 km/h/s[4]
編成定員計817名(54名)[3]
()内はグリーン車
編成重量428.0 t[3]
編成長201 m[3]
全長25,700 mm(先頭車)[3]
25,000 mm(中間車)[3]
全幅3,380 mm[3]
全高4,485 mm[3]
車体アルミニウム合金
台車SUミンデン式ボルスタレス台車
DT208(電動車),TR7007(付随車)
主電動機三相交流誘導電動機 MT206
主電動機出力420 kW
駆動方式WNドライブ
歯車比94:26(3.615)[3][5]
編成出力6,720 kW[3]
制御方式IGBT素子VVVFインバータ制御
制動装置回生併用電気指令式空気ブレーキ応荷重装置付)
保安装置ATC-2型DS-ATC
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新幹線E4系電車(しんかんせんE4けいでんしゃ)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)に在籍していた新幹線車両である。

全車2階建車両であり、E1系と同じく「Max」の愛称が与えられていた。現在は運用終了、引退している。
概要

東北上越新幹線の開業時に導入された200系の初期車の置き換えと増え続ける通勤旅客需要に対応するため、1997年平成9年)10月に3編成(24両)が落成し[6]12月20日から営業運転を開始した[5]。2003年(平成15年)11月までに計8両編成26本(208両)が製造された[6]

デザインコンセプトは「BIG WAVE」(雄大)とし、エクステリアキーワードは「ELASTIC」(しなやか)[7]、「WAVE MOTION」(躍動、いきいき)とした[6]

基本編成はE1系の12両から8両に短縮した。これは輸送需要の多い時間帯の列車については2本連結した16両編成として需要の多寡に応じた運用を可能とする点と、東北新幹線の場合、「つばさ」で運用していた400系、E3系L編成(ミニ新幹線車両)を併結する場合にプラットホーム有効長などの地上設備が新幹線車両の標準である25m級車両16両分であることから、併結相手の車両運用についても冗長性を持たせるためである。

2本連結した16両編成の定員は1,634人で高速鉄道車両としては世界最大級となる[8]。一部、北陸新幹線軽井沢駅以西の商用電源周波数60Hzに対応した編成が存在した。
車両概説
車体

本系列は車内販売ワゴン用の昇降機(ワゴンリフタ)の設置など重量増分を補うため、大型押し出し型材によるアルミ合金が採用された。トンネル微気圧波現象および高速走行時の騒音対策で先頭車両の前頭部はE1系よりロングノーズになった[9](ノーズ長E1系:9.4メートル、E4系:11.5メートル[9])。車体の高さは4485mm[9]

車体塗装は飛雲ホワイト■ [7]と紫苑ブルー■ [7]のツートーンでその境目に山吹イエロー■の帯が入る[7]

前照灯はE3系に引き続いて、外側にシールドビームライト、内側にHIDランプを使用している。尾灯は、赤色LEDが長方形に敷き詰められたものが使用されている。

先頭車には分割・併合装置が収められ、400系[注 1]E3系(L編成)との連結運転、またはE4系同士の連結運転が可能である。

E3系1000番台を併結して運転されるE4系(大宮駅)

前面形状

カバーを開いた状態で見える自動分割・併合装置
(2007年11月 福島駅

400系との連結状態
(2007年7月 東京駅

内装
客室デッキにある階段
階段の真中にワゴン用の昇降機がある。

車内は「ADVACE」(先進性、魅力的、未来的)、「COMFORT」(くつろぎ)をキーワード[6]に、グリーン車は高品質で落ち着きのある車内、普通車2階部はワクワクする楽しみある車内、普通車1階部は明るくくつろげる暖かみある車内をめざした[6]

客室天井はE1系と同一[9]で、1階席が1970mm[9]・2階席グリーン車が1975mm[9]・2階席普通車が1955mmとなっている[9]。なお、2・4・6号車の車端部に設置されている(ホーム高さと同じ)中2階席に関しては2000mm[10]となっている。カーテンは全車でフリーストップタイプのロールカーテンを採用[10]

定員確保の観点から、普通車はE1系と同様に東京寄り3両(1 - 3号車)の階上部分の座席は横3列+3列の6アブレスト[10]で、リクライニング機能や座席中央の肘掛が省略された回転クロスシートである。シートピッチは980mm、座席幅は窓側・通路側430mm、中央席450mmとE1系と比べて10mmずつ拡大されており、肘掛け部分を除くと横3列+2列の座席と同じ寸法となった。過去に数度繁忙期にこの部分も指定席として供用されたことがあるが、基本的に自由席である。この3両の新潟寄りのデッキには「ジャンプシート」と称する通常は収納されている補助席が1両につき2席ずつ設置されている[11]

それ以外の普通車座席(1 - 3・7・8号車の階下席と4 - 6号車)は200系などと同様の横3列+2列の5アブレスト[10]で、中央には肘掛があるフリーストップ式リクライニング機能付回転クロスシートであり、座面スライド機構も備える[10]。シートピッチは980mm。

また、7・8号車の階上席(グリーン席)は2列+2列の4アブレストのリクライニングシートで、フットレストはないが各席レッグレストを装備。壁際席の足置き台のみは移動できる。リクライニングと連動して座面が沈むことで姿勢の維持を容易にしている。テーブルはE1系では肘掛内蔵だったのに対しE4系では前席背面に設置されている。一部の編成では枕が上下可動式となっている。

普通車のシートモケットは階上席は紫色が、階下席はオレンジ色が用いられ、グリーン席のモケットには濃い緑色地に黄色の幾何学模様が描かれている。階上席の天井デコラは青色系、階下席は黄色系で統一されている。座席カバーは普通席は白であるがグリーン席は黄色である。照明の色も、普通席は白色の直接照明[7]、グリーン席は電球色の間接照明となっている[7]。普通席は光が途切れることのないように蛍光灯間にダウンライトが採用され、グリーン車では照明カバーに丸い穴を開ける加工が施されている[7]

バリアフリー設備としては、6号車1階席と8号車2階席に車椅子を固定することが可能な座席が用意されている。8号車には急病人などの対応のために多目的室があり、室内に折りたたみ式ベッドや座席を設置している[12]

このほかに車内にはFMラジオ放送とTVの音声を受信して、受信した電波を増幅して輻射する装置を搭載している[10]

2号車2階席
通常、普通車自由席として使用される。

1号車1階席

7号車2階席
グリーン車指定席として使用される。

運転室

運転室は、運転士の取り扱いや使用部品の共通化などを考慮して、基本的にE2系E3系と同様の配置とした[12]

計器盤は運転席正面に速度計モニター画面を配置し、右側に運転士知らせ灯と時計置き、さらに運転支援用モニター画面、車両情報用モニター画面を配置している[12]

左手操作のブレーキ設定器は常用ブレーキ7段[5]非常、右手操作のマスコンは最大10ノッチまである[5]

空調装置は、集約分散式のAU815(冷房能力37,500kcal/h)を1両あたり2基搭載するが、先頭車両はAU815とAU218(冷房能力18,000kcal/h)を1基ずつ搭載する[13]。E1系と同様に、1階と2階を個別に独立した温度管理で制御することが可能となっている[10]。全自動運転モードもあり、コンピューター内に収録されたカレンダーに基づいて[10]、季節に応じた温度管理をすることが可能となっている[10]。また、当系列からの新機能として「暑い」「寒い」の2ボタンを各車両の空調制御機に設けることにより[10]、利用者からの要望に対応出来るように配慮がなされている。
車内設備


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