新宿・東京_-_常陸太田線
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常磐高速バス「つくば号」

常磐高速バス(じょうばんこうそくバス)は、主にジェイアールバス関東(JRバス関東)が運行に携わり、主に東京駅から常磐自動車道を経由して運行する高速バス路線群である。
定義

常磐自動車道を経由する高速バスは、各路線ごとに行き先にちなんだ愛称が設定されており、「常磐高速バス」は正式な路線総称として設定されたものではない。しかし、運行事業者であるJRバス関東は、各路線群の総称として利用者向けの案内として公式サイト上で使用している[1] 上、バス雑誌「バス・ジャパン」においても、運行事業者の担当者が執筆した記事において「常磐高速バス」と呼称している[2]

また、これらの高速バス路線沿線に所在する施設において、公式サイトの交通案内で「常磐高速バス」と表記しているケースが複数存在する[3] ほか、利用者用駐車場を併設した高速バス乗降場に「常磐高速バスターミナル」と掲示する事例も存在する[4] など、利用者・事業者の双方に使用されている通称であることが窺える。

本項では、公式サイト上で「常磐高速バス」という名称を使用しているJRバス関東が運行に携わる高速バス路線群について記述する。
概要
経緯

常磐自動車道には、供用開始してからしばらくは高速バス路線の設定が行なわれていなかった[5]。これは、国鉄(後のJR)常磐線に特急列車が多数設定されていること、採算性に関してリスクがあったことや(1960年代から1970年代に一般道経由で運行していた常磐急行交通の急行バス失敗例もあった)などが理由として挙げられている[5]。その筑波研究学園都市も開発の進展により、東京方面との移動需要が多くなった。

当時、筑波研究学園都市の研究学園地区への直通交通がなく、東京都心まで一般路線バスと鉄道を乗り継ぎ約2時間(つくばセンターの場合)かかっていた所要時間[6] が、高速バスの直行便を運行した場合40分から60分程度短縮されると見込まれた[6]。既に鉄道利用が定着している状況下、どの程度の需要を見込めるかは未知数であったと関係者は回顧している[7]

最終的には、1日16往復で、1便あたり20人程度の利用者数を見込む[7] こととして、東京駅とつくばセンターを結ぶ高速バス「つくば号」の運行が開始された。
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「つくば号」は開業後1ヶ月で1便あたり30人以上の利用者数となり[7]、さらに3ヵ月後には1便あたり39.9人と東名高速線を上回る状態となった[7]。利用者の急増に対応し、開業5ヶ月後には1日30往復に増便、さらに1988年8月には1日56往復に増便された。

「つくば号」が非常に良好な成績を収めたことから[2]、JRバス関東では常磐自動車道を経由する高速バスの路線展開を進めることとなり、1988年4月27日からは東京駅と水戸駅を結ぶ「みと号」の運行を、同年6月1日からは東京駅と日立駅を結ぶ「日立号」の運行を開始した。いずれの路線も鉄道と完全に並行する路線となったが、「みと号」は半年で1日平均利用者数は700人程度と当初の計画を超えた実績を記録[5]、「日立号」も1日平均利用者数は180人程度とほぼ当初計画通りの実績となった[5]
渋滞による遅延問題

利用者数は順調に増加したが当初から予想されているにもかかわらず置き去りにされ[7]、解決の見通しが立っていなかった問題点があった[7]。経路上にある首都高速道路6号向島線渋滞である。当時の首都高速道路は、中央環状線江北ジャンクション板橋ジャンクションを結ぶ区間が開通しておらず、都心に向かうところで放射線の3本がまとまってしまうという構造だったため、6号向島線の渋滞はよく知られていた[7]。さらに、この渋滞は、早朝・深夜を除けば、ほぼなくなる時間のない恒常的な渋滞であった[8]

これに対して、各路線とも上り便の所要時間の設定を20分から30分程度多く設定するという、渋滞による遅れを見越したダイヤ設定として対応していた[8] が、それでも予定時刻より遅れることは多く[8]、利用者も30分程度の遅れを見越して乗車する状態であった[8]。「みと号」などでは、通常は途中休憩無しのところ、大幅な遅延が予想される場合は臨時に守谷サービスエリアで休憩するケースもみられるようになった[8]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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