新幹線車両(しんかんせんしゃりょう)では、新幹線の車両について記述する。通常の営業で旅客列車として使用される電車が、新幹線車両の大半を占めている[1]。高速走行のために様々な技術が導入されている。営業以外としては、保守や緊急用の事業用車としての新幹線車両も存在する[1]。
目次
1 構造
1.1 車体
1.1.1 先頭形状
1.1.2 運転台
1.1.3 2階建て車両
1.2 走行機器
1.2.1 主電動機・制御装置
1.2.2 ブレーキシステム
1.2.2.1 電気ブレーキ
1.2.2.2 基礎ブレーキ
1.2.3 台車
1.3 集電装置
2 営業用車両
2.1 東京から西日本方面の各新幹線
2.2 東京から北日本方面の各新幹線
3 試験・試作車両
4 モックアップ
5 業務用車両(ドクターイエローなど)
6 脚注
6.1 注釈
6.2 出典
7 参考文献
8 関連項目
9 外部リンク
構造
車体「鉄道車両#車体」および「構体 (鉄道車両)」も参照 車両限界図、灰色の範囲がJR在来線における車両限界、緑色の範囲がフル規格新幹線における車両限界[2]
在来線の車両よりも車体のサイズが大きいのがフル規格新幹線車両の特徴の一つである[3]。鉄道車両の横断面サイズは、それぞれの路線で規定されている車両限界によって制限されるが、フル規格新幹線と在来線では車両限界が異なる[4]。高さをレール上面から測ったとして、それぞれの車両限界はおおよその数値で、在来線が幅2.95m × 高さ4 mに対して、フル規格新幹線が幅3.4 m × 高さ4.5 mである[5]。車両長は、在来線が20 mに対して、フル規格新幹線が25 mである[6]。ただし、ミニ新幹線の新幹線車両である400系、E3系、E6系は、在来線も走行するため車体サイズは在来線車両と同じとなっている[3]。
軽量化のため、台枠だけでなく車体全体で強度を保つ構造である。0系・100系・400系・E1系では、車体の素材に普通鋼が使われている[7]。東北・上越新幹線用の200系で初めてアルミニウムが採用された。これは、耐雪装備による重量増加を抑えるためである[8]。国鉄民営化後に開発された新幹線車両はアルミニウム車体が一般化、さらにアルミ材の加工手法の発達により、製作費のコストダウンとさらなる軽量化の両立が図られた。この結果、近年の車両は国鉄時代に開発された初期新幹線車両より著しく軽量化されている。高速運転時にトンネルに進入するなどの気圧変動による居住性の低下を防ぐため、車両には気密構造が採用されている。
現在の新幹線車両の価格は1両あたりおおむね2 - 3億円と言われている。なお、新幹線車両の製造を行っている(いた)メーカーは、日本車輌製造[注釈 1]・川崎重工業[注釈 2]・日立製作所[注釈 3]・近畿車輛[注釈 4]・東急車輛製造[注釈 5]・総合車両製作所横浜事業所[注釈 6]・三菱重工業[注釈 7]の7社である。