新幹線大爆破
[Wikipedia|▼Menu]

新幹線大爆破
The Bullet Train
Super Express 109
監督
佐藤純弥
脚本小野竜之助
佐藤純弥
原案加藤阿礼[注釈 1]
出演者高倉健
千葉真一
宇津井健
音楽青山八郎
撮影飯村雅彦
編集田中修
製作会社東映
配給 東映
公開 1975年7月5日
1975年9月10日
1976年1月1日
1976年6月30日[4][5]
上映時間 152分
115分
100分
製作国 日本
言語日本語
製作費5億3000万円[6][7]
テンプレートを表示

『新幹線大爆破』(しんかんせんだいばくは、The Bullet Train, Super Express 109)は、1975年日本映画オールスターキャストによるパニック映画で、日本よりも海外での評価が高く[8][9][10]1994年公開のアメリカ映画『スピード』の設定のモチーフにもなった作品である[11]
概要

新幹線が走行速度80km/hを下回ると爆発する」という状況下で繰り広げられる、犯人と国家との攻防劇である。新幹線に爆弾を仕掛けた犯人、危機の回避に全力を尽くす日本国有鉄道(国鉄)サイド、わずかな糸口を頼りにその正体を追いかけ、徐々に犯人グループを追い詰めていく警察、パニックを起こす乗客の姿で主に構成されている[9][12][13]

犯人側の人生背景にも大きくスポットが当てられており、町の零細工場の経営に失敗した男・過激派くずれ・集団就職で都会に来た沖縄出身の青年がなぜ犯行に至ったのか、日本の高度経済成長時代への批判を暗示しつつ明らかにされていく[14][15][16][17][18]。犯人側にもドラマを与え感情移入を狙った演出も相まって、単なるパニックムービーとして括れないことが高評価に繋がっている[1][19][20][21]
ストーリー

ある朝、国鉄本社に東京博多行きの「ひかり109号」に爆弾を仕掛けたという脅迫電話がかかってくる。犯人は速度が80キロ以下になった場合に自動的に爆発すること、嘘ではない証拠として北海道の貨物列車に時速15キロ以下になると爆発する同種の爆弾を仕掛けたと伝える。間もなく犯人が指定した貨物列車が伝達通りに爆発し、国鉄と警察は脅迫が本当だと知る。ひかりは新横浜駅を通過したところであり、国鉄の倉持運転指令長は運転士の青木に爆弾の存在を伝え、運行速度を120キロに抑えることを命じる。解決のリミットは博多駅に到着するまで約9時間であった。

犯人は潰れた町工場の社長・沖田哲夫と、その元社員で集団就職で沖縄から来た青年・大城浩、過激派崩れの古賀勝の3人であった。沖田は追加の電話で500万米ドル(当時約15億円)を要求し、代わりに爆弾の解除方法を教えると伝える。警察は北海道の爆弾から古賀を把握するも、それ以上の手掛かりはなく、ひとまず要求を飲むことを決める。沖田は捜査を撹乱するため矢継ぎ早に電話やトランシーバーで受け渡し方法を伝え、荒川上流の長瀞渓谷にて大城が運び役の刑事から現金を受け取ろうとする。警察を上手く出し抜いたものの、偶然、大学柔道部の集団が通りかかったことから、張り込んでいた対岸の刑事は大学生らに犯人を捕まえてくれと頼む。大城は金を諦めて逃亡するも警察に追跡され、その逃亡中に交通事故で死亡する。遺体には身元を示す持ち物はなく、警察は手掛かりを失う。

新幹線車内では折からの遅延連絡に加えて停車駅である名古屋を素通りしたことで乗客たちが騒ぎ出す。名古屋で降りる予定であった妊婦・平尾はパニック状態となって産気付く。無理やりにでも列車を止めようとする客まで現れたことにより、乗員である鉄道公安官の菊池はやむを得ず、車内放送で乗客たちに爆弾のことを伝え、協力を頼む。

警察は古賀の実家に送られた請求書の住所から板橋区志村に捜査官を派遣していたところ、偶然、アジトである沖田の家に向かう途中の古賀を発見する。古賀を逮捕しようとするも逃してしまうが、その際の発砲によって足に怪我を負わせていた。大城の死と古賀の負傷で計画を悔やむ沖田であったが、古賀の説得で再開することを決め、警察に再び身代金の受け渡し方法を伝える。警察を完全に出し抜き今度こそ500万米ドルを手に入れた沖田は、捜査当局に喫茶店に爆弾の解除に必要な設計図を預けたと連絡する。警察と国鉄の技術職員がその喫茶店に急行するも、偶然の火事によって設計図ごと焼失していた。一方で警察は北海道の爆弾にあった速度計測装置の線から沖田を特定する。警察に包囲される中、沖田の家にいた古賀はダイナマイトで自爆死する。

警察は沖田の行方を探そうとするも顔写真すら手に入れられない。その代わりに倉持が沖田に火事のことと解除方法を教えて欲しいと呼びかけるテレビ放送を流させる。また、ことごとく失敗しているニュースは新幹線の乗客たちにも伝わっており、恐慌状態に陥りかけている。平尾は処置も虚しく流産に終わり、このままでは母体にも危険があった。

度重なる警察の無能さに倉持ら国鉄職員は激怒し、独自に動き始める。広島付近の鉄橋において高速度撮影機を使って列車下部を撮影し、仕掛けられた爆弾の場所を特定する。他方で政府は解除が間に合わなかった場合に備えて、被害が大きくなる北九州工場地帯や博多ではなく、山口県の田園地帯で列車を停止させて爆破するように国鉄総裁に命令する。一方、現場では救援車を並走させて酸素溶接機一式を新幹線に送り込むと、爆弾上部の床を開け、コードを切って爆弾を解除することに成功する。先の写真分析からもう1ヶ所爆弾がある可能性があったものの、倉持の決断によって山口県内で列車の停止が命じられる。結局、時速80kmを下回ったが爆発する事は無く、乗員・乗客は助かる。

乗客たちの無事に安堵した倉持であったが、警察が沖田を捕まえるために、未だに爆弾解除成功のニュースをテレビに流さず、自身が沖田に呼びかける放送をさせていることを知る。倉持は警察を批判し、特に山口での停車の決断について乗客の命を守ることに疲れたとして辞職することを告げる。

一方、警察は沖田が国外逃亡を企てていることを掴み、羽田空港に張り込んでいた。未だ顔がバレていない沖田は別人名義のパスポートで警察の目を出し抜くも、警察は出国ゲートに彼の別れた妻子を同行させていた。それを見て沖田は動揺したため、警察に気づかれる。沖田は空港内で逃亡を図るも追い込まれ、最期は夜空に飛び立つ飛行機の下で狙撃隊に撃たれるショットで物語は終わる。
出演者
主要人物

高倉健:沖田哲男

千葉真一:青木運転士(ひかり109号)

宇津井健:倉持運転指令長

その他

山本圭:古賀勝

郷^治:藤尾信次

織田あきら:大城浩

竜雷太:菊池(鉄道公安官)


宇津宮雅代:富田靖子(沖田の元妻)

藤田弓子:秋山(女医)

多岐川裕美スカンジナビア航空係員

志穂美悦子:国鉄本社電話交換係


渡辺文雄:宮下義典国鉄公安本部長

福田豊土:田代車掌長(ひかり109号)

藤浩子:事務員

松平純子:喫茶店「サンプラザ」ウェイトレス

久富惟晴:広田警視庁特捜係長


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:437 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef