新大久保駅乗客転落事故
現場となった新大久保駅(2008年2月 撮影)
発生日2001年(平成13年)1月26日
発生時刻19時14分 ごろ (JST)
国 日本
場所新大久保駅 構内(新宿区)
路線山手線
運行者JR東日本
事故種類人身事故
原因泥酔客を救助しようとし、線路に進入。
統計
死者3人(日本人2人、韓国人1人)
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新大久保駅乗客転落事故(しんおおくぼえきじょうきゃくてんらくじこ)は、2001年(平成13年)1月26日(金曜日)の19時14分頃に東日本旅客鉄道(JR東日本)山手線新大久保駅で発生した鉄道人身障害事故である。目次
1 事故概要
2 対策
3 この事故を題材とした作品
4 脚注
事故概要 転落事故の犠牲者を追悼・顕彰するプレート
山手線新大久保駅で、泥酔した男性がプラットホームから線路に転落した。その男性を救助しようとして、線路に飛び降りた日本人カメラマンと韓国人留学生が、折から進入してきた列車にはねられ、3人とも死亡した。
人命救助のために自らの命を投げ出したこの件は、美談として日韓両国で大きく報道されるとともに、事故の犠牲者を追悼・顕彰するプレートが、新大久保駅のホームと改札の間の階段に設置された。このプレートには日本語と韓国語で事故の経緯が記されている。その後、救出を試みた2人の遺族には内閣総理大臣森喜朗より書状が贈られ[1]、警察庁からは警察協力章が授与された[2]。
しかし、カメラマンと暮らしていた母親は、国や市からの表彰について、近所の知人に対して「本当はそっとしておいてほしい、美談であっても息子が死んだことには変わりがない」と嘆き、事故から数年後に孤独死した[3]。
事故の翌年、天皇(現上皇)は死亡した韓国人留学生の両親を、皇居に招待して慰労した[4]。留学生の父親は後に奨学金財団を設立し、アジア出身の学生を援助した。2015年には日本国政府から旭日双光章が贈られた。父親が2019年に死去した際、外務大臣河野太郎は弔意を表し、親子の遺志を受け継ぐよう努力すると述べた[5][6]。また2019年10月22日には、新大久保駅を訪問した大韓民国首相李洛淵が、追悼プレートにて献花を行っている[7]。
最初に転落した男性が、駅構内のキヨスクで購入した酒を飲んでいたことが判明し、JR東日本は通勤圏の駅構内での酒の販売を一時取り止めた。
対策 列車非常停止ボタンの設置例(JR東日本)
この事故を受けて国土交通省は、列車の速度が速く、かつ本数の多い駅について「駅ホーム上に列車非常停止ボタンを設置、または転落検知マットを整備する」「プラットホーム床下に退避スペースを確保する」2点の対策を取るよう全国の鉄道事業者に指導した[8]。その結果、2006年度末まで列車非常停止ボタンが全国の約1,700駅に設置された[9]。
新大久保駅では事故のあった年に、転落者が逃げ込めるようホーム下に避難スペースを設ける工事が行われた[10]。
さらに2013年(平成25年)には、当駅にホームドアが設置された。
この事故を題材とした作品
『あなたを忘れない』(2007年) - この事故を題材に創作された映画。
『横道世之介』(2009年) - 吉田修一の小説。主人公・世之介は日本人カメラマンがモデルになっている。
「STEP! ?李秀賢(イ・スヒョン)26年の生涯に捧ぐ?」 - 安全地帯の曲。アルバム『安全地帯XII』(2011年)収録。
脚注^ ⇒勇気ある行為を称える辞(森総理からの弔意) 首相官邸ホームページ 2001年1月29日
^ “救助しようとして死亡の女性に紅綬褒章”