新幹線E1系電車
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新幹線E1系電車
E1系新幹線M6編成
(2004年11月 大宮駅
基本情報
運用者東日本旅客鉄道
製造所川崎重工業日立製作所
製造年1994年 - 1995年
製造数6編成72両
運用開始1994年7月15日[1]
引退2012年10月28日(さよなら運転)
投入先東北上越新幹線
主要諸元
編成12両編成 (6M6T[2])
軌間1,435 mm
電気方式交流25,000V 50Hz
架空電車線方式
最高運転速度240 km/h[2]
起動加速度1.6 km/h/s[2]
減速度(常用)0 - 70km/h:2.69 km/h/s[3]
118km/h時:2.23 km/h/s[3]
240km/h時:1.05 km/h/s[3]
編成定員計1,235名(102名)[2]
()内はグリーン車
編成重量692.3 t
編成長302 m[2]
全長26,050 mm(先頭車)[2]
25,000 mm(中間車)[2]
全幅3,380 mm[2]
全高4,485 mm[2]
車体普通鋼
台車SUミンデン式ボルスタレス台車
DT205(電動車)
TR7003(付随車)
主電動機三相交流誘導電動機MT204
主電動機出力410 kW × 4
駆動方式WN駆動方式
歯車比19:69=1:3.63[4]
編成出力9,840 kW[2]
制御方式VVVFインバータ制御 (GTO)
制動装置回生併用電気指令式空気ブレーキ(応荷重装置付き)
保安装置ATC-2型DS-ATC
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新幹線E1系電車(しんかんせんE1けいでんしゃ)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)に在籍していた新幹線車両である。
概要

増加する新幹線通勤客の着席定員確保を目的として開発された車両で、新幹線では初めて編成中の全車両が2階建車両で設計された[5]1994年平成6年)3月から1995年(平成7年)11月まで12両編成6本(72両)が製造された。

Multi Amenity Expressを略したMaxという車両愛称がある。試運転の時点ではこの愛称が決まっておらず、暫定的にDouble Decker Shinkansenを略したDDSと形式称号である「E1」が表記されたロゴステッカーが車体側面に貼り付けされていた[5]

設計時点では600系の形式称号を付与する予定であり、JR東日本が発表したプレスリリースにも記載されていた[6]。その後、JR東日本が新幹線の車両番号付番方法を変更したため、東日本旅客鉄道株式会社の英文社名表記East Japan Railway CompanyのEast(東)の頭文字を取って「E1系」の形式称号を付与することになった[7]。そのため、600系は欠番となった。試運転時のロゴリニューアル前のロゴマーク
車両概説
車体

設計当時の技術では2階建ての構造にした時の車体強度が心配されたため、車体は普通鋼製で製造された。現在のところ最後の普通鋼製新幹線電車である[注 1]

外観のデザインコンセプトは「グランド&ダイナミック」(動的で雄大な)を掲げ、先頭部分は2階建てのボリュームを生かしながら、騒音・微気圧波対策を考慮したエアロダイナミックノーズとなっている[5][8][9]。新製当時の車体塗装は上半分がスカイグレー■、下半分がシルバーグレー■、車体側面の帯がピーコックグリーン■というものであった[5]
内装

「ハイクオリティ&アメニティ」(高水準の快適さ)をデザインコンセプトに掲げてデザインされている[8][9]

通勤・通学輸送をはじめとする東北上越新幹線の需要増加に対応するべく、速度よりも大量輸送に重きを置いた設計がなされている。そのため、全車両が2階建車両とされた。自由席として使用される車両の1 - 4号車の2階座席は車内販売を行わないことを前提に通路幅を極限まで切り詰めることにより、横3+3配列構造を実現した。座席幅は窓側・通路側420mm、中央席は440mmを確保しているが、中央部の肘掛がない構造であるため横3+2列の座席と比べて相当狭い。また座席構造の問題からリクライニング機能がついていない回転クロスシートであるが、背もたれの角度をある程度リクライニングした状態と同様に傾けた状態で固定している。また、 2 - 4号車の新潟方デッキには、壁面に収納された補助席(通称:ジャンプシート)が2席ずつ設置されている[10]。この設計により、1編成の座席定員は1,235名と200系H編成16両に匹敵する座席数を確保した。

トイレは2両に1か所の割合で設置しており、男性用小便所1基と洋式便所2基、洗面台1基から構成される[11]。8号車(普通車)・9号車(グリーン車)の2階席には車椅子対応座席があり、車椅子固定装置が用意されている[12]。また、2階席への階段には車椅子用の昇降リフトが設置されているほか、デッキには車椅子対応の便所が設置されている[12]。車椅子対応便所の出入口は自動ドアで、室内にはベビーベッドを備えている[11]行先表示器

側面の行先表示器は、400系の先行試作車とは全く異なるタイプの3色LEDを採用し、表示は列車種別・指定席/自由席と行先を交互に表示する方式となった。この方式はこれ以後のJR東日本の新幹線車両の標準となり、座席表示に至っては2014年に登場したE7系までのすべての車両にも採用されている。

2階建てとしたことによる定員の増加に対応するために、客用扉は1,050mm(200系は700mm)と広く設定されている[8]

9号車には女性専用の多目的室があり、室内には洗面台、ベビーベッド、折りたたみ式座席などがあり、化粧や着替え、乳幼児への授乳やおむつ交換などに対応している[12]。10号車には業務用室があり、座席と兼用のベッドがあり、車椅子利用者の利用にも対応している[12]

階段が多いためにワゴンサービスによる車内販売が困難なため、代替として8号車に売店を、2号車・6号車・10号車に自動販売機を設置した[12]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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