この項目では、病原ウイルスについて説明しています。疾病については「重症熱性血小板減少症候群」をご覧ください。
重症熱性血小板減少症候群ウイルス
分類
群:第5群(1本鎖RNA -鎖)
Group V
目:(未帰属)
Incertae sedis
科:ブニヤウイルス科
Bunyaviridae[1]
属:フレボウイルス属
重症熱性血小板減少症候群ウイルス(じゅうしょうねっせいけっしょうばんげんしょうしょうこうぐんウイルス、Severe fever with thrombocytopenia syndrome virus)とは、ブニヤウイルス科フレボウイルス属に属するウイルスの一種。ウイルス性出血熱の重症熱性血小板減少症候群 (SFTS) の病原体として同定されたウイルスである。名称が長いため、しばしば同症候群の頭文字をとってSFTSウイルス (SFTSV) と呼ばれる[1][3]。また、中国語の「新布尼亞病毒」から新型ブニヤウイルスと呼ばれることもある[4]。目次 2009年3月から7月にかけ、中国の湖北省および河南省で、原因不明の感染症が発生した。2011年になり、于学杰 (Xue-jie Yu) ら[2]によって患者の病理組織から抗原と核酸が発見されたことから病原体と特定され、SFTSウイルスと名づけられた[1]。その後、2013年になって日本でもコホートスタディにより、2005年秋以降2015年3月までに感染者が100名以上いたことが報告されている[5]。詳細は「重症熱性血小板減少症候群」を参照 なお、中国のSFTSウイルスと日本のSFTSウイルスは遺伝子が似ており、同一種であると考えられているが、遺伝子の分析から日本で分離された株は独自の群を形成することが明らかになっており、両者は完全に同一のものではないと考えられている。また、日本で確認されている4例の患者は、いずれも海外への渡航歴がない。このため、日本のSFTSウイルスは最近発生したものではなくウイルスそのものは昔から存在しており、患者の病原体を同定して初めて発見されたものと考えられている[1][6]。 SFTSウイルスは3分節に分かれるマイナス鎖の1本鎖RNAを有するRNAウイルスであり、クリミア・コンゴ出血熱ウイルスやリフトバレー熱ウイルスなどと同じブニヤウイルス科に属する[1]。 SFTSウイルスのゲノムは解読されている。L (Large)、M (Medium)、S (Small) の3つのセグメントと、RNA依存性RNAポリメラーゼ (RdRp)、前駆体糖タンパク質
1 発見
2 分類とゲノム
3 性質
4 感染経路
5 分布
6 症状
7 ハートランドウイルス
8 新たなウイルス
9 脚注
10 関連項目
11 外部リンク
発見
分類とゲノム SFTSウイルスのゲノム構造模式図