新幹線300系電車
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新幹線300系電車
300系F4編成
(2009年11月 岡山駅 - 相生駅間)
基本情報
運用者東海旅客鉄道
西日本旅客鉄道
製造所日本車輌製造(J・F編成)
日立製作所笠戸事業所(J・F編成)
川崎重工業(J・F編成)
近畿車輛(J編成)
製造年1990年(先行試作車)
1992年 - 1998年
製造数70編成1,120両
運用開始1992年3月14日
運用終了2012年3月13日(定期運転)
引退2012年3月16日(さよなら運転)
廃車2012年10月20日
投入先東海道山陽新幹線
主要諸元
編成16両編成 (10M6T[1]
軌間1,435 mm
電気方式交流25,000 V 60 Hz
最高運転速度270 km/h[1]
起動加速度1.6 km/h/s[1]
編成定員1,323名(200名)
括弧内はグリーン車定員
編成重量710 t[1]
編成長402.1 m[1]
全長26,050 mm(先頭車)[1]
25,000 mm(中間車)[1]
全幅3,380 mm[1]
車体高3,650 mm[1]
3,600 mm(J1編成)[1]
車体アルミニウム合金
台車コイルばね+円錐積層ゴム式ボルスタレス台車
TDT203,TTR7001(J編成)
WDT203,WTR7001(F編成)
主電動機かご形三相誘導電動機
TMT3,TMT4,TMT5(J編成)
WMT203(F編成)
主電動機出力300 kW × 4
駆動方式WN駆動方式
歯車比2.96[1]
編成出力12,000 kW[1]
制御方式VVVFインバータ制御( GTOサイリスタ素子
制御装置東芝製TCI1形、またはWPC2形
制動装置回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ応荷重装置付き)、渦電流ブレーキ
保安装置ATC-1型ATC-NS
第33回(1993年ローレル賞受賞車両
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新幹線300系電車(しんかんせん300けいでんしゃ)は、1990年平成2年)に東海旅客鉄道(JR東海)が開発した東海道山陽新幹線の第三世代新幹線電車である。
概要

270 km/h走行を行う「のぞみ」用車両かつ0系置き換え用として開発された。1990年に量産先行試作車が登場し、その後1992年(平成4年)3月14日に営業運転を開始した。量産車のデザインは手銭正道、戸谷毅史、松本哲夫、木村一男が担当した。

その後、1993年(平成5年)3月18日から「のぞみ」の運転区間を博多駅まで延長することが決定し、西日本旅客鉄道でも同仕様の3000番台F編成を9編成製造・投入し、東京駅 - 博多駅間をグランドひかりより43分速い5時間4分で結んだ。JR西日本の本系列は300N系とも呼ばれる[2]

日本車輌製造日立製作所川崎重工業近畿車輛に発注され、最終的にJ編成61本・976両とF編成9本・144両の合わせて70本・1,120両が製造されたが、J編成の中には500系の製造開始後に落成した編成もあるほか、J52以降の編成は700系の量産先行試作車であるC0→C1編成より後に落成している。また、量産車第1号のJ2編成は、100系G編成の最終増備編成のG46編成より先に落成した[注 1]

本系列の登場当時、旅客向けの広告や時刻表などで形式名を使うことが一般的ではなく、500系や700系が登場するまでは「のぞみ型車両」と称されていた。
開発の経緯

「のぞみ」の原形である「スーパーひかり」の開発スタートは1988年1月にまでさかのぼる[4]。JR東海内に「新幹線速度向上プロジェクト委員会」が設置され、同年1月28日に1回目の講義がおこなわれた[4]。この委員会では、100系のあとを継ぐ300系の開発について検討する委員会であった[4]

「のぞみ」の目的はできるだけ速く東京駅 - 新大阪駅間を結ぶことであり、そのライバルとしては航空機があった。羽田空港 - 伊丹空港間の航空機は、飛行時間は1時間ほどで済むが、東京大阪市の中心部から空港までの移動や搭乗手続きなどで時間を要する場合が多い。この航空機対抗策として2時間30分運転であれば、空の客を取ることができるのではないかという計算があったからである[5]。「のぞみ」の当初のキャッチフレーズは「(午前)9時の会議に間に合う」であった。

これらの事情や、線路設備の面から検討された結果、運転速度は270 km/hに設定された。

初代新幹線である0系は、最高速度が220 km/hで軸重が16 tであった[6]。300系を開発するにあたり、270 km/h走行時で0系220 km/h走行時と同じ、もしくはそれ以下の騒音と振動に抑えるにはどこまで軽量化をすればよいか検討された[7]。そこで、0系の車両から電動機や抵抗器といった走行機器を取り外して軽量化、付随車とした上で編成中央に挟まれてテスト走行が1988年5月24日 - 6月3日の間に浜松駅 - 名古屋駅[7]で実施された[7]。この即席の付随車の車重は44 tであった[7]。このほかにも、56 tの空車、水などを積んで64 tにした空車などが用いられテストされた[7]

0系の最高速度は前述のように220 km/hであったため、得られたデータを、270 km/hではどのような値になるかをフィールド試験によって計算すると、軸重にして11.3 t以下であれば、現行の車両の振動値を越さないことがわかった[8]。300系以降、東海道・山陽新幹線を走行する車両は、軸重11.3 t以下を目標に設計されている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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