新人王戦_(将棋)
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新人王戦
棋戦の分類一般棋戦(新人・若手棋戦)
旧イベント名新人王戦 U-26(2006-2007年)
開催概要
開催時期10月(決勝)
初回開催1970年(第1期)
持ち時間3時間(チェスクロック方式)
番勝負三番勝負
優勝賞金未公表
主催
しんぶん赤旗日本共産党中央委員会
日本将棋連盟
公式サイト新人王戦(日本将棋連盟)
記録
現新人王上野裕寿(第54期)
最多優勝森安秀光森内俊之藤井猛
(3期)
最長連覇丸山忠久藤井猛増田康宏
(2連覇)
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新人王戦(しんじんおうせん)は、しんぶん赤旗及び日本将棋連盟主催の将棋棋戦。26歳・六段以下(タイトル戦経験者は除く)の棋士などが参加する優勝棋戦(一般棋戦)である。新人王が後にタイトルホルダーやA級棋士などの強豪になったケースは多く、若手プロ棋士の登龍門であるとされている[1][2][3]
概要

決勝は三番勝負で、例年10月から11月にかけて行われる。史上初めて女流棋士棋士の公式戦への参加を認められたのが1981年2月19日の新人王戦で、山下カズ子高橋道雄と指した。[4]

主催の「しんぶん赤旗」(旧・赤旗)は日本共産党中央機関紙であり、事実上政党が主催者となっている唯一の公式棋戦である。赤旗が棋戦主催に名乗りを上げたのは、第2代議長初代委員長宮本顕治が将棋を嗜んでいたことに由来し、宮本は存命中、決勝三番勝負を生で観戦するため党本部に程近い将棋会館に出向くこともあった。後に日本将棋連盟会長を務めた米長邦雄は、「個人的には保守強硬だが、政党の中で真っ先にいちばん感謝しなければならないのは共産党」と述べている。詳細は「宮本顕治#人物像・その他」および「米長邦雄#政治思想」を参照
方式決勝戦対局会場には他の報道機関も取材に訪れる(第49期で優勝最年少記録を出した関西将棋会館)[5][6][7]

若手の棋士女流棋士、アマチュア、奨励会員の計40名が参加するトーナメントを行い優勝者を決定する。「棋戦 (将棋)#若手棋士等選抜棋戦」も参照

2005年秋から始まった第37期(2006年度)より参加資格がそれまでの制度(後述)から大幅に変更され、定員が42名に固定された[8]。特に、プロの参加が30歳以下から26歳以下に引き下げられたことにより、奨励会三段の出場枠は実質的に大きく広がった[注釈 1]。その際に、棋戦名が単なる「新人王戦」から「新人王戦 U-26」に改称された。第39期(2007年度)には再び「新人王戦」に名称が戻された[9]

第40期(2008年度)には、定員が最大40名(奨励会三段の出場人数は棋士の参加人数以下[注釈 2])に変更された。現在の参加資格は以下のとおり[10]
26歳以下かつ六段以下(ただしタイトル戦経験者を除く)の棋士全員[注釈 3]

26歳以下の女流棋士(4名、成績選抜による)[注釈 4]

アマチュア(1名、赤旗名人、年齢制限無し)[注釈 5][注釈 6]

26歳以下かつ(棋戦開始年の)前期の奨励会三段リーグ成績上位者(四段昇段者を除く)


三段リーグ成績上位者からは、(40名?「上記1・2・3の合計人数」)の人数が出場する[注釈 4]

三段リーグ「成績上位者」には奨励会退会者を含まない[注釈 7]。後期三段リーグの「順位上位者」に同じ。

年齢については開始年(= 年度の前年)の10月1日を基準とする[10]。ただし27歳以上でも四段昇段から1年以内の棋士は1回に限り出場できる。

前期ベスト4以上で参加資格のある者はシードされ2回戦からの参加となる。また、棋士は基本的に2回戦からの登場であり、棋士の参加者数によっては女流棋士や奨励会員の一部も2回戦からの参加となる。決勝は三番勝負を行う。持ち時間は全ての対局で各3時間[10]

第53期より持ち時間がストップウォッチ方式からチェスクロック方式に変更された。[11]
記念対局

新人王戦優勝者とタイトル保持者が記念対局を行う。非公式戦であり、成績は通算記録などに算入されない。

記念対局は、第36期(2005年度)まで公式戦であった。優勝者とその年の名人による記念対局が11月頃に行われた。2006年以降はタイトルホルダーのうちの1人との非公式の対局となっている。対局相手はスケジュール等を鑑みて決定される[12]。記念対局が師弟対局になった事例は2例で、第23期(1992年度)新人王戦・記念対局(中原誠名人 対 佐藤秀司新人王)と第50期(2019年度)新人王戦・記念対局(木村一基王位 対 高野智史新人王)で、いずれも新人王側が勝利している。同門兄弟弟子同士の記念対局は第12期(1981年度)新人王戦・記念対局(中原誠名人 対 田中寅彦新人王)の1例のみで、両名とも高柳敏夫門下である。

先後は振り駒を行わず、新人王が先手となる。ただし新人王がタイトルホルダーでもある場合は振り駒により先後を決めることとなっており[13]、2018年までに1999年の藤井猛、2005年の渡辺明(いずれも竜王就位)の2例がある。

対戦成績は、名人との公式戦だった時代は新人王の12勝24敗[14]、タイトルホルダーとの非公式戦となった2006年度から2021年度までは新人王の6勝10敗となっている[15][16]
特典

棋士の優勝者は、優勝翌年度のNHK杯戦にて、予選免除・本戦シード対象となる「公式棋戦優勝者」として扱われ、本戦1回戦から出場することが出来る(NHK杯戦に出場資格のない奨励会員・アマチュアは対象外だが、奨励会員が新人王戦参加中に四段昇段で棋士となって優勝した場合は本戦シード対象)。詳細は「NHK杯テレビ将棋トーナメント#本戦シード」を参照

奨励会員については、第44期新人王戦で奨励会三段の都成竜馬が優勝したことを受け、新人王戦で奨励会三段が優勝した場合、「進行中の三段リーグ終了時に次点がつく」という規定が新設された(ただし、この次点2つで四段昇段はできず、フリークラス編入の四段昇段には「三段リーグ3位」がもう一つの次点として必要となる)[17][18]。詳細は「新進棋士奨励会#三段リーグ」および「都成竜馬#棋歴」を参照

アマチュア及び女流棋士についても、2021年より、優勝した者に棋士編入試験の受験資格が与えられている[19]。詳細は「棋士 (将棋)#棋士編入試験制度」を参照


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